サステナビリティ | 環境気候変動への取り組み

基本的な考え方

地球温暖化の一因とされる人為起源の温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどっており、2015年12月COP21で採択された「パリ協定」などに代表されるように、気候変動への危機感は高まる一方です。とりわけ二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスの78%(IPCC第5次評価報告書より)を占める主要な排出源であり、産業活動においても確実な削減を実施する必要があります。
TDKでは、環境担当役員が気候変動問題を含むグループ環境活動の責任者となり、本社安全環境機能を中心に、グループ環境活動の推進と支援を行っています。グループ環境活動において経営上重要な内容については、経営会議および必要に応じて取締役会での審議を踏まえ、意思決定を行っています。具体的な活動の目標として、「TDK環境ビジョン2035」を策定し、原材料の使用から製品の使用・廃棄にいたる、ライフサイクル的視点での環境負荷の削減に取り組んでいます。

環境ビジョン図版

ライフサイクル別環境負荷削減の取り組み

  • サプライヤーエンゲージメントの取り組み 〈調達〉

  • 環境ビジョン図版02

    TDKではサプライチェーン全体でCO2排出量削減に向けた取り組みを推進しています。持続可能な社会を実現するためには、製品のライフサイクル全体を考え、TDKとサプライヤーが協力して環境活動に取り組むことが重要です。このため、購入した製品・サービスおよび販売した製品の使用にともなうスコープ3のGHG排出量を2030年度までに2021年度(基準年)比で25%削減するというSBT認証を取得した目標を掲げています。2024年度は、重要サプライヤー2社とサプライヤー先の排出量削減施策を実施し、年間約38t-CO2の排出量削減を実現しました。今後もサプライヤーとの削減活動の深化と拡大を継続し、CO2排出量の削減に努めます。

    サプライヤー工場現地診断の様子
    サプライヤー工場現地診断の様子
  • サプライヤー環境表彰 〈調達〉

  • 環境ビジョン図版02

    サプライヤーエンゲージメントの一環として2021年度から「サプライヤー環境表彰」を行っています。この表彰は、環境活動に対する情報開示を積極的に行い、かつ削減活動を推進している企業を模範的なサプライヤーとして評価することで、すべてのサプライヤーに環境活動への意識を高めていただく目的で設立したものです。2024年度からは対象を国内外に広げ、日本2社に加え、中華圏1社、アジア1社の計4社のサプライヤーを表彰しました。
    さらに、今年度も生産材の国内外サプライヤーを対象にウェビナーを開催し、サプライヤーエンゲージメントの強化に努めています。

    2023年度サプライヤー環境表彰トロフィー
    2024年度サプライヤー環境表彰トロフィー




  • 生産拠点のCO2排出量削減 〈製造〉

  • 環境ビジョン図版01

    TDKは、「エネルギーの有効利用」と「再生可能エネルギーの利用拡大」の観点から、生産拠点におけるエネルギー起源のCO2排出量削減に取り組んでいます。

  • 生産拠点のCO2排出量削減 (蒸気・空気圧縮熱の利用) 〈製造〉

  • 環境ビジョン図版01

    本荘工場東サイトにて、圧縮熱回収蒸気駆動式エアコンプレッサの運転を開始しました。
    これにより、従来は利用できなかった蒸気の減圧エネルギーにより、圧縮空気を作り出す電気レスエアコンプレッサの駆動が可能となりました。
    また、空気圧縮熱(廃棄エネルギー)を回収し、本システムのボイラ給水の予熱として利用することで、未利用エネルギーを限界まで有効利用することを実現しました。

    これらによる、従来のエアコンプレッサシステムと比較した場合、CO2削減効果は11%となります。

    今後、TDKの国内他工場においても同システムの導入を検討し、省エネ化の取り組みの加速により、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。

