[ 2017年3月期 通期 決算説明会 ]Q&A
- Q1. 営業利益が、2017年3月期の実質855億円から、2018年3月期には800億円になるとのことですが、その変化の内容について教えてください。2017年3月期に譲渡した事業の利益、およびQualcomm社から受領するライセンシングフィー等を除いて考えると、どのように変化しますか。また、2018年3月期見込みの約800億円を上期下期で分けると、どのようなりますか。
- A1. まず2017年3月期は、年間855億円がリストラ費用を除いた実質ベースで、これが2018年3月期に800億円となります。2017年3月期の営業利益は2,087億となりましたが、そのなかにはカーブアウトした高周波部品事業の譲渡益1,444億円と構造改革費用212億が含まれております。また、カーブアウトした高周波部品事業の売上規模は約1,300億円、営業利益率が20%強となります。これら譲渡益、構造改革費用およびカーブアウトした高周波部品事業の営業利益を除き、今期2018年3月期と同じベースで2017年3月期の営業利益を計算し直しますと、約600億円になります。今期は600億から800億円に増益となる見込みです。基本的に、この伸びの大部分は受動部品によるものです。このなかに、RF360社設立に関する契約によるフィルターフィーとして、約50億円が入っております。営業利益見込み800億円を上期下期で分けますと、利益の分布は約45%が上期、残りが下期というイメージです。
- Q2. 今期の設備投資の中身を教えてください。かなり高水準であり、中期成長に向けた投資だと思われますが、具体的にどのように使っていくのでしょうか。また、次の中期計画に向け、さらにどれくらいの投資が必要になるのかを教えてください。
- A2. 今期1,600億円ほどの設備投資を予定しておりますが、その約3割ずつが受動部品と二次電池事業への投資です。二次電池については、数量増加に対応する増産投資および合理化、あるいは安全性や信頼性向上のための投資が中心です。受動部品については、新工場のモデルライン的な投資、および新製品への投資が主なものです。磁気応用製品への投資は全体の約2割です。ここはHutchinson社が持つような新しい事業に対しての投資もある程度含まれています。現中期において積極的に先行投資してまいりましたので、次の中期においては、基本的に償却プラスアルファを1つの目安として考えております。
なお、先ほど磁気応用製品への投資が約2割と申し上げましたが、1点補足させてください。磁気応用はすなわちHDDヘッドというイメージを持たれると思いますが、現在、磁性事業において事業内容を大きく転換していこうと考えております。これまで、HDD用のVCM用マグネットの比率が非常に高く、これを車載向けあるいは産業機器向けに転換していかなければなりません。すでに車載用の仕込みは始まっており、大手得意先を含めモータ用マグネットの受注が確定し、そのための生産体制の整備に入ります。国内を中心とした整備のための投資が、この約2割に含まれております。 - Q3. 現在、電子部品の需給がひっ迫していることと思います。受動部品に対してこの投資のみですと、2、3年後に、特に車載向けのインダクタやセラミックコンデンサの需要拡大に応えられないのではないかと懸念しています。これらの需給の動向と、それをふまえたうえでの投資への考えを教えてください。
- A3. ご指摘の通り、コンデンサとインダクタに対する車載メーカーからの需要は旺盛です。多くのお客様からさらに増産するようご注文いただいております。コンデンサに関しては前期、今期で能力アップのための投資を行います。インダクタも含め、適時投資を拡大し、ご要望にお応えしていきたいと考えております。ゼロディフェクトを実現する理想的なモデルラインを中心に、当社としては数を追うよりは、質を売りにして対応していくスタンスで進めていきたいと考えております。インダクタに関しては、ルネサスから買収した工場(現鶴岡東工場)のリソースも活用しながら、ライン増設で対応してまいります。ハイパワー、ハイインダクタンスの製品が、今後の投資対象になると考えております。