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EMC対策部品:カットオフ10GHz薄膜コモンモードフィルタTCM0806Tの開発、量産化

  • 高いカットオフ周波数を有した薄膜コモンモードフィルタのラインアップ拡大
電極分割構造を用い、交流電圧の耐圧特性を向上

2012年8月23日

TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、電子機器の伝送信号の高速化に対応すべく、製品の高周波設計およびTDK独自の薄膜パターンニング技術による小型・高精度のコイルパターン形成を実現することで、カットオフ周波数10GHzを有する薄膜コモンモードフィルタを開発しました。2012年8月より、量産を開始することを発表します。

近年、デジタル電子機器の高機能化・多機能化に伴い、データ通信量が増加し、伝送信号の高速化が進んでいます。伝送信号が高速になることで、機器内部から輻射されるノイズも必然的に高周波となります。さらに、小型化・薄型化に伴い、部品の高密度実装化が進んでいます。同一機器内に複数の伝送路が近接して存在することで、ある伝送路での通信が他の伝送路に干渉し、信号品質を劣化させる、いわゆる自家中毒の問題が発生する場合もあります。

本製品TCM0806T-060-2Pは、従来製品と比較して、コモンモードインサーションロスのピークを高周波側に配置させることで、高周波の輻射ノイズを効果的に抑制させることができ、特に5.0GHzにおけるノイズ抑制に大きな効果を発揮します(従来のコモンモードフィルタは数百MHzから2.5GHz帯のノイズ抑制効果が高い)。

また、カットオフ周波数が10GHzと高く、高速インタフェース規格のThunderbolt、USB3.0、Serial-ATA(GenⅢ)等に対して、通信信号を劣化させることなく伝送させることができます。

用語解説
  • Thunderbolt:高速データ転送技術で、コンピュータと周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の一つ。最大伝送速度は10Gbpsで、USB3.0の伝送速度の2倍、USB2.0の伝送速度の約20倍に相当する。
主な用途
  • Note PC、HDD、SSD等
  • 高速インタフェース(Thunderbolt、USB3.0、S-ATA_GenⅢ等)
主な特長と利点
  • 高周波領域で信号品質を保つための、高いカットオフ周波数
  • 高周波領域のノイズに対する、高いノイズ除去能力
主な特性
品名 外形寸法
[mm]
インピーダンス
[Ω] typ at 100MHz
カットオフ周波数
[GHz] typ
直流抵抗
[Ω] typ
TCM0806T-060-2P 0.85×0.65×0.40 6.0 10.0 1.40
生産・販売計画
  • サンプル価格 : 30円/個
  • 生産拠点:秋田地区
  • 生産予定:10万個/月(当初)
  • 生産開始:2012年8月
TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な営業品目としては、各種受動部品をはじめ、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、電源、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス、FA関連機器等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2012年3月期の売上は約8,100億円で、従業員総数は全世界で約79,000人です。

TDK-EPC株式会社について

TDK-EPC株式会社(本社:東京)はTDKのグループ会社であり、TDKの基幹事業である電子部品部門と、ドイツのEPCOS社との統合で設立された電子部品の開発・製造・販売を担うリーディングカンパニーです。日本を始め、アジア、欧州、米国の各地域に事業の拠点があり、製品ブランドとしてTDKおよびEPCOS双方の製品を扱います。 主な営業品目は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等であり、これらの幅広い製品群により、TDK-EPCは情報家電、通信機器、産業機器、車載機器等、世界のあらゆる市場ニーズにお応えします。

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