    蒸気駆動式エアコンプレッサ
    蒸気駆動式エアコンプレッサ
    蒸気ボイラー
    蒸気ボイラ給水の予熱として利用
  • 製品によるCO2排出削減貢献量(製品貢献量)の拡大 〈開発〉

  • 環境ビジョン図版01

    製品によるCO2排出削減貢献量(製品貢献量)の拡大は、「TDK環境ビジョン2035」および「TDK環境・安全衛生活動2025」における重要な取り組みの一つです。
    TDKは、技術的取り組みの成果としてTDK製品による社会における貢献を訴求するため、前中長期計画「TDK環境活動2020」から製品貢献量を算定・公表してきました。同時に、中間部品である電子部品の貢献についての理解を得るための周知活動と、貢献量実績が適切な評価を受けるためのよりどころとなる算定手法についての合理性ある業界基準の策定にも取り組み、その成果は業界団体よりガイダンスとして公表されています。こうした成果をもとに、TDKでは「製品貢献量算定ガイドライン」を策定し、製品の開発過程におけるアセスメント要件にも製品貢献の算定を評価項目に加えることで、TDKグループ全体におけるグローバルな算定業務の普及を促進しています。今後も算定ルールの整備を継続し、グループ内での拡大普及に努めていきます。
    2024年度の製品によるCO2削減貢献量は、前年度比35.2%増の703.8万トンでした。また、原単位では、前年度比29.0%改善となり、目標を大幅に達成することができました。なお、2024年度のCO2削減に貢献する製品の売上比率は77.5%です。

  • 物流CO2排出原単位削減 〈物流〉

  • 環境ビジョン図版03

    物流CO2排出原単位削減について、次の取り組みを進めています。
    ・リードタイムの適正化
    ・梱包仕様の適正化
    ・纏め梱包とMOQに適正化
    ・ストックポイントの適正化および直送化の促進
    ・積載効率化によるチャータートラックの削減

  • 積載効率化によるチャータートラックの削減

  • 環境ビジョン図版03

    TDKでは物流におけるCO2削減活動の一貫として自社拠点間及び輸出向けで空港施設などへ搬入するチャータートラックの削減活動を推進しております。弊社各事業部やロジスティクス部門などが協力することで、積載運用を効率化しトラックを減車。余分な移動を減らすことで物流CO2排出量削減を推進しております。
    月間で約7.7トンのCO2排出量削減を実現しました。

  • 優良環境製品認定制度 〈使用〉

  • 環境ビジョン図版04

    製品の全ライフサイクルでの環境に与える影響を評価する「製品アセスメント」を1997年から導入しています。この製品アセスメントの審査で承認された製品だけを商品化し、市場に流通させる仕組みとしています。
    また、製品アセスメントの評価結果をもとに、環境配慮効果の高い製品を継続的に創出する施策として「優良環境製品(ECO LOVE製品)」認定制度を2008年に導入しました。優良環境製品として認定した製品をホームページ上で情報開示するとともに、環境負荷低減に資する製品の創出および普及を推進しています。

  • サーキュラーエコノミー活動(PCのリユース) 〈廃棄〉

  • 環境ビジョン図版05

    サーキュラーエコノミー活動の一環として、TDKテクニカルセンター(千葉県市川市)では、2024年度より、これまで廃棄していたPCをリユースする取り組みを行っています。入荷、開梱・検品、データ消去、仕分け、再整備のプロセスを経て出荷されるPCリユーススキームを構築し、環境負荷の低減を推進しています。2024年度のCO2削減量は約4.6kgとなりました。

