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[ 2015年3月期 第2四半期 決算説明会 ]Q&A

Q1. 受動部品売上は、2Qから3Qにかけて3~4%増加する見通しということを示していただいていますが、主要製品のコンデンサ、インダクタ、高周波部品、その他に分けた時にどんな変化を見込んでらっしゃるのか教えて下さい。
A1. コンデンサは3~4%、インダクタは4~5%、高周波部品はセグメント全体の伸び率より高い15%プラスアルファ位の伸びをみております。その他は大体横ばいです。
Q2. HDDヘッドの2Q出荷数量は、7月末時点の見通しから今回実績にて数量ベースで上回っております。これは御社のシェアが上昇したのか、全体の需要が増えたのか教えて下さい。
また3Qも、HDD全体の需要が減ると見られる中で数量が増える見通しですが、この背景は新世代品が増えているということだと推測しているのですが、ご説明をお願いいたします。
A2. 7月末時点の見込みよりも上回った一つの要因は、弊社のシェアが高い2.5インチの需要が堅調であったということがございます。また、ご指摘の通り、新製品が伸びてきているということもあり、見込みより上向きの数字になりました。今後もその辺りを下支えとして年間の需要のピークにもなる3Qで数量を伸ばしていきたいと考えております。
Q3. HDD市場の需要も、3Qは2Qよりも強いというご前提なのでしょうか?
A3. ほぼ横ばいくらいとみております。
Q4. 今期の通期計画の確認ですが、期初計画が570億で今回の修正で630億に上方修正しましたが、セグメント別の変化について教えてください。
A4. セグメント別の変化についてですが、為替を除いたところでは、受動部品は期初見ていた水準より増加しております。磁気応用製品については、HDDヘッドは期初見ていた数字とほぼ同じ水準を想定しておりますが、HDDヘッド以外の磁石と電源が期初想定していた利益改善が少し遅れているため、期初よりマイナスで見ております。フィルム応用製品(主に二次電池)は、主要顧客の生産調整の影響で、1Qは若干出遅れがあり想定より少なくスタートしましたが、2Qと3Qで挽回し、4Qについても、前年同期の数字よりは上に行くと見ておりますので、売上は為替を除くと若干足りない可能性がありますが、利益については、ほぼ期初通りに持っていけるのではないかと見ております。
また、その他の製品(その他セグメント)は、新製品の改善が進んできておりまして、期初見ていた赤字がかなり減るのではないかと見ております。
Q5. 来年の利益の見方や増益ドライバーについて教えてください。
A5. まず今期の4Qの利益は、先ほどの説明でも申し上げましたが、例年のように落ちないだろうと見ております。落ちないような手も打っているわけですが、4Qの利益が落ちないことで、来期の1Qのスタートが結構高いところできれることになると思います。2Q以降の四半期も1Qの水準をベースに増えてくることになるので、そこが来期例年と大きな相違点になると考えています。また、増益のドライバーは、インダクタ、高周波部品とみています。インダクタは、特に薄膜製品がかなり増えていくだろうと見ております。また、金属系インダクタも、かなりラインナップが揃ってきたので来期大きく増えてくると見ております。高周波部品は、やはりSAWフィルタ、BAWフィルタ等のディスクリート品に加え、モジュールにも手を打ってきていますので、この効果が来期増益ドライバーとして出てくるだろうと思っております。全体的に受動部品がかなり牽引してくれるだろうと見ております。
Q6. 磁気応用製品やフィルム応用製品よりも受動部品がドライバーになるのでしょうか?
A6. そうですね。来期を見ると受動部品がドライバーになるだろうと考えております。また、中期視点で見ていくとそれ以外に、二つくらい柱になるものが出てくるだろうと見ております。
Q7. 今期の事業環境は米系や中国系も良かったわけですが、今後のスマートフォンの業界とそれに関連した事業はどのように見ていますか?
