株主・投資家情報

[ 2023年3月期 通期 決算説明会 ]Q & A

Q1. 2023年3月期通期における、構造改革費用の内訳をセグメントごとに教えてください。
A1. 構造改革費用は、受動部品セグメントに対し3億円、センサ応用製品で25億円、磁気応用製品で279億円、エナジー応用製品で170億円と合計477億円を計上しました。退職給付負債減少による収益は120億円計上しています。
Q2. 2024年3月期通期の営業利益見通しにおいて、セグメントごとの詳細を教えてください。
A2. まず、為替の影響と前期に計上した構造改革費用を除けば全社で若干のプラスとなります。このうち、受動部品セグメントについては売上増に応じた増益と見ています。センサ応用製品は、温度・圧力センサ、ホールセンサ等で増収となりますが、TMRセンサについては若干の先行投資費用負担等があるため、増益ながらも売上増に見合った通りの増益にはならない状況です。磁気応用製品は、売上高が若干プラスとなる一方、収益性については、異常費用を除くベースでも赤字額が縮小すると見ています。HDDヘッド・HDDサスペンションといったサスペンション応用製品を除いたHDD関連の事業においては、ほぼ収益と費用が等しい形との見方です。一方で、サスペンション応用製品は事業整理も含め赤字が残留すると見ています。磁気ヘッドも若干赤字が残ると見ています。マグネットは赤字額の縮小を見込んでいます。全体的には、エナジー応用製品は減収減益となります。ただし、収益性においては、大きな変化はないと見込んでいます。
Q3. 2024年3月期通期の売上見通しは、上期と下期に分けた場合どのように推移すると見ていますか。また、四半期ごとの推移について教えてください。
A3. まず、上期と下期で見ると、売上高は上期の進捗率が50%を若干切ると見ています。この中で第1四半期は底になり、第3四半期がピーク、第4四半期が季節性要因により若干落ち込む形と見ています。第2四半期から第3四半期へとピークに向かう要因としては、スマートフォン大手の動き等が挙げられます。受動部品セグメントについてはほぼ年間を通じフラットな状態となるものの、スマートフォン向けなどにより下期に向け若干プラスとなる状況です。センサ応用製品は、スマートフォンメーカーの動きに伴い、底となる第1四半期から第3四半期にピークを迎えるよう推移すると考えています。エナジー応用製品も基本的には同様の動きとなります。磁気応用製品については、特にHDDのTAM自体が秋以降に回復傾向が出てくると見ているため、HDDヘッドの販売も同様の動きとなります。特に第1四半期が底となり、第2四半期から回復していくとの見方です。
Q4. 積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)の受注状況について教えてください。
A4. MLCCの受注は、第3四半期を底に、回復傾向ではありますが、受注が売上を下回っている状況です。一般向けについてはやや低い状況ですが、車載向けについては引き続き好調な状況です。当面はこの状況が続くと見ていますが、下期にかけて徐々に回復していくと考えています。
Q5. 中型二次電池について、売上高とともに収益がどのように推移すると見込まれるか教えてください。
A5. 中型二次電池の売上高は、2024年3月期は前期比で約2割減少する見通しです。2023年4月から厦門工場での生産を開始しており、徐々にJVへの生産移管が始まっています。2024年3月期は既存工場と新工場の生産が並行する形になりますが、結果としては前期比で約2割減少する見通しです。2025年3月期においては、現在並行して行っている生産が完全にJVに移管される予定のため、売上高は、前期比横ばいで推移する見込みです。収益については、前期に黒字化しており、2024年3月期も黒字化が継続すると見ています。その後も、JVの工場を本格的に稼働させることで、1桁の中盤から2桁の営業利益率を出せるよう目指したいと考えています。
Q6. 電池事業における基本的な戦略について教えてください。
A6. 小型電池においては、単価というより技術面で市場をリードしていくことを常に考えています。先端技術の開発を継続し、急速充電だけでなく安全性といった付加価値が高い製品によって収益性を確保するよう取り組んでおり、これが競争力になると考えています。
Q7. HDD関連事業においてはどのような構造改革をしていますか。市場が回復しなくてもHDDヘッドとHDDサスペンションはほぼ収益と費用が等しい形となるのでしょうか。
A7. HDDヘッドとHDDサスペンションにおいては、HDDヘッドは第3四半期、HDDサスペンションは第4四半期にかけて数量減少に応じた生産体制とするよう、足元のハードディスク需要に応じた形で主に人員の縮小をしています。HDDの今期のTAMはかなり低い水準となっていますが、HDDヘッドとHDDサスペンションにおいてはほぼ収益と費用が等しい形となり、今後データセンター向け等で数量が回復する過程においては十分収益を計上できる体質になったと思います。他方、サスペンション応用製品においては、スマートフォンの部品等において今回大きな減損損失が発生しました。この事業は立ち上がりに時間がかかり赤字を計上していたため、今回の減損を通じ、事業の整理を始める必要があると認識しています。このような構造改革費用も計上し、その残留コストが2024年3月期は若干残るものの、将来的にはこの損失がなくなる状況となるため、2024年3月期が底となり、来期以降回復していくと見ています。
Q8. センサ応用製品セグメントの2024年3月期売上見通しは前期比+7~+10%との説明でしたが、製品ごとの内訳を教えてください。
A8. 2024年3月期は自動車市場が緩やかに回復する予想となるため、それに伴い、磁気センサのうち自動車向けが中心となるホールセンサや温度・圧力センサについてはこれに伴う動きが期待されます。磁気センサのうち、TMRセンサについてはスマートフォン市場向けの伸びが大きく期待できないものの、新しいアプリケーションへの採用などにより増加を見込んでいます。MEMSセンサは、スマートフォンのマクロ環境がやや低迷しているため、横ばいと見ています。