TCFDへの対応

TCFD/TNFDをご覧ください。

ガバナンス

TCFD/TNFDをご覧ください。

戦略

TCFD/TNFDをご覧ください。

リスク管理

TCFD/TNFDをご覧ください。

主なリスクと機会

分類 リスク / 機会 発生時期 主な対応策
移行リスク 炭素価格 / 各国 炭素排出目標 リスク 中~長期
  • ・生産拠点において「2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大」を推進 など
再エネ比率の増加によるエネルギーコストの上昇 リスク
機会
中~長期
  • ・生産拠点において「2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用」推進
  • ・再生可能エネルギー向け製品の開発促進 など
コバルト・リチウムの価格上昇 リスク 短~長期
  • ・原材料価格動向のモニタリングと調達時のリスクヘッジ実施
  • ・長期供給契約の実施
  • ・製品中のコバルト・リチウム使用量の削減 など
EV市場の拡大による新たなビジネスチャンスの拡大 機会 中~長期
  • ・EV市場拡大を睨んだ製品開発の促進
次世代電池材料の開発 リスク
機会
長期
  • ・全固体電池の開発促進
RE100に対する顧客の要求の増加 リスク
機会
短~長期
  • ・顧客の気候変動対応への取り組み分析
  • ・再生可能エネルギーの導入計画の策定 など
物理リスク 洪水の増加によるビジネスリスクの増大 リスク 中~長期
  • ・各拠点において、洪水リスクに応じた対策の実施
  • ・BCP対応推進、BCM体制構築 など

※時間軸:「短期」は1年未満、「中期」は1~3年未満、「長期」は3~20年を想定しています。

指標と目標

中長期目標

TDKは、2050年までに、グローバル全体の生産開発拠点で使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来にし、CO2ネットゼロを実現する目標を掲げています。具体的には、CO2排出原単位を2014年度比で2025年に30%、2035年に50%に改善し、2050年にネットゼロを達成することを目指しています。この目標を達成するための主要な施策の一つが、再生可能エネルギー由来電力への切り替えです。グループ全体における総電力使用量に占める再生可能エネルギーの比率について、2025年に50%、2050年に100%の達成を目指しています。

TDKグループのマテリアリティ 社会・環境課題解決の遂行
TDK環境ビジョン2035 2035年までにライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2014年度比半減(スコープ1、2、3)
TDK環境・安全衛生活動2025 ・2025年までにCO2排出原単位 2014年度比30%改善(スコープ1、2、3)
・2025年までに再生可能エネルギー導入率 50%達成(スコープ2)

2024年度の目標と実績

2024年度目標 実績
生産拠点のCO2排出量削減
 エネルギー起源CO2排出量原単位 前年度比 1.8%改善 前年度比2.7%悪化
 エネルギー原単位 前年度比1.0%改善 前年度比1.5%悪化
 2025年 再生可能エネルギー導入率50%に向けた取り組みの実施
 (スコープ2)
2024年度目標45%に対し、61.2%導入
スコープ3カテゴリ別取り組みによるCO2排出量削減
スコープ3取組みによる環境負荷低減の推進
物流CO2削減
物流CO2排出原単位 前年度比3.9%悪化

評価と今後の取り組み

生産拠点のCO2排出量削減
2024年度は再生可能エネルギーの導入を進めたものの、エネルギー使用の増加に伴い、前年度比7.6%増加の89.0万トンでした。今後も、重要課題(マテリアリティ)に掲げた「2050年CO2ネットゼロに向けたエネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大」を軸に全社横断的な生産活動に密着した削減活動を推進します。

スコープ3カテゴリー別取り組みによるCO2排出量削減
2024年度の物流CO2排出量は、海外の拠点における物流CO2排出量削減活動を継続したほか、削減活動を適切に反映するための排出量把握の仕組みについて検討を進めており、今後も、TDKグループ全体で削減活動の推進に努めていきます。

2024年度の製品によるCO2削減貢献量は、前年度比35.2%増の703.8万トンでした。また、原単位では、前年度比29.0%改善となり、目標を大幅に達成することができました。
今後も継続してお客様や社会の環境負荷低減に貢献する環境貢献製品の開発に努めるとともに、その価値を訴求することで、製品の普及拡大を図っていきます。

