- Q1. 通期見通しの組み立て方について教えてください。追加の一時費用80億円や、受動部品やセンサ応用製品において自動車、産業機器市場向けの需要を慎重に見ていると思いますが、一方で為替、二次電池、HDD関連事業の業績は上振れていると思います。通期の営業利益見通しを2,200億円に据え置いたことは理解しにくいところです。
- A1. 第3四半期は二次電池、HDDヘッド及びサスペンションが上振れて着地しました。一方、第4四半期は受動部品、センサ応用製品で減収となり下振れる見込みです。利益については、受動部品のうち高周波部品における約100億円の資産評価減リスクを織り込んだ結果、営業利益は2,200億円と据え置きました。
- Q2. 第3及び第4四半期の構造改革費用の内訳について教えてください。
- A2. 第3四半期は14億円(受動部品4億円、磁気応用製品6億円、エナジー応用製品2億円、その他2億円)、第4四半期は受動部品における資産評価減リスク100億円を含んで約140億円となっています(受動部品110億円、センサ応用製品10億円、磁気応用製品5億円、エナジー応用製品6億円、その他5億円)。
- Q3. 中国における増値税還付率変更に関する影響について説明してください。来期もマイナス影響は残るでしょうか。
- A3. 仕入増値税は通常13%負担することになりますが、輸出分については全額(13%)の還付を受けていました。つまり実質的に輸出製品については増値税の負担が無いという状況でした。2024年12月からは還付率が13%から9%に引き下げられたため、差分の4%がコストとして増えることになります。利益への影響は、第4四半期を見ると、およそ売上高の2%に相当する額がコストとして増える見込みです。制度が元に戻らない限り、この影響は来期以降も継続すると考えます。
- Q4. シリコン負極電池が小型二次電池全体に占める売上比率は現在どのようになっていますか。目標は今期10%、来期15%ということでしたが、アップデートをお願いします。
- A4. シリコン負極の構成比は第3四半期に10%を超えており、計画通り順調に進捗しています。来期の前半には第3世代品ということでエネルギー密度をさらに高めた製品を市場投入する予定です。来期の目標は、現状では当初の予定通り15%を目指しています。
- Q5. BBU(バッテリ・バックアップ・ユニット)と言われる、データセンターのバックアップ電源にLFPの中型電池が採用されていく動きがあると認識しています。現状について教えてください。
- A5. BBUは特にデータセンター用途として大きな市場であると認識しています。高出力・高信頼性が求められますが、これは当社の製品がセールスポイントとしているところですので、積極的に攻めていきたいと考えています。
- Q6. フリー・キャッシュ・フロー(FCF)が前回見通しを上回る中で、株主還元や、戦略投資に関する計画に変更はありますか。また、どこにキャッシュを使うのが良いのか、優先順位を教えてください。
- A6. 成長投資に充てることを第一優先として検討しています。今期のFCFも踏まえて来期、再来期の中計数値を見直しているところです。戦略投資枠がある程度残るようであれば、自社株買いのような方策も打ち出すことも必要と考えています。
既存事業の中では、二次電池のCAPEXが当初想定より若干増加していくと見ています。付加価値の高い新製品・新技術に対する能力増強が必要です。二次電池以外では中長期で見たときの次の柱となる事業を模索しています。具体的にはまだ煮詰まっていませんが、そこに対する戦略投資の必要性がでてくると思います。