
サステナビリティ | 環境気候変動への取り組み
目標の背景
地球温暖化の一因とされる人為起源の温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどっており、2015年12月COP21で採択された「パリ協定」などに代表されるように、気候変動への危機感は高まる一方です。とりわけ二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスの76%(IPCC第5次評価報告書より)を占める主要な排出源であり、産業活動においても確実な削減を実施する必要があります。
TDKでは、環境担当役員が気候変動問題を含むグループ環境活動の責任者となり、サステナビリティ推進本部安全環境グループを中心に、グループ環境活動の推進と支援を行っています。グループ環境活動において経営上重要な内容については、経営会議および必要に応じて取締役会での審議を踏まえ、意思決定を行っています。具体的な活動の目標として、「TDK環境ビジョン2035」を策定し、原材料の使用から製品の使用・廃棄に至る、ライフサイクル的視点での環境負荷の削減に取り組んでいます。
生産拠点のCO2排出量削減
生産拠点におけるエネルギー起源のCO2排出は、従来よりTDKにおける主要な環境負荷と認識し、削減活動を進めています。
物流CO2排出量削減
TDKでは、温暖化対策への貢献と、輸送効率の向上、輸送コスト削減を目的に、物流CO2排出量削減に取り組んでいます。
日本では、改正省エネ法が施行された2006年度より省エネ物流改善委員会を設置し、物流に関するエネルギー削減活動を実施しています。
製品によるCO2排出削減貢献量拡大
TDKでは、製品の全ライフサイクルでの環境に与える影響を評価する「製品アセスメント」を1997年から導入しています。この製品アセスメントの審査で承認された製品だけを商品化し、市場に流通させる仕組みとしています。また、製品アセスメントの評価結果をもとに、環境配慮効果の高い製品を継続的に創出する施策として「優良環境製品(ECO LOVE製品)」認定制度を2008年に導入しました。優良環境製品として認定した製品をホームページ上で情報開示するとともに、環境負荷低減に資する製品の創出および普及を推進してきました。
これら従来からの活動に加え、製品によるCO2排出削減貢献量(以下、製品貢献量)の拡大は、「TDK環境ビジョン2035」および「TDK環境・安全衛生活動2025」における重要な取り組みの一つです。TDKは、技術的取り組みの成果として当社製品による社会における貢献を訴求するため、以前の中長期計画である「TDK環境活動2020」から製品貢献量を算定・公表してきました。同時に、中間部品である電子部品の貢献についての理解を得るための周知活動と、貢献量実績が適切な評価を受けるためのよりどころとなる、算定手法についての合理性ある業界基準の策定にも取り組み、その成果は業界団体よりガイダンスとして公表されています。
当社では、こうした成果をもとに、「製品貢献量算定ガイドライン」を策定し、製品の開発過程におけるアセスメント要件にも製品貢献の算定を評価項目に加えることで、TDKグループ全体におけるグローバルな算定業務の普及を促進しています。
2020年度は、製品によるCO2排出削減を含むTDKのサステナビリティ活動が評価され、お客様より表彰も受賞しています。
今後も算定ルールの整備を継続し、グループ内での拡大普及に努めてまいります。
TCFDへの対応
2019年 5月、気候変動が企業の財務に与える影響の分析・情報開示を推奨する提言を行うTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候変動関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。TCFDは、2015年に金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(FSB)により設立され、TCFDによる提言が企業・団体内における情報開示の推進や、金融機関と事業会社との間の対話促進のきっかけとなることが期待されています。
TDKは、気候変動による事業へのリスクと機会を評価し、適切な情報開示を行うことが、これからの企業の成長と持続可能な社会構築の両立には欠かせないと考え、順次取り組みを進めております。
本コンテンツでは、TCFDのフレームワークに沿って、TDKにおける気候変動問題への取り組みを開示します。
ガバナンス
◆ 取締役会による気候関連リスクの監督
TDKでは、年1回以上、気候変動を含む環境関連の進捗状況および計画、リスクについて、環境担当役員によるマネジメントレビューを実施しています。マネジメントレビューの結果、経営の意思決定を要する内容については、経営会議および必要に応じて取締役会の審議を実施しています。
