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電源製品: 高電力密度アプリケーション向けテレメトリ機能を備えたμPOL™ DC-DC コンバータの開発と量産

  • 小型モジュールの構造を最適化し、高電力密度を実現
  • 新製品FS1606は、6Aで業界最小のソリューション
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)へI2Cインタフェースを介し容易にアクセス
※実際の製品にTDKのロゴは刻印されていません

2025年3月4日

TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、microPOL (μPOL™)パワーモジュールのFS160*シリーズを開発し、2025年3月より量産を開始したことを発表します。性能が向上したμPOL DC-DC コンバータのFS160*シリーズはテレメトリ機能を備えた業界最小サイズで高電力密度を実現した製品です。

FS160*シリーズのサイズはL3.3mm × W3.3mm × H1.35mmであり、そのサイズと高電力密度により、本シリーズのモジュールはいずれも、ASIC、SoC、そして一般的なFPGAを搭載した設計へ、容易に組み入れることが可能です。テレメトリ機能(電圧、電流、温度)には、I2Cインタフェースを介してアクセスが可能で、モジュールは-40°Cから125°Cまでの幅広い接合部温度範囲で動作します。

3A品(FS1603シリーズ)、4A品(FS1604シリーズ)、6A品(FS1606シリーズ)のそれぞれには数種類のバージョンがあり、その他ラインナップとしても、12A(FS1412)および25A~200A(FS1525)のモデルを用意しました。3Aから200AまでのDC-DCコンバータモジュールは、ビッグデータ、機械学習、人工知能(AI)、5G基地局、IoT、エンタープライズコンピューティングなど、幅広い分野のニーズをカバーします。

モジュール構成自体が革新的なFS160*シリーズのモジュールは、半導体内蔵基板技術を用いて、高性能コントローラ、ドライバ、MOSFET、ロジックコアをパッケージ内にて統合しています。半導体内蔵基板にすることによって、ワイヤボンディングが不要となり、温度性能が向上します。

また、モジュールのICとインダクタ、その他受動部品をチップ内蔵パッケージに統合することで、寄生インダクタンスを最小限に抑えています。これにより接続間距離が短くなり、モジュールの効率を高めています。抵抗とインダクタンスを最小化することで、動的負荷電流の応答速度が速まり、調整を正確に行うことができます。ブートコンデンサおよびVccコンデンサも、モジュール内に組み込まれています。

これらおよびその他の設計最適化により、FS160*シリーズのコンバータは、1mm3あたり1Wという大容量送電を可能としていますが、モジュールサイズは同クラスの製品と比べて半分程度です。FS160*シリーズのモジュールには非常に実用性があり、周辺温度100°Cを上限として、最高15Wまでエアフローを必要としません。このモジュールを使用することにより、プリント基板の省スペース化、基板層数と外付け部品数の削減が可能になるため、最終的にシステムのコスト低減につながる小型ソリューションとなります。

このモジュール方式により、0.6V~5.0V出力のアナログ/デジタル設計が可能です。TDKは主要なFPGAサプライヤ各社のFPGAに特化したツールを含め、設計者が使用できる複数の設計ツールを用意しています。

FS1603、FS1604、FS1606シリーズには、3A、4A、6Aの各モジュール用の評価ボードがあります。FS160*シリーズの追加設計ツールには、QSPICETM上のスパイス・シミュレータ設計が含まれます。回路図およびPCBレイアウト用のリファレンスデザインは、パートナーのUltra Librarianから無償で提供されています。
https://www.ultralibrarian.com/partners/tdk

用語集

  • μPOLモジュール:ASICやFPGAなどの複雑なチップセットに隣接配置される統合DC-DCコンバータ
  • PCB:プリント基板

主な用途

  • ビッグデータ
  • 機械学習
  • 人工知能(AI)
  • 5G基地局
  • IoT
  • エンタープライズコンピューティング

主な特長と利点

  • 小型モジュールにおける高電力密度
  • テレメトリ機能(電圧、電流、温度)
  • 3Aから25Aまでの幅広いラインナップのうちの一部として設計および用途にあわせ柔軟に対応可能
  • 3.3mm × 3.3mm × 1.35mmの小型サイズ
  • -40°Cから125°Cまでの幅広い動作温度範囲
  • 基板のサイズとコストを最小化
  • 産業機器向けとして評価済み、鉛フリー、ROHS準拠

主な特性

Part No. L x W (mm) T (Max.) (mm) Input Voltage
Range Dual Supply
Mode / V
Input Voltage
Range Single Supply
Mode / V
Output Voltage / V Continuous
Output
Current (Max.)
/ A
Operating
Junction
Temp. / °C
FS1603-5000-AL 3.3 x 3.3 1.45 4.5 to 16 4.5 to 16 5 3 -40 to 125
FS1604-3300-AL 3.3 x 3.3 1.45 4.75 to 16 4.75 to 16 3.3 4 -40 to 125
FS1606-0600-AL 3.3 x 3.3 1.45 2.5 to 16 4.5 to 16 0.6 to 5.0V 6 -40 to 125

TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2024年3月期の売上は約2兆1,030億円、従業員総数は全世界で約101,000人です。

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伊藤 TDK株式会社
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+81 3 6778-1055 TDK.PR@tdk.com