Solid State Drive(SSD):シリアルATA 3Gbps対応 高信頼性ソリッドステートドライブ SDG4Aシリーズの商品化
- Enhanced ECC機能により、MLC NANDフラッシュでも信頼性を向上させたSSD
2013年5月7日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、512GByteまでの容量ラインアップが可能な2.5inch型のシリアルATAⅡ対応産業用ソリッドステートドライブSDG4Aシリーズを、2013年5月より発売を開始いたします。*1
本製品は、新規自社開発のTDK SSDコントローラIC GBDriver RS4シリーズを搭載することで、産業用で求められるDRAMキャッシュメモリを非搭載ながら、実効速度180MB/sec*2の高速アクセスを実現した産業用SSDです。最新のMLCタイプNANDフラッシュメモリを使用する上で、データ信頼性を高めるためには必須の機能であるリードリトライ機能を追加、従来のGBDriverシリーズから踏襲して搭載しているオートリカバリ機能、データランダマイズ機能、オートリフレッシュ機能を組み合わせて制御することで、将来のフラッシュ動向にも余裕を持たせた設計になっています。
また、データの信頼性を強固にしたいお客様に最適なEnhanced ECC機能を新たに搭載。データ信頼性を飛躍的に向上することが可能なだけでなく、コストと信頼性のバランスの最適化を図りたいお客様には、MLC NANDを使用し、コストメリットを出しながら、従来よりも高いデータ信頼性を確保することも可能です。*3
産業用途のお客様から特にご好評をいただいている、GBDriverの電源遮断時のデータ保全アルゴリズムと内部電源バックアップ保護回路を標準搭載しており、産業用途で好まれる電源トラブルに強いSATA Flash Drive になっています。
さらに、全メモリ領域(ブロック)の書き換え(消去)回数を平準化する高度スタティック・ウェアレベリング・アルゴリズムを実装、メモリ寿命を最大限活用することが可能で、SMART(Self-Monitoring & Analysis Reporting Technology)情報として、全メモリブロックの書き換え(消去)回数が取得できるため、ソリッドステートドライブ(SSD)の定量的な寿命管理が容易です。
データセキュリティ機能も充実。ATAのセキュリティ機能だけでなく、AES*4128bit暗号化機能も実装。NAND型フラッシュメモリに、データを暗号化し記録することが可能なため、データ改ざん、漏洩など万が一の場合においても、強固なセキュリティを提供します。
TDK産業用SSD SDG4Aシリーズは、産業機器、組み込み機器で要求されるハードディスクドライブ(HDD)の代替として、高速性能、データ信頼性、ストレージ寿命およびデータセキュリティの全てを高次元で実現したSATAフラッシュドライブです。
主な用途
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- 半導体製造装置、NC工作機械、シーケンサ、PLC、パネルコンピュータ、組み込みCPUボード等のFA機器全般
- 自動改札機、自動券売機、定期券発売機、列車運行管理システム、自動航空券発券機、自動チェックイン機等の駅務設備全般
- キャッシュレジスタ等のPOS(Point of Sales)機器、コンビニ/キヨスク端末、ATM(現金自動支払機)等の金融決済端末
- 情報端末やシンクライアントPC、SATA RAID SSD等の情報IT機器やクラウドコンピューティングシステム全般
- カーナビゲーションシステム、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダ、後方確認モニタ等の車載機器全般
- 多機能プリンタ(MFP)、業務用プロジェクタ、電話会議システム、電子黒板等のOA機器全般
- 通信カラオケ、アーケードゲーム等のアミューズメント機器、ゲーム機器全般
- デジタルサイネージ、電子看板や電子POP等の広告ディスプレイ装置
- 画像診断装置、血液分析装置、医療PC、電子カルテシステム、DNAマイクロアレイ合成装置、生化学自動分析装置、遠隔医療システムや自動介護システム等の医療機器、データ解析機器全般
- 第四世代携帯電話4Gデータ通信システム(LTE-Advanced/WiMAX2)等、基地局向け、通信放送機器や情報システム機器全般
- スマートメータ、電力網通信インフラ、電力機器自動制御システム、各種エネルギー管理システムやビル空調システム等のスマートグリッド機器全般
- 生体認証システム、入退室管理システム、監視カメラ等のセキュリティ端末、防犯機器全般
- 緊急地震速報システムや住宅用火災報知機等の防災機器
主な特長と利点
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- 自社開発のNAND型フラッシュメモリ制御IC TDK GBDriver RS4搭載
SSDの性能やデータ信頼性を左右するメモリコントローラICに、TDK自社開発のGBDriver RS4シリーズを採用。また、NAND型フラッシュメモリの最新仕様や動向をコントローラ設計に考慮・反映することで、SSDとしての性能向上や、NANDメモリ世代間の互換性確保を図っているため、産業用途・組み込み用途で求められる、同一構成品でのフラッシュストレージ供給や上位互換代替品のご提案を的確に行うことが可能です。 - 高速アクセス
Serial ATA Revision 2.6 Specification準拠。SATA Gen.1(1.5Gbps)、Gen.2(3.0Gbps)、NCQコマンド対応。高信頼性を保ちつつ、DRAM等のキャッシュ非搭載ながら、Read 180MByte/sec、Write 130MByte/sec*5を実現。 - 全領域スタティック・ウェアレベリング機能装備