◆ 気候変動関連リスクの評価と管理に関する経営者の役割
《位置づけ》
気候変動を含む環境に関するリスクについては、環境担当役員の責任を明確化しており、CEOが任命しています。
また、経営会議の下位の会議体に、リスク管理体制を強化するため、経営会議直属の委員会を設置しています。 このうち、気候変動を含む事業目標の達成及び事業運営を阻害する要因への全社的対応を目的にERM(Enterprise Risk Management)委員会を組織し、気候変動を含む環境リスクのうち、重要事項を協議しています。なお、ERM委員会の委員長はCEOが任命した執行役員が務めています。
《責任》
企業の社会的責任に関して、地球環境との共生は、経営上の重要課題と認識し、CEOが任命した環境担当役員を設置して、気候変動を含む環境経営全般の責任を担うこととしています。また、その下に位置する、サステナビリティ推進本部安全環境グループ長に気候変動を含めた環境管理に関する実行責任が与えられています。TDKグループはTDK環境ビジョン2035(自然の循環を乱さない環境負荷で操業を目指す、ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減)の実現に向けて、すべてのビジネスグループ、部、サイト、製造子会社、本社機能が一致団結して取り組んでいます。
なお、気候変動を含む環境リスクのうち、重要事項については、ERM委員会を通じ、経営会議および取締役会に報告しています。
《責任内容》
サステナビリティ推進本部安全環境グループが、気候変動を含むグループ全体の環境目標を設定するとともに、グループ全体の環境に関するリスクの特定を実施しています。なお、ERM委員会は、「リスク管理規程」に従って全社リスクを特定し、全社リスクの一部として気候変動関連問題を取り扱っています。
《モニタリング》
気候変動を含む環境活動の実績については、経営報告書で報告されるとともに、年1回以上、環境担当役員によるマネジメントレビューを実施して、主要KPIの報告や中長期目標の策定、省エネにかかわる投資など、環境活動推進上の重要事項について審議、決定を行っています。また、上記マネジメントレビューで経営に重要な影響を及ぼすと判断された案件(ビジョン、大型投資など)については、経営会議および必要に応じて取締役会で審議をしています。
戦略
TDKでは、2021年度からの中期経営計画「Value Creation 2023」において、「2CX実現に向けてDXとEXを加速させ、持続可能な社会のための価値を創造する」という基本方針を掲げています。中期経営計画を実現するために取り組むべき経営課題として、「TDKグループのマテリアリティ」を設定するとともに、環境を含む気候変動問題を、社会価値創造と自社の成長のためにTDKが注力する事業領域「【EX】電子デバイスでムダ熱とノイズを最小化し、エネルギー・環境問題に貢献」と位置づけ、事業戦略の一環として取り組むこととしています。
具体的には生産拠点において「2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大」を進めていきます。また、「脱炭素社会を実現するためにクリーンエネルギーを創出する製品・ソリューションの提供」「エネルギーの蓄電、変換、制御によって効率的なエネルギー社会を実現する製品・ソリューションの提供」に取り組みます。
こうした中、TDKでは、気候変動関連問題におけるビジネス上のリスクと機会を分析し戦略に反映させる目的で、シナリオ分析を行いました。
-シナリオ分析結果
環境省が公表した、「TCFDシナリオ分析実践ガイド」に沿い、下記の前提条件のもと、シナリオ分析を実施しました。
・前提条件
想定期間:2030年度
対象範囲:TDKグループ全体
採用シナリオ:2℃シナリオ(IEA-SDS、IEA-NPS)、4℃シナリオ(IEA-CPS、STEPS、RCP6.0)
以下、シナリオ分析を基に特定した、主なリスクと機会になります。脱炭素政策による各国の規制が厳しくなる2℃シナリオ下では、移行リスクが発生し、炭素価格付けの導入や、再生可能エネルギーのコストが増加する可能性を認識しました。それぞれのリスクに対する2030年の財務影響としては、炭素価格では59億円、再生可能エネルギーでは176億円と予測しています。また、TDKの注力市場の一つである、自動車市場において、自動車のEVシフトが進展し、EV関連製品の販売機会拡大や、電池関連のリスク・機会の可能性も認識しました。
一方、4℃シナリオでは、異常気象頻発による洪水発生リスクがより高まる可能性も認識しました。
分類 | リスク / 機会 | 発生時期※ | 主な対応策 | |
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移行リスク | 炭素価格 / 各国 炭素排出目標 | リスク | 中~長期 |
