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世界最小、モバイル機器用 薄膜バンドパスフィルタの開発

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Bluetoothや無線LAN用として1005形状で厚さ0.3mmを達成

世界最小、モバイル機器用 薄膜バンドパスフィルタの開発

世界最小、モバイル機器用 薄膜バンドパスフィルタの開発

2008年9月25日

TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、この度、1005形状では世界最小となる厚さ0.3mmの薄膜バンドパスフィルタを開発しました。本製品は当社の主力製品であるHDD用磁気ヘッドの製造で培った薄膜技術を応用し、当社従来品2012形状比で体積が1/12という大幅な小型化、低背化を実現しました。

携帯電話をはじめとする移動体通信機器は、基本機能に加え、近年は画像データなどの比較的大容量なデータ転送やインターネットのモバイル化などにより一層の高機能化が進んでいます。また、機能と並んで魅力ある機器デザインも重要となっており、よりコンパクトかつ軽量で使いやすい機器のニーズが高くなり、電子部品への小型化、薄型化が求められています。また、電子機器を構成する各種モジュールに搭載される電子部品にも、より薄型化が求められています。
このような高機能化、多機能化が進む中、通信機能に必要とされる信号は省電力化や長寿命化のため低損失の伝送を確保し、不要な信号は大きく減衰させることが重要となります。
TDKではこれらの市場ニーズに応えるため、HDD用磁気ヘッドの製造で培った最先端の薄膜技術を応用し、セラミックスの基板上に銅線、絶縁体に加え誘電体も薄膜形成することで1005形状(縦1.0mm×横0.5mm)で高さ0.3mmという世界最小のバンドパスフィルタを開発しました。本製品は、主に携帯電話用の無線LANやBluetooth*1モジュール、Bluetooth対応のヘッドセットなどの信号品位確保の用途が期待されています。
なお、TDKが得意としています薄膜技術は、本製品の他にも高速データ伝送の信号品位確保のためのノイズ対策製品として使用される「薄膜コモンモードフィルタ」の製造にも生かされています。

※2008年9月現在、TDK調べ。

用語解説
*1) Bluetooth:2.4GHz帯の電波を使用し、数m程度の機器間接続に使われる短距離無線通信技術の1つ。
主な特長
  1. 当社HDD用磁気ヘッドの製造技術で培った薄膜技術を応用し、1005形状で世界最小サイズである、厚さ0.3mmを達成。
  2. 内部導体の微細化と誘電体層の薄層化により、1005形状で3つの共振器*からなる3段のバンドパスフィルタを実現。
    *共振器とは、高周波回路の素子の一種で、特定の周波数の信号を通す機能をもつもの。フィルタの主要な構成要素となる。
  3. 鉛フリー対応、鉛フリーはんだ実装対応、RoHS対応。
主な用途
携帯電話用の無線LAN、Bluetoothモジュール、Bluetooth対応のヘッドセットなどの信号品位確保
生産・販売計画
  • サンプル価格 : 100円
  • 生産拠点   : 国内
  • 生産能力   : 100万個/月(当初)
  • 生産開始   : 2009年1月から
本件に関するお問い合わせ

広報部 Tel. (03) 6778-1055