インダクタ:超高Q特性積層セラミックインダクタMHQ1005Pシリーズの開発、量産化
- 先端材料技術および内部構造最適化により、インダクタ性能が向上
- 巻線インダクタと同等のQ特性により、高周波 整合回路の損失を低減
2012年4月5日
TDK株式会社(社長:上釜健宏)は、巻線インダクタと同等のQ特性を実現する積層セラミックインダクタ、MHQ1005Pシリーズを開発し、2012年4月より量産を開始しました。本製品は、スマートフォンや携帯電話などのモバイル機器の高周波整合回路での使用に適しています。
MHQ1005P シリーズは、1GHzのQ特性が65(インダクタンス値2.7nHの場合)となっており、当該値は同等の外形サイズおよびインダクタンス値を有する巻線インダクタに相当する値となります。
また、2.4GHz(2N7部分の標準インダクタンス値は2.7nH)では108のQ特性を実現します。
これも、同等の外形サイズおよびインダクタンス値を有する巻線インダクタに相当する値となります。
本シリーズの高Q特性は、TDKの先端材料技術および内部構造最適化により実現されたものです。先端材料の採用により損失を低減させ、より高い自己共振周波数を実現しました。 さらに、L型端子などにより内部構造を最適化することによってQ特性が高まりました。
これらの技術革新により、本シリーズは同等の高Q 特性を有する巻線インダクタと比べて、部品コストを抑え、効率的で低損失な回路設計を実現します。
本製品シリーズは、1〜10nH までE24系列、12〜15nHまでE12系列の27種のインダクタンス値のラインアップを揃えています。
用語集
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- Q:インダクタの Q(品質係数)は、所定の周波数における誘導性リアクタンスと抵抗の比率を表し、その効率性の程度を示す。インダクタのQ特性が高いほど、損失が少ない理想的なインダクタとしての特性をもつことになる。
主な用途
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- スマートフォン、携帯電話やブルートゥースなどのモバイル機器における高周波回路
主な特長と利点
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- 同じインダクタンス、Q特性を有する巻線インダクタに比べて、部品コストを低く抑えつつも、同等の性能を提供する積層工法の本製品を使用することにより、高性能高周波回路を低コストで実現。
主要データ
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製品名 MHQ1005Pシリーズ インダクタンス [nH] 1〜15 使用温度範囲 [℃] -55〜125 直流抵抗 [Ω] 0.03〜0.28 (max) 定格電流 [mA] 400〜1200 生産・販売計画
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- サンプル価格:10 円/個
- 生産拠点:秋田地区
- 生産予定:500万個/月(当初)
- 生産開始:2012 年4月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な営業品目としては、各種受動部品をはじめ、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、電源、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス、FA関連機器等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2011年3月期の売上は約8,800億円で、従業員総数は全世界で約88,000人です。
TDK-EPC株式会社について
TDK-EPC株式会社(本社:東京)は、TDK のグループ会社であり、電子部品、モジュールの開発、製造、販売を担うリーディングカンパニーです。
2009年にTDKの受動部品部門とドイツの電子部品メーカーEPCOS AG社が合併して設立されました。主な営業品目には、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの各種コンデンサ、フェライトコアおよび各種インダクタ、弾性表面波(SAW)フィルタ等の高周波部品、モジュール、ピエゾ部品、保護デバイス、センサ、磁石等があります。製品はTDKおよびEPCOSのブランドで販売されています。
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