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再エネ比率の増加によるエネルギーコストの上昇 |
リスク 機会 |
中~長期 |
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コバルト・リチウムの価格上昇 | リスク | 短~長期 |
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EV市場の拡大による新たなビジネスチャンスの拡大 | 機会 | 中~長期 |
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次世代電池材料の開発 |
リスク 機会 |
長期 |
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RE100に対する顧客の要求の増加 |
リスク 機会 |
短~長期 |
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物理リスク | 洪水の増加によるビジネスリスクの増大 | リスク | 中~長期 |
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※時間軸:「短期」は1年未満、「中期」は1~3年未満、「長期」は3~20年を想定しています。
物理リスクへの対応計画
TDKでは、気候変動に関する物理リスクとして、洪水の増加によるビジネスリスクの増大を特定しています。TDKグループの全生産拠点における水リスクに関して、世界的な評価ツールであるWWF Water Risk Filter及び世界資源研究所(WRI)が発表したAqueductを用いてTCFDに沿った調査を行い、水ストレスの高い地域を特定しています。各拠点において、洪水リスクに応じた対策の実施やBCP対応推進、BCM体制構築などの対策を講じています。
なお、詳細はリンク先をご参照ください。
リスク管理
TDKではリスク管理体制を強化するため、経営会議直属の委員会を設置しています。このうち、事業目標の達成及び事業運営を阻害する要因への全社的対応を目的にERM(Enterprise Risk Management)委員会を組織し、経営上重要なリスクを評価しています。気候変動リスクは経営上重要なリスクと特定・評価しており、気候変動リスクを含む全社で取り組むリスクについては、経営会議で承認のうえ、ERM委員会で対策の進捗を確認するとともに、対策完了時は、経営会議の承認を得ています。
指標と目標
TDKは、「TDKグループのマテリアリティ」のなかで2050年CO2ネットゼロ実現を目指すことを表明するとともに、「TDK環境ビジョン2035」のなかで「ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減」を掲げています。このビジョンのもと、2025年までの環境基本計画として「TDK環境・安全衛生活動2025」の活動項目と目標値を定め、進捗を管理しています。また、2022年にはSBT認定の取得も表明しており、現在取得に向けて取り組んでいます。
GHG排出量(千t-CO2) | 2021年度 |
---|---|
総排出量 | 27,522 |
Scope1 | 147 |
Scope2 | 1,555 |
Scope3 | 25,820 |
TDKグループのマテリアリティ | 2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大(スコープ1、2) |
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TDK環境ビジョン2035 | 2035年までにライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2014年度比半減(スコープ1、2、3) |
TDK環境・安全衛生活動2025 |
・2025年までにCO2排出原単位 2014年度比30%改善(スコープ1、2、3) ・2025年までに再生可能エネルギー導入率 50%達成(スコープ2) |
詳細データは、リンク先をご参照ください。なお、GHG排出量は第三者検証を受けています。
2021年度目標と実績、評価と今後の取り組み
2021年度目標 | 実績 |
---|---|
生産拠点のCO2排出量削減 エネルギー起源CO2排出量原単位 前年度比 1.8%改善 |
前年度比25.2%改善 |
物流CO2排出量削減 物流CO2排出原単位 前年度比1.0%改善(日本) |
前年度比6.7%悪化 |
製品によるCO2排出削減貢献量拡大 製品によるCO2削減貢献量原単位 前年度比 2.7%改善 |
