- Q1. 2022年11月1日のリリースで、二次電池パックの製造、販売会社を手がけるインドのNavitasys India Private Limitedの株式をATLから取得すると発表しましたが、どのようなねらいがあるのでしょうか。
今回は小型電池に関するものかと思いますが、中型電池でも今後同様の計画はありますか。
- A1. 今回のリリースは、グループ内の資本構成の再編を行うものです。もともと中国でATLやNavitasys Technology Limited(NVT)において電池事業を手がけ、インドにおいても開始しています。資本構成をシンプルなものにし、グループ運営を合理化、効率化する目的で実施しました。今回はパックの会社についてですが、これとは別にセルを手がける会社もあります。セルとパックともにインドに事業を展開しており、特にセルについては今年からラインの立ち上げが完了し、現地での生産も開始したところです。中型電池ついては、まずはCATLとのJVを来期以降しっかりと立ち上げていくことに注力していきます。
- Q2. 二次電池について、モバイル用途向け生産台数が低迷するとの説明がありましたが、ノートPCやタブレット向けでさらに減少が進むリスクはありますか。
- A2. 当社の市場予測では、ノートPCが前年比マイナス21%、タブレットがマイナス11%と減少を見込んでいます。来期に向けてほぼこの数字が横ばいで推移すると予想しており、ICT市場向けは今期および来期が底になると考えています。
- Q3. 地域別売上高を見ると、上期と第2四半期ともに前年比で米州と中国が平均を上回って伸びていますが、この要因はどのようなものでしょうか。
- A3. 中国の売上高の伸びは、主に電池の販売数量が増加したことが大きな要因です。米州は、受動部品等を含め自動車市場向けの売上が大きく伸びたことが要因として挙げられます。
- Q4. 米州で自動車市場向けの売上が大きく伸びたとの事ですが、EV関連の市場開拓にあたりどのような取り組みをしていますか。
- A4. 一部産業機器市場向けにも含みますが、かなり前から自動車市場向けにEV関連製品の開発、投資をしていました。第2四半期の市場別売上高は、受動部品の半数近くが自動車市場となりましたが、なかでもけん引したのはEVを中心とした環境対応車向けです。ここのアプリケーションからの要求に応え、特にMLCCについては、高信頼性、高温度保証・高電圧対応が実現できるよう、素材技術とプロセス技術を継続的に磨き上げておりその効果が出てきていると考えていますが、今後のEVを中心とする市場の伸びに対し、タイムリーに開発・増産投資をしていきたいと考えています。
特に自動車市場向けは、米州だけでなく欧州においても、やはりバリューチェーンの川下からバックキャスティングする形でマーケティングや開発活動を行っています。これが今効果を発揮していると考えているため、今後もさらに伸ばしていきたいと考えています。
- Q5. 受動部品について、アルミ電解・フィルムコンデンサの事業展開について地域別の状況を教えてください。
- A5. アルミ電解・フィルムコンデンサは、生産拠点は欧州、中国、一部ブラジル、インドなど、お客様も産業機器、自動車市場向けを中心に、欧州、一部アジアという形で様々な地域におり、これをベースに事業展開しています。今後も引き続き基本的に全世界をカバーしていく予定です。特にフィルムコンデンサにおいては、EV向けに大きな需要があるうえ、地域別で見ても、欧州だけでなく、アジア、アメリカそれぞれで需要があり、増産も全世界で現在行っている状況です。
- Q6. ハードディスクの在庫調整が行われていると思いますが、PC市場、サーバーで今の在庫の状況を考慮した場合、来期のハードディスク市場はどのような状況になると見ていますか。
- A6. ハードディスク市場については急速な落ち込みが見られ、第3四半期のハードディスクについては、第2四半期に対してマイナスと見ていますが、第4四半期にかけて若干回復すると見ています。本格的な回復時期は来年にずれ込み、現時点では来期の第2四半期頃からと見ています。特にデータセンター向けは短期的に急激な調整が入りましたが、データ社会における成長の流れは中長期的に変わらないと見込んでいます。
- Q7. センサ応用製品セグメントは、来期以降どのような市場で伸びが見込まれますか。
- A7. TMRセンサについては、来期以降もICT市場向けの員数が増えるうえ、他の用途への展開も図っているため、今以上に数量が伸びると考えています。自動車向けも順調に採用が進んでおり、来期以降も数量増加を見込んでいます。MEMSセンサも、顧客基盤やアプリケーションの拡大を引き続き図っております。