インダクタ:ESD対策機能内蔵の薄膜コモンモードフィルタの開発 (TDK-EPC株式会社)
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業界初※、EMI対策とESD対策を1部品で対応可能
2010年4月8日
TDK株式会社のグループ会社であるTDK-EPC(社長:上釜健宏)は、高速差動伝送におけるコモンモードノイズ対策と静電気対策を1つの部品で可能とした、業界初の薄膜コモンモードフィルタ(TCE1210)を開発しました。2010年4月から量産を開始します。
本新製品は、自社従来品(コモンモードフィルタ)と同サイズ(1.25×1.00×0.60mm)ですが、TDK独自の薄膜の回路形成技術、材料技術を生かし、従来EMI機能のみであった内部構造に、ESDサプレッサ機能を付加することに成功しました。
これにより、従来、ノイズ対策部品のコモンモードフィルタと、ESD対策部品であるバリスタやESDサプレッサ等をそれぞれ使用していた回路において、ESD機能を内蔵した本新製品に置き換えることが可能となり、部品点数と実装面積の削減につながるとともに、モバイル機器等の更なる小型化にも貢献します。
本新製品のカットオフ周波数は5.0GHzであり、コモンモードインピーダンスは90±25Ω、定格電流は100mA、かつESD耐久性は国際サージ規格であるIEC61000-4-2に対応しています。また、低容量化の実現により特性インピーダンスへの影響が殆どなく(TDR測定)HDMI等の高速インタフェースへの使用に最適です。
本新製品は、主にモバイル機器をはじめとする民生機器のHDMIや、USB3.0、シリアルATA等の高速・大容量のデータ転送の際のEMI、ESD部品として最適です。
※2010年4月、TDK調べ
用語解説
EMI: | Electromagnetic Interference(電磁妨害)。主に電子機器から放射される不要輻射による障害のこと。外部からの侵入電磁波への耐性であるEMS(Electromagnetic Susceptibility)とあわせ、EMC(Electromagnetic Compatibility)対策のうちの1つ。 |
ESD: | Electro Static Discharge(静電気放電)。静電気によるサージは、電子機器の誤動作や半導体素子の破壊の原因となり得る。 |
ESDサプレッサ: | 静電気が原因でおこる機器の破壊・誤動作を防止する役割をもつ静電気対策部品。 |
IEC: | International Electrotechnical Commission(国際標準会議)。1906年に設立された電気、電子、通信等の分野で各国の規格・標準の調整を行なう国際機関。 |
TDR: | Time Domain Reflectometry |
主な用途
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- モバイル機器等一般のコンシューマ製品における高速差動伝送のノイズ、静電気対策
主な機能と主な利点
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- 1部品でコモンモードノイズ対策と静電気対策が可能
- 部品点数と実装面積の削減が可能
主要データ
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製品名 TCE1210-900-2P-T000 コモンモードインピーダンス [Ω] 90±25 カットオフ周波数 5.0GHz 定格電圧 10V 定格電流 100mA サイズ [mm] 1.25×1.00×0.60mm3 生産・販売計画
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- サンプル価格 : 50円/個
- 生産拠点 : 秋田地区
- 生産予定 : 1,000万個/月(当初)
- 生産開始 : 2010年4月
TDK-EPC株式会社について
TDK-EPC株式会社(本社:東京)はTDKのグループ会社であり、TDKの基幹事業である電子部品部門と、ドイツのEPCOS社との統合で設立された電子部品の開発・製造・販売を担うリーディングカンパニーです。日本を始め、アジア、欧州、米国の各地域に事業の拠点があり、製品ブランドとしてTDKおよびEPCOS双方の製品を扱います。
主な営業品目は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等であり、これらの幅広い製品群により、TDK-EPCは情報家電、通信機器、産業機器、車載機器等、世界のあらゆる市場ニーズにお応えします。
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