2025年度目標
生産拠点のCO2排出量削減
 エネルギー起源CO2排出量原単位 前年度比 1.8%改善
 エネルギー原単位 前年度比1.0%改善
 2025年 再生可能エネルギー導入率50%に向けた取り組みの実施(スコープ2)
ライフサイクル的視点でのCO2排出量削減
スコープ3取り組みによる環境負荷低減の推進
環境負荷(CO2排出量)の内訳
円グラフ(環境負荷)
GHG排出量(千t-CO2 2024年度
総排出量 21,955
スコープ1 134
スコープ2 756
スコープ3 21,064

各スコープ、カテゴリーごとのCO2排出量

スコープ 概要 CO2排出量
(カテゴリー) (t-CO2
スコープ1 生産 134,174
スコープ2 生産 755,955
スコープ3 合計 21,064,386
1 購入した物品、サービス 8,861,632
2 資本財 1,050,312
3 燃料およびエネルギー関連活動 273,203
4 輸送・流通(上流) 181,231
5 事業から発生する廃棄物 16,892
6 出張 13,717
7 従業員の通勤 43,980
8 リース資産(上流) 算定対象外
9 輸送・流通(下流) 算定対象外
10 販売した製品の加工 算定対象外
11 販売した製品の使用 10,601,985
12 販売した製品の廃棄 算定対象外
13 リース資産(下流) 算定対象外
14 フランチャイズ 算定対象外
15 投資 21,434
スコープ1+2+3 21,954,515