A7. スマートフォンの業界は、ハイエンドの機種が増えることになると思いますが、全体として台数が減ることはないと思います。4G、4世代は、次の世代には間違いなく進化していくことになると思いますので、全体の流れとしてはフィルタの数は間違いなく増加し、加えて高周波化してきますので、それによる部品需要の増加も期待していいだろうと見ております。業界の流れとしても1社依存型はありえませんので、着実に当社の販売も増加できるだろうと思っております。だからこそ技術力でかなり競争力つけなければいけないと思っております。また、バッテリーについても現在急速充電が主力になりつつあります。こういう関連技術を磨いてシェアをとっていく戦略です。薄型急速充電電池で、二次電池についてもスマートフォン向けに伸ばしていきたいと考えています。業界の変化に加えて、特徴のある技術を使って、業界内の変化をとりシェアを向上させるということにシフトしていくことになると思います。
Q8. CEATECで熱アシストヘッドを発表されています。2年後実用化しますという話をされていて、準備が整ってきたとの感触を持っています。技術の成熟度がどこまで来ていて、どういう状況にあるか教えて下さい。また、熱アシストの開発というのはヘッドだけではなく、総合開発に近いようなところもあり、その中で御社は非常に進んでいると思います。そこを戦略的にどうやって使っていくのか、考え方を教えてください。
A8. 弊社で1,000時間位のライフのHDDが作れるようなヘッドができてまいりました。まだまだ改善は必要と思っておりますが、ライフタイムについて目途が立ってきたという感触を持っております。記録密度についても充分に現行品を凌駕するところまできております。
2016年中にヘッドの量産を実現するための開発を進めております。また、ご指摘の通り、ドライブメーカー様並びにメディアメーカー様と協業体制を構築し、推進をしているところです。一方でバックエンド側の量産性についても様々な機構部品を積み込んできますので、コスト的にも品質的にも最適なものを実現できるように、社内の生産装置の開発等も含めて進めています。
Q9. マグネットと電源は受動部品等に比べ収益性の改善が遅れている印象ですが足元の状況と取組みについて教えて下さい。
A9. マグネットについてご説明いたします。金属磁石において、今まで弊社の主力であったHDD用のVCMの販売が想定より低くなった影響で当初計画より改善が遅れております。これはHDD市場自体の影響というより、お客様のサプライヤーに対する調達方針の変化によるところが大きいです。フェライトマグネットについては改善が進んできておりますが、新製品へ切り替え、製品ミックスの改善というところが当初の想定より若干遅れております。金属製品は、現在特性的にはかなりお客様に評価をいただけるものが完成しておりますので、新製品によるコスト競争力を上げるというところを重点に置いて進めております。金属に限らず、フェライトも含めた既存品についても改善を継続し、事業のスピードを上げて進めております。
次に電源についてご説明いたします。産業機器市場向けのスイッチング電源のほうは収益改善が進んでおりますが、自動車用のEV電源が、期待しておりました大手のお客様のリコール等の問題で大きく計画を下回る状況になっております。EV電源については、北米の自動車メーカー様にもかなり納めさせていただいているのですが、米国のガソリン価格が、安定化していることで、EVの需要が伸び悩み、その結果、当社のEV電源も当初期待したよりも売上が伸びないという状況になっております。スイッチング電源の方は、来季に向けても引き続き堅調に事業を進められると思っております。EV電源の方は、新製品も投入して現在大手のお客様に積極的にアプローチをしており、お客様の御要求に答えられるような形になってきております。新製品の拡販も着実に進めていき早期に収益改善を図りたいと考えております。
Q10. 御社は従来のSAWフィルタに加えて、高周波数帯域用のBAWフィルタもお持ちですが、BAWの状況について教えて下さい。
A10. 当社の薄膜工法を使ったBAWフィルタですが、今非常に強い引き合いをいただいておりますので、増産対応を積極的に行い、シェアを伸ばしていきたいと考えています。さらには、独自のパッケージ化工法を用いた小型の新製品も投入してシェアを拡大していきたいと考えております。
Q11. 設備投資が100億円期初予想より上がっていますが、主な内容について教えて下さい。
A11. 増産投資100億は、主に高周波部品、OIS、電池です。
Q12. 先程Q4がそれほど落ちないという説明がありましたが、落ちない理由がマーケットの状況によるものなのか、それとも御社固有の状況によるものなのか教えて下さい。
A12. マーケットの状況によるものとしては、4Qは北米の主要顧客のスマートフォンの販売が急速に落ちないのではないかと見ており、そこが販売の大きな牽引役になるのではないかと考えています。また、こちらは弊社固有の要因となりますが、今期の4Qは戦略在庫を作り、来期1Qの販売に繋げていくことも考えております。もちろん3Qの生産から調整をして1Q以降の需要に対する適正な在庫水準を考慮して進めていきます。