前年度比12.3%悪化 |
各スコープ、カテゴリーごとのCO2排出量
スコープ | 概要 | CO2排出量 | |
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(カテゴリー) | (t-CO2) | ||
スコープ1 | 生産 | 146,774 | |
スコープ2 | 生産 | 1,554,703 | |
スコープ3 | 1 | 購入した物品、サービス | 8,740,800 |
2 | 資本財 | 1,042,135 | |
3 | 燃料およびエネルギー関連活動 | 936,628 | |
4 | 輸送・流通(上流) | 504,216 | |
5 | 事業から発生する廃棄物 | 6,998 | |
6 | 出張 | 24,532 | |
7 | 従業員の通勤 | 7,702 | |
8 | リース資産(上流) | 算定対象外 | |
9 | 輸送・流通(下流) | 算定対象外 | |
10 | 販売した製品の加工 | 算定対象外 | |
11 | 販売した製品の使用 | 14,557,430 | |
12 | 販売した製品の廃棄 | 算定対象外 | |
13 | リース資産(下流) | 算定対象外 | |
14 | フランチャイズ | 算定対象外 | |
15 | 投資 | 算定対象外 |
スコープ3におけるCO2排出量算定方法
カテゴリー | 概要 | 算定方法 |
---|---|---|
1 | 購入した物品、サービス | 該当年度に購入した品目へそれぞれの購入金額に応じた排出原単位を乗じて算出。また材料については製品ごとの主要構成材料(半製品を除く)の購入金額へ排出原単位を乗じることで算出。 |
2 | 資本財 | 該当年度に取得した設備など資本財の金額に投資金額当たりの排出原単位を乗じて算出。 |
3 | 燃料およびエネルギー関連活動 | 購入燃料および購入した電力が発電される際に用いられる燃料の採取、生産、輸送にともなう排出を対象として算定。燃料:該当年度に購入した燃料別の排出原単位を乗じて算定。電力:購入電力量に排出原単位を乗じて算出。 |
4 | 輸送・流通(上流) | 購入した製品・サービスの調達にかかる排出及び製造した製品の輸送にかかる排出量について算出した。 購入した製品についてはカテゴリ1と同様の品目それぞれへ調達に係る排出原単位を乗じて算出。 また製造した製品については出荷へかかる費用へ排出原単位を乗じて算出。 |
5 | 事業から発生する廃棄物 | 製造事業所の有価物を除く排出物を対象として、廃棄にかかる金額へ排出原単位を乗じて算定。 |
6 | 出張 | 従業員の交通にかかる支出金額へ国内従業員の通勤/出張費用割合を乗じ、出張費用を算出。その出張費用へ出張内容より勘案した排出原単位を乗じることで排出量を算定。 |
7 | 従業員の通勤 | 従業員の交通にかかる支出金額へ国内従業員の通勤/出張費用割合を乗じ、通勤費用を算出。その通勤費用へ通勤手段より推定した排出原単位を乗じることで排出量を算定。 |
8 | リース資産(上流) | 算定対象外 |
9 | 輸送・流通(下流) | 算定対象外 |
10 | 販売した製品の加工 | 算定対象外 |
11 | 販売した製品の使用 | TDK製品(部品)の消費電力に製品が搭載されたセット製品の生涯稼働時間、換算係数、TDK製品(部品)の販売数量を乗じて算定。 |
12 | 販売した製品の廃棄 | 算定対象外 |
13 | リース資産(下流) | 算定対象外 |
14 | フランチャイズ | 算定対象外 |
15 | 投資 | 算定対象外 |
評価と今後の取り組み
生産拠点のCO2排出量削減
2021年度は再生可能エネルギーの導入拡大によってCO2排出量を削減し、前年度比3.8%減少の170.1万トンでした。今後も、TDKのマテリアリティに掲げた「2050年CO2ネットゼロに向けたエネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大」を軸に全社横断的な生産活動に密着した削減活動を推進します。
物流CO2排出量削減
2021年度の物流CO2排出量は、生産量増加による製品輸送の増加により前年度比6.7%増加の5,460トンとなり、2014年度比9.2%増加となったことから、目標未達となりました。 海外の拠点において物流CO2排出量削減活動を開始したほか、削減活動を適切に反映するための排出量把握の仕組みについて検討を進めており、今後も、TDKグループ全体で削減活動の推進に努めていきます。
製品によるCO2排出削減貢献量拡大
2021年度の製品によるCO2削減貢献量は、前年度比12.8%増の296.9万トンでした。また、原単位では、前年度比12.3%悪化となり、目標を達成できませんでした。