各スコープ、カテゴリーごとのCO2排出量算定方法

分類 概要 対象範囲 算定方法
スコープ1 自社の直接排出 製造拠点および主要オフィス
(国内26拠点+海外53拠点:うちオフィス5拠点)
工場における燃料の燃焼など、企業活動によるエネルギー起源CO2直接排出。地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく排出係数を利用し、算定方法については地球温暖化対策の推進に関する法律を参照。
スコープ2 自社の間接排出 製造拠点および主要オフィス
(国内26拠点+海外53拠点:うちオフィス5拠点)
電力エネルギーの使用など、企業活動のエネルギー利用にともなうCO2の間接排出。GHGプロトコルのマーケット基準手法を採用。日本は地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電気事業者別の調整後排出係数を利用。日本以外は電気事業者別の排出原単位、または各地域での最新の排出原単位、これらが入手困難な場合はIEA Emissions Factorsの排出原単位を利用。
スコープ3 カテゴリー1 購入した物品、サービス TDK連結対象 GHGプロトコルに基づき、該当年度に購入した品目に購入金額に応じた排出原単位を乗じて算定。また、材料については製品ごとの主要構成材料の購入金額に排出原単位を乗じて算定。一部サプライヤーのプライマリーデータも算定に活用している。排出原単位については産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EIDグローバル拡張)を参照。
カテゴリー2 資本財 TDK連結対象 GHGプロトコルに基づき、該当年度に取得した設備などの資本財に金額あたりの排出原単位を乗じて算定。排出原単位については産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EIDグローバル拡張)を参照。
カテゴリー3 燃料およびエネルギー関連活動 製造拠点および主要オフィス
(国内26拠点+海外53拠点:うちオフィス5拠点)
GHGプロトコルに基づき、購入燃料および購入電力量に排出原単位を乗じて算定。排出原単位についてはIDEA、および環境省によるサプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを参照。なお、2022年度以前のデータは活動量を購入金額ベースとする。
カテゴリー4 輸送・流通(上流) TDK連結対象 GHGプロトコルに基づき、購入した製品・サービスの調達にかかる排出および製造した製品の輸送にかかる排出量について算定。購入した製品・サービスにかかる排出ついては、購入金額に調達の排出原単位を乗じて算定。製造した製品の排出については輸送量、一部はその輸送費へ排出原単位を乗じて算定。購入した製品・サービスに関する排出原単位については産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EIDグローバル拡張)、製造した製品の輸送量に関する排出原単位についてはIDEA、またはサプライヤーのプライマリーデータを用いた輸送費原単位を参照。
カテゴリー5 事業から発生する廃棄物 製造拠点および主要オフィス
(国内26拠点+海外53拠点:うちオフィス5拠点)
GHGプロトコルに基づき、製造事業所の廃棄物の量に排出原単位を乗じて算定。排出原単位についてはIDEAおよび環境省によるサプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを参照。なお、廃棄物の輸送についてはカテゴリー1にて計上している。なお、2022年度以前の活動量は排出物処理費用に応じた排出原単位を乗じて算定。
カテゴリー6 出張 TDK連結対象 GHGプロトコルに基づき、従業員数に従業員当たりの排出原単位を乗じて算定。サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを参照。なお、2023年度以前の活動量は出張費用に応じた排出原単位を乗じて算定。
カテゴリー7 従業員の通勤 TDK連結対象 GHGプロトコルに基づき、従業員数に従業員当たりの排出原単位を乗じて算定。サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースを参照。なお、2023年度以前の活動量は通勤費用に対して通勤手段に応じた排出原単位を乗じて算定。
カテゴリー8 リース資産(上流) リース設備の利用については、スコープ1,2の排出として報告。
カテゴリー9 輸送・流通(下流) TDKは電子部品製造会社のため非該当。
カテゴリー10 販売した製品の加工 TDK製品の顧客の加工にともなう排出は小さく、多岐にわたることによって概算が不合理であるため非該当。
カテゴリー11 販売した製品の使用 TDK主要製品群 GHGプロトコルに基づき、TDK製品の使用時に発生する消費電力ロスに対して、搭載されたセット製品の分野、搭載されたセット製品の生涯稼働時間、排出原単位に販売数量を乗じて算定。生涯稼働時間はJEITAによる電子部品のGHG排出削減貢献量算定に関するガイダンス、排出原単位はIEA Emissions Factorsを参照。
カテゴリー12 販売した製品の廃棄 TDKは電子部品製造会社のため非該当。
カテゴリー13 リース資産(下流) 該当する事業活動が無いため非該当。
カテゴリー14 フランチャイズ フランチャイズ店舗が無いため非該当。
カテゴリー15 投資 TDK連結対象の持分法適用関連会社
(排出量を開示していない会社については除外)
GHGプロトコルに基づき、株式を取得している企業の排出量に対して株式保有比率を乗じて算定。

生産拠点のCO2排出量削減

生産拠点のCO2排出量の推移
生産拠点のCO2排出量の推移
  • ※ 測定・算出方法および2019年度以降の数値実績について第三者による検証を受けています。
2023年度地域別排出量比率(TDKグループ総排出量)
円グラフ(地域別)
2023年度スコープ別排出量比率(TDKグループ総排出量)
円グラフ(スコープ)
  • ※スコープ1: 工場における燃料の燃焼など、企業活動によるエネルギー起源CO2直接排出。地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく排出係数を利用し、算定方法については地球温暖化対策の推進に関する法律を参照。
  • ※スコープ2: 電力エネルギーの使用など、企業活動のエネルギー利用にともなうCO2の間接排出。GHGプロトコルのマーケット基準手法を採用。日本は地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電気事業者別の調整後排出係数を利用。日本以外は電気事業者別の排出原単位、または各地域での最新の排出原単位、これらが入手困難な場合はIEA Emissions Factorsの排出原単位を利用。
  • 公表値は第三者検証にて認証を得ています。
総エネルギー使用量と原単位推移
総エネルギー使用量と原単位推移
再生可能エネルギー電力導入率
再生可能エネルギー電力導入率

