
人材の育成
ステークホルダーダイアログ
-グローバル人材の育成
2017年に初めて実施したグローバル人材の育成に関するダイアログをふまえ、人財本部長のAndreas Kellerがサステナビリティ分野の専門家であるPeter David Pedersen氏と再び対談し、その後の取り組みの現状と今後の計画を報告しました。
ステークホルダーダイアログの目的
2018年3月、人財本部長のAndreas Kellerは、Peter David Pedersen氏とともに人材育成の取り組みを振り返りました。2017年のダイアログをふまえて実施された取り組みについて報告し、多様化するTDKグループのニーズに照らして人材育成の方向性について考えました。
TDKの人材-多様性の確保に取り組む
TDKグループは2000年以降、M&Aを通じて急速に成長しました。現在、TDKグループを構成する企業は100社以上、グループ企業を含めた従業員は10万人以上に達しますが、
現在日本に在籍している従業員は約10%に過ぎず、約80%はM&Aを通じてTDKに加わった人たちです。
こうした成長の中で必要になってきたのが、多様な従業員がグループの一員として能力を発揮できる環境をつくり、さらなる成長を促すため、グループ共通の基盤に基づいた人材育成の仕組みを整備することです。
グローバル人材中期計画とマネジメントシステム
TDKグループでは、2018年から新しいグローバル人材中期計画(2018-2020)を開始します。グローバル人事ミーティングやキャリア開発プログラムなど、昨年のダイアログ以降に開始された人材関連の取り組みがこの計画に組み込まれています。また、Global Gradingなど各取り組みに対してKPIを設定し、グローバル人事の取り組みへの意識を高め、ITを活用したタレントマネジメントに取り組んでいく予定です。
「日本だけでなく、世界中の人材を活用します。そのためには、共通のプラットホームとグローバルの評価基準が必要です」とKellerは説明しました。世界共通のKPIに基づいてマネジメントすることにより、リスク管理も強化され、組織
のレジリエンス向上につながると考えています。
グローバルミーティングで「TDKグループの人材ビジョン」を確認
2017年度の主な取り組みの一つ目がグローバル人事・総務ミーティングです。Kellerは、昨年のダイアログが、グローバル人事・総務ミーティングの開催につながったと語りました。
ミーティングでは、世界各地の人事・総務メンバーがグローバルチームとしてのミッションやあるべき姿について議論を重ね、TDKグループに共通する価値のさらなる共有やコンプライアンス強化のために、グループ各社の強みや文化を活かす必要があることを確認しました。「ミーティングを通じて、チームのビジョンとミッションが明確になり、メンバーが同じ方向を向くことができました」とKellerは説明しました。チームの目標は、グループで働く一人ひとりが「Trusted enabler (信頼され、実現できる人)」になること。このキーワードはグローバル人材中期計画に反映されています。2回目のグローバル人事ミーティングは、2018年に開催予定で、TDK発祥の地、秋田県に世界各地の人事メンバーが集います。
世界共通のキャリア開発プログラムを開始
2017年度における二つ目の主な取り組みが、グローバルでのTCDP(地域別キャリア開発プログラム)の開始です。このプログラムはTDKグループとして初のグループ全体を対象としたキャリア開発のプログラムであり、グループ内のノウハウやベストプラクティスをグループ内で共有する取り組みの一つです。もともとは中国の子会社で実施していた取り組みが基となり、2018年度よりヨーロッパ、アジア、アメリカに順次拡大していきます。リーダーシップとマネジメントの強化、協力的な企業文化づくり、TDKグループメンバー間の結束強化を目標として掲げています。
Kellerは、「プログラムには非常に多くの申し込みがあり、マネジメント層と従業員のどちらからも高い期待が寄せられています」と語り、このプログラムによって本社に海外出身の従業員が増えることを期待しています。
多様な個が一丸となって価値を創造するために
Pedersen氏は2017年度の取り組みと今後の方向性に対して、「『Trusted enabler(信頼され、実現できる人)』を世界で育成すべく、グローバル人材中期計画を軸にしっかりと進まれています」とコメントしました。「多様な個が集まる組織が成長していくには、従業員一人ひとりが『価値を創造し、イノベーションを起こせる』と感じることが不可欠です。また、一人ひとりがチームの一員であると実感することで、多様な人たちが課題の解決に向けて一丸となって取り組み、アイデアを出し合っていっしょに価値を創造することができます。」
「世界中に10万人以上の従業員を抱える御社では、グループ共通の価値を持つことがとても重要だと思います。今後いかにしてTDKグループの社訓である『夢・勇気・信頼』を各取り組みとつなげていくか、そういった視点からも考えられるといいですね」と締めくくりました。
ミュンヘンでキックオフミーティングを開催
TDKグループは、2017年7月13日から2日間にわたり、ドイツのミュンヘンでグローバル人事・総務ミーティングおよびワークショップを開催しました。参加者は世界各地で人事や総務に関わるメンバー 25名。グループの人材戦略を前進させるべく、現在の課題や今後の方向性について議論を行いました。人材に関する方針の統合や共通のマネジメントプラットホームの確立を通して、多様な人材を活用するため一丸となって取り組んでいくことを確認しました。