今後も継続してお客様や社会の環境負荷低減に貢献する環境貢献製品の開発に努めるとともに、その価値を訴求することで、製品の普及拡大を図っていきます。
2021年度の具体的な進捗報告
生産拠点のCO2排出量削減
-
※ M&Aによるサイト増加により、原単位のデータを修正しています。
※ 測定・算出方法および2019年度以降の数値実績について第三者による検証を受けています。
- ※スコープ:国際的な温室効果ガス排出量の算定基準であるGHGプロトコルで定義される排出量の範囲。自社で所有・支配する施設からの直接排出をスコープ1、自社が所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量をスコープ2と呼びます。
-
※TDKのCO₂排出量算出基準
- 各事業所の購入電力および燃料(ガスや石油など)の使用量にCO₂換算係数を乗じて算出しています。
- 燃料のCO₂換算係数は、『地球温暖化対策の推進に関する法律』(温対法)で定めた係数を使用しています。
- 購入電力のCO₂換算係数は、期首の計画立案時点において公知となっている最新の換算係数を使用しています。
- 公表値は第三者検証にて認証を得ています。
物流CO2排出量削減
- ※2020年度のデータを修正しました。
- ※日本の省エネ法に基づき算定
製品によるCO2排出削減貢献量拡大
- ※算定手法について第三者レビューを受けました。
- ※製品貢献量の算定はIEC “ TR62716 Guidance on quantifying greenhouse gas emission reductions from the baseline for electrical and electronic products and systems ”、日本LCA学会「温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン」およびJEITA「電子部品のGHG排出削減貢献量算定に関するガイダンス」に準拠した社内ガイドラインに基づき行っています。
関連情報
活動事例紹介
国内外拠点における太陽光発電システムの導入
2021年度、TDKでは新たにオーストリア・ドイチェランベルク拠点で使用する電力の一部として太陽光発電システムを導入しました。この稼働によって年間124トン相当のCO2削減が見込まれます。
TDK Electronics GmbH & Co OG (Deutschlandsberg, Austria) (500kWp) 2021年8月~
ドイチェランベルクの太陽光発電施設は、持続可能で資源節減に貢献するエネルギーの利用がさらに可能かを試すパイロットプロジェクトの一環であり、「欧州地域開発基金(ERDF)」から資金援助を受けています。
IGJ/ERDFについての詳細な情報はhttps://www.efre.gv.at/をご覧ください。
オフサイトソーラーファームの導入
TDKグループで最大の太陽光発電所は、2021年度4月からインドで稼働を開始しました。 Nashikサイトに太陽光発電を専用線で供給しており、再生可能エネルギー源からの電力要件として工場使用電力量の約50%をカバーしています。 これによりプラントのCO2排出量は約8,200トン削減されます。
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TDK India Private Limited, Nashik Factory
100,000m2の敷地のソーラーファーム
再生可能エネルギー導入の推進 (2022年3月31日現在)
電力使用量の100%を再生可能エネルギーとして調達しているのは次の21拠点です。
・TDK 本社(東京、日本)
・TDK 歴史みらい館(秋田、日本)
・TDK ラムダ 長岡テクニカルセンター(新潟、日本)
・TDK-Lambda UK Ltd. (Devon, United Kingdom)
・TDK-Lambda Ltd. (Karmiel, Israel)
・TDK-Lambda (China) Electronics Co., Ltd. (Wuxi, China)
・Headway Technologies, Inc. (CA, USA)
・SAE Components (ChangAn) Ltd.(Dongguan, China)
・TDK Electronics AG - HQ (Munich, Germany)
・TDK Electronics AG (Heidenheim, Germany)
・TDK Sensors AG & Co. KG (Berlin, Germany)
・TDK Electronics GmbH & Co OG (Deutschlandsberg, Austria)
・TDK Hungary Components Kft. (Szombathely, Hungary)