スコープ3カテゴリー別取り組みによるCO2排出量削減

物流によるCO2排出量の推移(日本)
物流によるCO2排出量の推移(日本)
  • ※日本の省エネ法に基づき算定
製品によるCO2排出削減量の推移
製品によるCO2排出削減量の推移
  • ※算定手法について第三者レビューを受けました。
  • ※製品貢献量の算定は国際電気標準会議(IEC)が進めた「TR62726ガイダンス (TR62726は電機電子製品及び、システムのための、ベースラインからの温室効果ガス排出削減の定量に関する手引き)」及び一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)発行の「電子部品の GHG 排出削減貢献量算定に関するガイダンス第2版」に準拠した社内ガイドラインに基づき行っています。

関連情報

取り組み

生産拠点のCO2排出量削減

再生可能エネルギーの利用拡大

2022年11月には「RE100」に加盟しました。国内外の全事業所で使用する電力の50%を2025年までに、100%を2050年までに再生可能エネルギー由来にすることを目指しています。TDK Thailandでは、2024年度より長期電力購買契約(PPA)方式にて、工場の屋根に設置した太陽光パネルからの発電による再エネ利用を開始しました。これにより、工場全体の使用電力の19%を自工場敷地内で賄うことができるようになりました。

再生可能エネルギーの利用拡大

※国際的な環境NGOである「Climate Group」と「CDP」のパートナーシップのもと運営する国際的なイニシアティブ。事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする企業で構成される。

再生可能エネルギー導入の推進(2025年7月1日現在)

電力使用量の100%を再生可能エネルギーとして調達している拠点は次のとおりです。

日本 26
・TDK 本社(東京、日本)
・TDK 歴史みらい館(秋田、日本)
・TDK テクニカルセンター(千葉、日本)
・TDK 成田工場(千葉、日本)
・TDK 浅間テクノ工場(長野、日本)
・TDK 千曲川テクノ工場(長野、日本)
・TDK 静岡工場(静岡、日本)
・TDK 三隈川工場(大分、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 稲倉工場東サイト(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 稲倉工場西サイト (秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 本荘工場東サイト(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 本荘工場西サイト(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 北上工場(岩手、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ にかほ工場北サイト(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ にかほ工場南サイト(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 鳥海工場(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 大内工場(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 岩城工場(秋田、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 酒田工場(山形、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 鶴岡西工場(山形、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 鶴岡東工場(山形、日本)
・TDK / TDKエレクトロニクスファクトリーズ 甲府工場(山梨、日本)
・TDKエレクトロニクスファクトリーズ 飯田工場(長野、日本)
・TDK ラムダ 長岡テクニカルセンター(新潟、日本)
・TDKプレシジョンツール株式会社(神奈川、日本)
・TDKサービス株式会社 秋田営業所 (秋田、日本)
中華圏 8
・SAE Components (ChangAn) Ltd.(Dongguan , China)
・TDK-Lambda(China)Electronics Co., Ltd.(Wuxi , China)
・TDK(Zhuhai FTZ)Co., Ltd.(Zhuhai , China)
・TDK(Zhuhai)Co., Ltd.(Hongqi, China)
・TDK (Xiamen) Electronics Co., Ltd. (Xiamen , China)
・TDK (Xiaogan) Co., Ltd. (Xiaogan, China)
・TDK Dalian Corporation (Dalian , China)
・TDK (Suzhou) Co., Ltd.
アジア 8
・TDK (Malaysia) Sdn. Bhd Malaysia Factory (Nilai , Malaysia)
・TDK-Lambda Malaysia Sdn. Bhd.Senai Factory (Senai , Malaysia)
・TDK-Lambda Malaysia Sdn. Bhd.Kuantan Factory (Kuantan , Malaysia)
・TDK (Thailand) Co., Ltd. (Rojana , Thailand)
・Magnecomp Precision Technology Public Co., Ltd. KCMA plant (Wangnoi, Thailand)
・TDK Electronics (Malaysia) SDN. BHD. (Johore, Malaysia)
・TDK Philippines Corporation (Laguna, Philippine)
・PT TDK ELECTRONICS INDONESIA (Batam , Indonesia)
米州 3
・TDK-Lambda Americas Inc. Neptune Office (NJ , USA)
・Headway Technologies, Inc.(CA , USA)
・TDK Electronics do Brasil Ltda.(Gravataí , Brasil)
欧州・中東・アフリカ 13
・TDK Electronics AG - HQ(Munich , Germany)
・TDK Electronics AG(Heidenheim , Germany)
・TDK Sensors AG & Co. KG(Berlin , Germany)
・TDK Electronics GmbH & Co OG(Deutschlandsberg , Austria)
・TDK Hungary Components Kft.(Szombathely , Hungary)
・TDK Electronic Components S.A.U.(Malaga , Spain)
・TDK CROATIA d.o.o.(Kutina , Croatia)
・TDK Foil Iceland ehf.(Akureyri , Iceland)
・Tronics Microsystem SA(Crolles , France)
・TDK-Lambda UK Ltd.(Devon, United Kingdom)
・TDK-Lambda Ltd.(Karmiel , Israel)
・TDK Electronics s.r.o. (Sumperk , Czech Rep.)
・TDK-Micronas GmbH (Freiburg , Germany)

