- Q1. HDD用ヘッド及びサスペンションについて、損益改善の進捗を教えてください。
- A1. 第4四半期においては、ブレイクイーブンとなる生産数量に対し約10%の不足があり若干赤字が残る見込みです。足元ではニアラインHDDの需要回復が見えてきているため、来期以降黒字化を目指していきます。本格的な回復は来期後半を見込んでいます。
- Q2. エナジー応用製品事業の営業利益率は第3四半期で20%を超えています。来期に向けさらに収益性は向上しますか。
- A2. 来期のスマートフォン生産台数が大きく増加すると見込まれないなかでは、小型二次電池の販売数量もそれほど大きく増えないと考えています。今期と同様にコスト改善も進めながら、営業利益率15%以上を目指していきます。
- Q3. シリコン負極を使用した小型二次電池の売上高は来期どのように変化すると見込んでいますか。
- A3. シリコン負極を使用した製品の売上構成は、来期に数%程度のプラスとなると見込んでいます。ハイエンドのスマートフォン機種を中心に多くの引き合いがありますが、増産には材料調達がボトルネックとなっています。
- Q4. 受動部品について、自動車市場向けの在庫調整の状況を教えてください。
- A4. 第3四半期は一部のお客様で在庫消化が継続し、代理店等でも若干多めの在庫を抱えている状況です。ただ、在庫のレベルは確実に下がってきています。
- Q5. 構造改革費用等の一時費用を第4四半期に約120億円計上する見込みとのことですが、どのような内訳となりますか。
- A5. 4つのセグメントそれぞれで約30億円ずつ計上する予定です。受動部品(高周波部品)、センサ応用製品(MEMSマイクロフォン)は余剰設備の処分損失が主な内容です。磁気応用製品(マグネット)、エナジー応用製品(EV用電源)では足元の状況及び将来CFの獲得状況を鑑み減損損失を織り込んでいます。
- Q6. 2024年3月期通期の連結業績見通しを上方修正しています。この要因を詳しく教えてください。
- A6. 売上高は前回予想から1,200億円増額し2兆900億円の見通しとしました。このうち円安による為替効果が約1,000億円です。実力値は約200億円でエナジー応用製品事業の上振れが主な要因です。営業利益は前回予想から200億円増額し1,700億円の見通しとしました。為替効果が約220億円となる一方、構造改革費用を約120億円計上する見込みとなるため、実力値は約100億円の上振れです。売上高と同様、エナジー応用製品事業が大きく貢献しています。
- Q7. 来期が初年度となる新中期計画はどのように予測していますか。
- A7. 具体的な数値は現在算定中ですが、当社が注力している3市場の需要動向を見ると、自動車市場はxEVの生産台数が来期20%以上増加すると見ています。一方、産業機器市場は中国を中心とした景気回復の動向に大きく左右されます。このため、受動部品はプラスとマイナスの影響をそれぞれ受けると見ています。ICT市場については、スマートフォン全体の需要自体は約1~2%の伸びにとどまると見ていますが、中国スマートフォンの伸びが来期も続くとの見方です。小型二次電池、磁気センサやMEMSセンサは、このような伸びに応じた増加を見込んでいます。なお、HDD用ヘッドは足元で回復してきているものの、本格的な回復は来期後半と見ています。
- Q8. フリーキャッシュフローは期初発表の通期計画を大きく上回って推移しています。来期からの新中期計画における投資の水準や考え方について教えてください。
- A8. 現中期経営計画期間においては、バランスシートの構造適正化、これを支えるキャッシュフローの創出がある程度達成できるレベルになったと考えています。来期においては、これまで最も投資ニーズが高かった二次電池で小型電池が減少傾向となるうえ、中型電池もJVへの移管によりニーズが低下し、全体的に現中期経営計画期間と比べ減少していくとの見方です。他方、受動部品やセンサは工場建設も含め増産対応をしており、中長期的にも投資をする必要があるとの考えです。D/Eレシオは現在の約0.4倍台から0.3倍台にしたいと考えています。