・TDK Electronic Components S.A.U.(Malaga, Spain)
・TDK CROATIA d.o.o. (Kutina, Croatia)
・TDK Foil Iceland ehf.(Akureyri, Iceland)
・TDK Electronics do Brasil Ltda. (Gravataí, Brasil)
・Tronics Microsystem SA (Crolles, France)
・Tronics MEMS, Inc. (TX, USA)
・TDK (Zhuhai FTZ) Co., Ltd. (Zhuhai, China)
・TDK (Zhuhai) Co., Ltd. (Hongqi, China)
電力使用量の80%以上(100%未満)で再生可能エネルギーを調達契約している拠点は次のとおりです。
・Dongguan Amperex Technology Limited (Dongguan, China)
・Dongguan NVT Technology Co., Ltd. (Dongguan, China)
購入電力量の100%を再生可能エネルギーとして調達している拠点は次のとおりです。
・TDK Foil Italy S.p.A. (Milano, Italy)
なお、全世界での電力使用量のうち、再生可能エネルギーの使用比率は30.0%です。
物流段階におけるCO2排出量削減のために、次の取り組みを進めています。
- モーダルシフト
- 生産拠点集約による工場間輸送の効率化
- 直送化による貨物輸送距離の短縮
車載向けMLCC環境貢献量の拡大
MLCC(積層セラミックコンデンサ)の環境貢献量は車載向け製品単重量の軽量化 により算定しております。セラミックコンデンサBGでは、2019年度よりCシリーズやCGAシリーズ等の車載向け製品の生産を拡大し、環境マネジメントプログラムのテーマとしても環境貢献量の月度管理に取り組んでいます。2021年度はCO2換算で4,014トンの削減貢献量となりました。今後はEV向け販売拡充やさらなる小型化による貢献量拡大が見込まれています。
業界団体・イニシアチブへの参画
気候変動の課題解決に向けた取り組みを推進するにあたり、TDKグループの考えや方向性に一致する業界団体・イニシアチブに参画しています。なお、業界団体やイニシアチブへの参画にあたり、必要に応じて、経営会議の審議や取締役会への報告も行い、弊社の環境戦略との整合性を確認し、適合していない場合には調整を行っています。
TCFD
2019年5月に、気候変動が企業の財務に与える影響の分析・情報開示を推奨する提言を行う気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※)への賛同を表明しました。
- ※2015年に金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(FSB)により設立された気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
SBTi
パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「Science Based Targets(サイエンス・ベースド・ターゲット)」を認定する機関「SBT イニシアチブ(SBTi)」に対し、2022年9月にコミットメントレターを提出しました。2年以内にSBTの認定取得を目指すことを表明しています。
RE100
事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニシアティブ「RE100※」に2022年11月に加盟しました。2050年までに、国内外における生産開発拠点で使用する電力の100%を再生可能エネルギーにする目標を掲げています。
- ※国際的な環境NGOである「Climate Group」と「CDP」のパートナーシップのもと運営する国際的なイニシアティブ。事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする企業で構成される。
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
TDKはJEITA環境部会および電子部品部会の幹事会社、かつ温暖化対策連絡会運営委員会のメンバーとして、政府の大臣級及び環境政策セクションの担当者と情報・意見交換を行い、政策提言を実施しています。
JEITA Green x Digitalコンソーシアム
企業のカーボンニュートラル化の促進と産業・社会の変革につながる新たなデジタルソリューションの創出・実装に向けた活動を推進する場として、2021年10月に設立されました。TDKは設立当初から正会員として参画しています。