電力使用量の50%以上で再生可能エネルギーを調達契約している拠点は次のとおりです。

・SAE Magnetics (Dongguan) Ltd. (Dongguan , China)
・TDK Dongguan Technology Co., Ltd.
・Guangdong TDK Rising Rare Earth High Technology (Meizhou, China)
・Magnecomp Precision Technology Public Co., Ltd. (Wangnoi , Thailand)
・TDK India Private Limited (Nashik , India)

購入電力量の100%を再生可能エネルギーとして調達している拠点は次のとおりです。

・TDK Foil Italy S.p.A.(Milano, Italy)

なお、全世界での再生可能エネルギー(電力のみ)の使用比率は61.2%です。(2025年3月31日現在)

省エネルギー活動

TDKでは投入資源削減へ生産性改善の一環としてコスト削減や歩留改善などさまざまな形で取り組んでいます。特にエネルギーに関しては、生産技術の見地によりエネルギー資源の効率を進める「EP(Energy Productivity)」活動を行っており、エネルギーの使用量を削減します。
各製造拠点では、環境マネジメントシステムに則りエネルギーに関するアセスメントを実施し、エネルギーの消費を削減するための機会を特定しています。特定された機会に応じて、例えば、生産プロセスの見直しや改善を行うなど、各拠点で適切な対策を講じ、エネルギーの消費を最小限に抑えるよう努めています。
また、このような取り組みを推進するにあたり、チームメンバー(従業員)への意識啓発、環境教育を通じた省エネルギー意識の醸成にも取り組んでいます。

EP(Energy Productivity)活動

TDKはこれまでも「省エネ」活動を進めてきましたが、成長途上にある現状においては、エネルギー総使用量を減らすには限界があります。そこで、エネルギー削減に重きを置いた「省エネ」から、エネルギーの有効利用、すなわち、「エネルギー生産性の向上」を新たな指針として取り入れていきます。売上高/エネルギー使用量で定義されるエネルギー生産性を2020年から2045年までの25年間で倍増することを目標とし、その取り組みの軸となるEP活動を通じて気候変動リスクに対応していきます。EP活動は、TDKが製造業の本質としてこれまで取り組んできた品質改善や生産性向上に、エネルギー視点を取り入れた継続的な活動となります。このEP活動を通して、TDKのモノづくりの強化とともにCO2の削減を加速させていきます。そして、TDKのさらなる企業成長とサステナブルな社会への貢献の両立を目指して邁進していきます。

