サステナビリティ | 環境資源の有効利用
基本的な考え方
循環型社会への転換が求められる中、TDKでは限りある資源の有効利用の観点から、2006年度には独自基準でのゼロエミッション※を達成し、その後もその水準を維持しながら、排出物の発生そのものを抑制する取り組みを推進しています。また、リサイクル業者に定期訪問をして適正にリサイクルされていることを確認しています。
また、TDKでは、サーキュラーエコノミーに関わる最新動向を収集・分析し、活動を推進しています。
- ※TDKでは、事業所から排出される廃棄物について埋め立ておよび単純焼却による処理を一切行わずに、最終的には100%再資源化することをゼロエミッションと定義しています(法の規制により単独では再資源化できない物を除く)。
目標と実績
2022年度目標 | 実績 |
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排出物原単位 前年度比1.5%改善 | 前年度比 24.4%改善 |
- ※データに誤りがあったため再計算し、訂正後の数値を掲載しています。
評価と今後の取り組み
2022年度の排出物総量は、生産品目に合わせた投入資源量の最適化や排出物削減活動を進めた結果、前年度比11.5%減少の130,696トンとなりました。また原単位も前年度比24.4%改善となり、目標を達成しました。
今後も引き続き、徹底した工程改善を進め、投入資源効率と歩留り改善率の両面から排出物の発生抑制に努めます。
2023年度目標 |
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排出物原単位 前年度比1.5%改善 |
取り組み
有害廃棄物の削減
■有害廃棄物半減への取り組み
TDK Electronics Componentsに属するスペイン マラガ工場ではフィルムコンデンサを製造する上で生じる、有害廃棄物(金属フィルム、コンデンサスクラップ、硬化樹脂など)の削減プロジェクトを進めてきました。
熱処理工程最適化よる歩留まり改善や樹脂使用効率を高めるなどの施策を継続実施することで、有害廃棄物を含む排出物を64%削減することに成功しました。
また空調設備運用の見直しや太陽光パネルの導入といった活動も展開しており、地球環境の負荷低減にも同時に取り組んでいます。
サーキュラーエコノミー活動の推進
■PETフィルムの再利用(積層セラミックコンデンサ)
TDKは積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の製造工程で使用されるPETフィルムを再利用するリサイクルシステムの構築に電子部品業界で初めて※1成功しました。
通常、MLCCの製造工程で誘電体ペーストを塗布する際に使用されるPETフィルムの表面には特殊処理が施されており、製造工程での使用後は主にサーマルリサイクルや焼却処分されることがほとんどです。
本システムでは、廃棄するPETフィルムの表面を洗浄し、その後PET樹脂(ペレット状)に戻し、本件協業先である東レ株式会社(東京都中央区)にて製膜化を行います。そのフィルムをTDKが調達し特殊処理を施すことによりMLCCの製造工程での再利用が可能となりました。なお、本システムで使用するリサイクルPETフィルムは、従来のPETフィルムに対しCO2が約10%削減※2されています。
- ※1 2021年12月現在、TDK調べ
- ※2 PETフィルムの製造工程で発生するCO2のこと。東レ調べ
■製品デザインからの取り組み(リサイクル材を使用したパワーインダクタ)
パワーインダクタCLT32シリーズはリサイクル鉄およびリサイクル銅の使用率を高めており、製品の50%以上が既にリサイクル金属に置き換わっています。また本シリーズは、本来の性能を実現するために、銀やニッケルが必須でしたが、開発設計時の努力が結実し、銀を使用せず、少ないニッケルでの製造を実現させたため、調達・製造コストの抑制につながっています。
製品の特徴としては、高出力の小型製品であること、消費電力が少なく、長い耐用年数であることがあげられます。
なお、本パワーインダクタは「SUPER ECO LOVE製品」※として認定されています。
※TDKでは、環境配慮型製品の中でも環境負荷低減効果が高く、業界においても他をリードする製品を「ECO LOVE製品」、さらに「ECO LOVE製品」の中でも効果が高く業界トップレベルの製品を「SUPER ECO LOVE製品」と認定しています。