株主・投資家情報
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IRイベント

第126回 定時株主総会 質疑応答概要

Q1. 中国での事業活動におけるリスクへの対応についてお聞きしたい。
A1. 当社は、拠点展開において、地域の市場性、技術力、地政学的リスク、これら3つの観点を総合的に検討し、海外進出の判断、決定を行っております。中国リスクへの対応につきましては、上海に設置している地域本社が、政治的・経済的動向の変化に関してタイムリーに情報収集を行うとともに、中国国内における各拠点のリスクを分析しております。また、顕在化しつつあるリスクに対しては、中国の地域本社が、各本社機能と連携し対策を講じております。具体的な対策としては、中国から他のアジア拠点への展開、複数生産拠点についての顧客からの承認の取得、生産の自動化の推進等が挙げられ、これらを継続的に進めております。
Q2. 定款変更議案における事業目的の記載の変更のうち、特に建築工事等に関する変更の背景について教えてほしい。
A2. 変更案第2条第4号「建築工事、床・内装工事および電気工事の設計および請負」は、当社の電波暗室に関する事業に対応した記載であり、当該事業を今後も適切に行うことができるよう変更するものです。
電波暗室とは、無電波状態の特殊な実験室のことです。当社は、電波暗室の建築を請け負うこともあれば、当社が所有する電波暗室での機器の測定・試験を請け負い、その結果をお客様に提供することもあります。また、今回の事業目的の記載の変更につきましては、医療機器、自動車等、エレクトロニクス分野の裾野が大きく広がってきたこと、さらに、今後、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やEX(エネルギー・トランスフォーメーション)の潮流が一層拡大していくことが見込まれることを踏まえ、事業の拡大を容易にするという観点から、事業目的を大きな枠組みに整理し直して、ご提案しております。
Q3. 為替変動による業績への影響について知りたい。
A3. 当社は海外売上比率、海外生産比率ともに高いことから、為替変動による影響を相応に受けます。125期(2021年3月期)は年平均1ドル106円、126期(2022年3月期)は年平均1ドル112円であり、126期は前期比で6円の円安でした。これらを含め全体の為替変動により、売上高は約1,300億円の増収、営業利益は約70億円の増益となりました。為替感応度(1円の変動による年間影響額)は、米ドルにつきましては、売上高が約100億円、営業利益が約12億円と試算しております。127期(2023年3月期)につきましては、対処すべき課題の資料にもありますとおり、1ドル120円で計画しております。
Q4. 日本国内の工場において、電力需給の逼迫にどのように備えているか教えてほしい。
A4. 日本国内で電力不足が懸念される状況となっておりますが、当社の生産拠点は、秋田県、山形県をはじめとして東北地方に多く所在しているなど、大半が地方に立地しております。2011年の東日本大震災で電力供給が滞ってしまった教訓を活かし、自家発電設備を準備することで、優先度の高い生産工程や設備を中心に電力を継続供給できる体制を構築しております。また、地方は首都圏と比較して電力の逼迫度合いが低いと認識しております。今後も電力の供給状況をしっかりと把握し、適切に対応してまいります。
東日本大震災の際には、ピークカット要請に対応するため、発電機をレンタルするなどして、製品の供給に支障を来たさないよう努めました。また、その後、ソーラーパネルを屋根に設置した工場もありますが、すべての生産を太陽光発電等の自家発電で賄うことは、現実的には難しいです。電力需給逼迫時にどのように対処すべきか、事業継続計画(BCP)を策定し、体制を構築しながら、将来に備えているところです。