TDK独自のグローバル・スタティック・ウェアレベリング・アルゴリズムにより、全メモリ領域(全ブロック)について書き換え(消去)回数をカウントし、均等にブロックの置き換えを行います。OS等の固定領域も定期的に均等化するため、メモリ寿命を飛躍的に向上しています。たとえば、1日の書き込みデータ量が10GBの場合、容量16GBのSSDでは、200年以上*6の書き換え寿命に相当します。また、スタティック・ウェアレベリングの範囲も自由に設定可能です(その場合、スタティック・ウェアレベリングの設定エリア以外は、ダイナミック・ウェアレベリング制御が実施されます)。 - 電源遮断耐性を強化
搭載SSDコントローラの対電源遮断の独自アルゴリズムと、SSD内部電源保護保持回路により、書き込み中の電源遮断時に書き込み対象データ以外のデータが破壊される、巻き添えエラー発生を完全に阻止するなど、突然の電源トラブルに強い高信頼性SSDです。 - Enhanced ECC機能
フラッシュ自動判別により、30bit、44bit ECC, あるいは71bit/1KByteの強力なECCを選択可能ですが、さらなる信頼性を求めるアプリケーションのために、搭載SSDコントローラGBDriver RS4にあるEnhanced ECC機能を使うことによって、71bit/512ByteまでECC能力を高めることも可能です。 - リードリトライ機能
NANDフラッシュメモリの微細化に伴い、特にMLCフラッシュメモリはフローティングゲートの電位変動が起きやすくなっております。GBDriver RS4では、フラッシュメモリからデータを読み出し、ECCエラーが発生した場合には、読み出し電位を変更して再読み出しする動作を繰り返し行い、正常なデータが読み取れるようにトライします。 - データランダマイザ機能
データ書き込み時に、同一データが連続しないよう、フラッシュメモリに自動でデータパターンをランダムに配置し書き込むことで、ビットエラーが発生しにくい書き込みを実現しています。 - エラー修復機能
オートリカバリ機能搭載により、読み出しを繰り返すことにより発生するビットエラー(リードディスターブエラー)を自動修復します。また、オートリフレッシュ機能により、あまり読み出しを行わないエリアを含むフラッシュメモリ上の全データを読み出して、必要に応じて自動でエラー訂正を行うため、リードディスターブエラー、データ保持エラー等によるデータ消失を防ぎます。オートリフレッシュ機能はバックグラウンドで処理を行っており、訂正処理中でもコマンドに対する応答遅延はほとんどありません。 - ATA Trimコマンド対応
ATA Trimコマンドにより、データ完全消去が可能ですので、交換、廃棄時に安心です。また本コマンドにより、不要データを削除するため書き込みパフォーマンスの向上が可能です。 - AES128bitによる自動暗号化機能搭載
AES128bit暗号化機能を使うことにより、自動的にデータを暗号化して、NAND型フラッシュメモリに書き込むため、個人情報や秘密情報の漏洩、改ざんを防ぐことが可能です。 - その他の機能
- (ア)全セクタ数設定機能(クリッピング機能)
- データ領域に割り当てる論理ブロックの数の増減が1ブロック単位で可能です。たとえば、論理ブロック数を減らす事で、フラッシュメモリの書き換え可能回数を延長することが可能となります。 逆に、長寿命化を要求しない用途では、論理ブロック数を増やすことで、記憶容量を最大限まで増やすことが可能です。
- (イ)プロテクト機能
- ATA標準のプロテクト機能を搭載しており、お客様でパスワードの設定・解除が可能ですので、独自認証等、大切なデータを保全できます。
- (ウ)SMARTコマンド対応
- SMARTコマンドを使用して、全メモリブロックの書き換え(消去)回数が取得可能であるため、フラッシュメモリの状態が容易に把握でき、的確な寿命管理が可能となります。
- ソリューションサポート
TDKでは、2000年よりNAND型フラッシュメモリコントローラGBDriver シリーズを自社開発、販売しており、特に組み込み市場で強く求められるFAE(Field Application Engineer)体制や信頼性モニタ機能の実装サポートなど、国内、国外のカスタマーに対して、自社技術に基づく技術サポートを行っています。
- 自社開発のNAND型フラッシュメモリ制御IC TDK GBDriver RS4搭載
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用語集
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- *1:発売当初は256GBまでのラインアップになります。
- *2/*5:SLCフラッシュメモリ搭載。4チャンネルインターリーブ接続時。システム環境に依存します。
- *3:eMLC NANDとEnhanced ECC機能を組み合わせて使用した場合。
- *4:米国商務省連邦情報処理規格FIPS PUB197準拠。
- *6:Endurance能力が50,000回のSLCフラッシュメモリ搭載時の理論値。
生産・販売計画
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- 生産拠点:台湾
- 生産予定:1万個/月
- 生産開始:2013年5月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2013年3月期の売上は約8,500億円で、従業員総数は全世界で約80,000人です。
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