Supplier Sustainability Summitの開催

関連情報

業界団体・イニシアティブへの参画

TDKグループでは、各拠点において気候変動対策やエネルギー使用の削減などに関する法律や規制(日本国内では「地球温暖化対策の推進に関する法律」および「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」)を支持し、気候変動の課題解決に向けて取り組んでいます。この取り組みを推進するにあたり、TDKグループの考えや方向性に一致する業界団体・イニシアチブに参画し、それらを通じて政策エンゲージメントを行っています。それらの団体を通じた政策への関与の内容は、サステナビリティ担当役員へ定期的な報告を行い、自社の戦略との整合性を定期的に確認しています。また、必要に応じて、経営会議の審議や取締役会への報告も行います。これらのプロセスのなかで、当該団体の考え方や政策への関与が自社の戦略と一致していないことが明らかになった場合には整合性を保つよう、当該団体に対して働きかけを行い、自社の意向の理解を求めます。乖離が大きく、団体と自社の気候変動に関する考えにおいて整合性の保持が困難である場合には当該団体から距離を置くための公開声明の発表や脱退する可能性も含めて対応を検討します。

TCFD

2019年5月に、気候変動が企業の財務に与える影響の分析・情報開示を推奨する提言を行う気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。

  • ※2015年に金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(FSB)により設立された気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)

CDP

気候変動などの環境問題に取り組む国際的な非政府組織CDPから、「サプライヤー・エンゲージメント評価」において最高評価「A」を取得し、「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に選定されました。

SBTi

TDKはパリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減の総量目標を設定し、「Science Based Targets(サイエンス・ベースド・ターゲット)」を認定する機関「SBT イニシアチブ(SBTi)」によるSBT認定を取得しました。

関連情報

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RE100

事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に2022年11月に加盟しました。2050年までに、国内外における生産開発拠点で使用する電力の100%を再生可能エネルギーにする目標を掲げています。グループ全体における総電力使用量に占める再生可能エネルギーの比率の向上に努めており、国内外の全事業所で使用する電力の50%を2025年までに、100%を2050年までに再生可能エネルギー由来にすることを目標としています。この目標の達成に向けて、一部工場における太陽光発電システムの設置や使用電力の再生可能エネルギー由来への転換などを積極的に進めています。

  • ※国際的な環境NGOである「Climate Group」と「CDP」のパートナーシップのもと運営する国際的なイニシアティブ。事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする企業で構成される。

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

JEITAは日本の電機・電子業界における主要4団体の一つであり、社会課題を解決するためにあらゆる産業を繋げ、IT/エレクトロニクス産業を中核にしたステークホルダーを結節するプラットフォームを実現することをミッションとしています。事業として「政策提言」「調査統計」「課題解決」「市場創出」の4分野に取り組んでいます。
環境面ではエネルギー/温暖化問題の抜本的な課題克服に向けて、革新的な技術開発による省エネ製品・デバイスおよびITソリューションの創出を推進し、地球規模での脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。また、環境負荷リスク低減に向けて、化学物質管理の強化および廃棄物排出削減やリサイクル促進、ならびに国際標準化活動を通じグローバルなビジネスの発展に繋がる取組みを推進しています。
TDKはJEITAが定める活動に賛同しており、JEITA環境部会および電子部品部会の幹事会社、かつ温暖化対策連絡会運営委員会のメンバーとして、業界全体の気候変動に対する長期ビジョンの作成に貢献しました。業界団体として、サプライチェーン全体での取り組みが重要であることを提言し、製品貢献量(削減貢献量)算定ガイドラインを業界団体内でも主導して制定し、電子部品の機能および効率改善によるGHG削減効果を明らかにしようとする動きを業界団体に持ち込みました。その他、この運営委員会では電子部品企業の代表として、主に活動の方向性の協議、政府省庁に提出する資料のための情報提供を行っています。

JEITA Green x Digitalコンソーシアム

企業のカーボンニュートラル化の促進と産業・社会の変革につながる新たなデジタルソリューションの創出・実装に向けた活動を推進する場として、2021年10月に設立されました。TDKは設立当初から正会員として参画しています。