Flash Storages: PCI Express®対応の高信頼性 M.2 type SSDの商品化について
- 自社開発PCI Express®, NVM Express™対応コントローラGBDriverGX1を搭載
- DRAMレスおよび内部電源バックアップ回路搭載
- 低消費電力
2023年11月9日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、新たに自社開発したPCI Express® (PCIe®) *1, NVM Express™ (NVMe™) *2対応NAND型フラッシュメモリ制御IC GBDriver GX1を搭載したM.2 2280 type SSD [SNP1Aシリーズ]を2024年1月末より販売することを発表します。
近年、ホストシステムのSATA接続ポートが減少し、PCIe®/NVMe™接続のSSDの需要が増えてきております。
PCIe®/NVMe™インターフェース対応のSSDは、サーバー、ハイパフォーマンスコンピューティング、エンターテインメント機器など転送スピードを主眼とする製品が多数を占めている一方で、産業機器、エッジコンピューティング機器においては、信頼性や安定動作が重視されます。
今回NANDメモリコントローラIC (GBDriverGX1)に従来製品で培われたノウハウをつぎ込み、産業機器で主に使われるOSブートアップ利用を想定したデータ信頼性の高いPCIe®/NVMe™インターフェース対応のSSDを開発しました。更に、産業用途で従来製品でも高く評価された電源遮断対策回路をPCIe®用に新規開発し、突然の瞬停などの電源遮断に強いM.2 2280フォームファクターのSSDとなっております。
更に、エッジコンピューティング機器に組み込まれて使われることを想定し、消費電力にも着目しています。NANDメモリコントローラIC (GBDriverGX1)の設計上の工夫により、一般的なPCIe®/NVMe™インターフェース対応のSSDよりおよそ半分程度の消費電力*3となり、エッジコンピューティング機器の長時間駆動に貢献します。
データセキュリティ機能も充実させています。ファームウェア(FW)改竄防止機能だけでなく、なりすまし防止やランサムウェアなどのウィルス対策が可能な当社オリジナルセキュリティ機能なども搭載し、NAND型フラッシュメモリに記録されたデータ改ざん、漏洩に対し、強固なセキュリティ機能を提供します。
なお、SNP1Aシリーズは2023年11月15日~17日にパシフィコ横浜で開催されるEdgeTech+2023の当社ブースにて展示します。
主な用途
- エッジコンピューティング機器、産業用PC、組み込みCPUボード、FA機器、半導体製造装置、駅務設備機器、金融決済端末、OA機器、ゲームなどのアミューズメント機器、広告ディスプレイ装置、医療機器、データ解析機器、通信放送機器や情報システム機器、電力機器自動制御システムやスマートグリッド機器、セキュリティ端末などの防犯機器、防災機器
主な特長と利点
- 新規自社開発のNAND型フラッシュメモリ制御IC TDK GBDriver GX1搭載
新規自社開発コントローラTDK GBDriver GX1を搭載。産業用途・組み込み用途で求められる高信頼性を実現しています。また、フラッシュメモリの世代交代や終息時に、速やかに上位互換品のご提案が可能です。 - データ信頼性を保ちながらの高速アクセス
現在産業用途で一般的に使われているSATAタイプのSSDに比べ、当社従来製品比でReadは約4.7倍の最大1700MByte/sec、Writeは3.6倍の1200MByte/sec *4を実現。高信頼性を保ちながら高速なブートアップが可能です。 - TLC/疑似SLCフラッシュメモリ搭載
産業用途での使用を考慮し、3D NANDフラッシュを高耐久な疑似SLC(SLC mode) NANDフラッシュとして搭載した20GBの低容量品から、TLC(TLC mode) NANDフラッシュとして使用した1920GBの大容量品まで幅広い容量をラインナップ。容量、コスト、信頼性などお客様のご要望に合わせて選択可能です。 - エラー修復機能
3D NAND単体で使用した場合の高いデータエラー率をカバーするため、GBDriverGX1には強力なエラー訂正機能(LDPC)を搭載し、データエラー訂正能力を強化しました。また、従来のシリーズでも好評であったオートリフレッシュ機能により、リードディスターブエラー、データ保持エラー等によるデータ消失を防ぎます。 - サーマルスロットリング機能搭載
3D NANDフラッシュメモリは2D NANDフラッシュメモリに比べて温度による影響を受けやすいため、温度センサを搭載。ストレージ使用中の温度状況を監視でき、設定以上の高温になった場合には自動的にSSDのアクセス速度を落とすことも可能です。 - 全領域スタティック・ウェアレベリング機能装備
TDK独自のスタティック・ウェアレベリング・アルゴリズムにより、全メモリ領域(全ブロック)について書き換え(消去)回数をカウントし、均等にブロックの置き換えを行います。OS等の固定領域も定期的に均等化するため、メモリ寿命を飛躍的に向上しています。 - 電源遮断耐性を強化
DRAM不使用かつ、TDK GBDriverの耐電源遮断アルゴリズムにより、データ書き込み中の電源遮断により、書き込み対象データ以外のデータが破壊される巻き添えエラーを低減し、突然の電源トラブルに強いストレージです。さらに、新規設計の電源バックアップ回路搭載により、システム側での電源遮断対策を大幅に軽減します。 - セキュリティ機能
- (ア) FW改ざん防止機能
強固な電子署名方式により不正なFW作成を防止します。 - (イ)TDKオリジナルセキュリティ機能
ホストとSSDが相互認証を行いますので、なりすまし等の第三者によるアクセス・応答を制限することが可能です。また、本機能を用いることにより、ランサムウェア対策やワイパー型マルウェアなどのウィルス対策も可能です。(オプション、別途秘密保持契約が必要) - (ウ) AES256bit 暗号化機能
AES256bit暗号化機能を使うことにより、自動的にデータを暗号化して、NAND型フラッシュメモリに書き込むため、個人情報や秘密情報の漏洩、改ざんを防ぐことが可能です。(オプション) - (エ) TCG OPAL対応(オプション)
- (ア) FW改ざん防止機能
- SMART log対応
NVMe規格のSMART / Health Information logだけではなく、当社オリジナルのTDK SMART logを利用可能です。TDK SMART logでは、全メモリブロックの書き換え(消去)回数が取得できるため、フラッシュメモリの状態が容易に把握でき、的確な寿命管理が可能です。また、当社オリジナルソフトウェアを無償で使用可能です。 - ソリューションサポート
TDKでは、2000年よりNAND型フラッシュメモリコントローラGBDriver シリーズを自社開発、販売しており、組み込み市場において強く求められるFAE(Field Application Engineer)体制や信頼性モニタ機能の実装サポートなど、国内外のカスタマーに対し自社技術に基づく技術サポートを行っております。
用語集
- *1 PCIeは、PCI-SIGの登録商標です。
- *2 NVMeはNVM Express, Inc.の米国またはその他の国における登録商標または商標です。
- *3 2023年11月現在、自社調べ
- *4 SLC mode設定NANDフラッシュメモリ搭載、4ch interleave構成時。システム環境に依存します。
生産・販売計画
- 生産拠点 :台湾
- 生産予定 :シリーズで1万個/月
- 生産開始 :2023年12月(SLC mode 設定NAND搭載品)、2024年3月(TLC mode設定NAND搭載品)
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。
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伊藤 | TDK株式会社 広報グループ |
+81 3 6778-1055 | TDK.PR@tdk.com |