サステナビリティ | 社会 | グローバル人材の育成次世代リーダー育成プログラムをグローバルで開始

次世代リーダー育成プログラムをグローバルで開始

TDKは、M&Aを通じてよりグローバルなグループ企業体を構成するようになりました。その結果、日本在籍の従業員は約10%となり、約80%の従業員がM&Aを通じてTDKに加わりました。多様な人材の中から、将来のリーダーをグループ全体で育成することを目的として、TCDP(地域別キャリア開発プログラム)を2018年度よりスタートさせました。

TCDP(地域別キャリア開発プログラム)とは?

TCDPとは、TDK Electronicsが10年前に中国で行った若手幹部育成プログラムをもとに発展させたものです。TDKはグローバル人材の育成に向け、2018年度からこのプログラムをアジア、アメリカ、ヨーロッパに導入し、世界中で展開させることとしました。本プログラムでは、TDKグループの将来のリーダーとして潜在能力の高い人材を発掘し、主要ポジションにおける次世代候補者として、幅広い分野で活躍できるグローバル・リーダーを育成することを目的としています。
世界4地域でそれぞれ選抜された従業員が、多様な分野や文化においても能力を発揮し貢献できるようになることを期待され、9カ月間にわたるプログラムに参加するものです。企業経営に求められる基礎知識への理解向上、リーダーシップスキルの開発、エンゲージメント力の向上、従業員同士のコミュニケーションの活性化など、組織全体のマネジメント力の底上げを図る狙いでさまざまなプログラムが組まれています。
またこのTCDPでは、地域ごとに世界中のTDKグループの仲間が集まり、集合研修やグループ活動、工場訪問なども行われるため、日ごろコミュニケーションが難しい従業員同士の交流の機会ともなっています。TDKグループの多様な従業員間での相互理解、さらには強固な関係を築くことができ、「One TDK」の精神を育むことも狙いとしています。

活動概要

2018年度のTCDPは、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、中華圏の4地域で9カ月間にわたって行われました。対象者は、TDKグループの全地域・全部門の従業員で、各拠点の責任者が候補者を推薦し、その後管理責任者による地域別のコミッティで参加者が選抜されました。
プログラムはすべて、英語で行われますが、参加者は、自身の属する地域で実施される全5回のプログラムに参加。毎回各地域の異なる拠点で実施されることで、TDKの多くの事業分野を学ぶ機会にもなりました。さらに、座学や集合研修に加えて、5~6人のチームでのグループワークも本プログラムの特徴的な活動です。参加者一丸となって実践的な課題に取り組み、TDKに価値をもたらす活動を立案、実行するグループプロジェクトで、TCDPで学んだスキルを活かして行動に移すことを求められます。プログラムの最後には、地域のコミッティに対して、グループプロジェクトの成果を報告するプレゼンテーションも行われました。

2018年度開催スケジュール(2018年4月~2019年3月)

地域 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
中華圏 Zhuha-Hongqi Dalian Xiaogan Xiamen Hong Kong
ヨーロッパ Deutschlandsberg Szombathey Karmiel Paris Munich
アジア Singapore Ayutthaya Seoul Johor Bahru Tokyo
アメリカ New York Lincolnshire San Jose Gravatai New York

TCDP参加風景

グローバル人事担当者コメント

TDKグループの強みは、約10万人の従業員の多様性です。共通のビジョンのもと従業員がつながれば、今までにない価値を創造できるでしょう。グローバルで従業員同士がつながることでグループ間のコミュニケーションが改善されると同時に、一人ひとりが成長し、業務で成果を出せるようになることで、TDKグループの競争力を高めていける活動なのです。

TDK株式会社
人財本部
グローバル人財開発統括部
教育部リーダーCarsten Kueck

TDK株式会社
人財本部
グローバル人財開発統括部
教育部サブリーダー
Karine Le Heiget

TDK株式会社
人財本部
グローバル人財開発統括部
教育部サブリーダー
佐藤 利信

成果と今後に向けて

今回初めてとなる第1回のTCDPでは、多くの成果が得られました。中でもグループプロジェクトを通じて素晴らしいアイデアが展開されたものもあれば、新たな改善提案が行われたものもありました。
例えば、TCDPアジアからは、機能横断的な知識を向上させるようなボードゲーム、ヨーロッパでは、移民センターの一部を改修する社会的なパイロットプロジェクトの開始、アメリカとヨーロッパからは、2つのグループプロジェクトチームから共通のプラットフォームを開発することで、従業員間の知識共有でより効率的に仕事ができるアイデアが提案されました。これらの中には、本期間中に実行に移されたものもあれば、さらに次のステップに進められているものもありました。 既に2回目のTCDPプログラムが開始されています。多数の応募があることからも、このプログラムへ期待がうかがわれ、今後さらに進化したプログラムに発展させていきます。

参加者からのコメント

  • TDK Singapore (Pte) Ltd.Daniel Tran Viet Dung

    リーダーシップについて学べたことに加え、多くの相互型セッションで知識を応用することもできました。また、部門横断的な目線でより広くTDKを捉えられるようになりました。今回の経験は、短期的・長期的に見ても、私自身の仕事に役立ち、成長にもつながる有意義な機会でした。

  • TDK Electronic Korea CorporationKyung Dae Lee

    さまざまな国の、さまざまな仕事をしている人と出会うことができ、非常に有意義な機会でした。この機会を活かし、自分が成長できるようさらに努力し、TDKグループの成長にもつながるようにしていきたいと思います。

  • TDK (Malaysia) Sdn. Bhd.Yew Hong Lum

    参加前は、国、拠点、言語、バックグラウンドなどが異なるため、コミュニケーションを取るのが難しいのではないかと心配でしたが、4日後には私の考え方は全く変わっており、相手のポジションや職務にとらわれず、非常に良いコミュニケーションをとることができていました。

  • TDK Electronics do Brasil Ltda.Diogo Gonsalves da Silveira

    まず、気づきの場であると同時に、多くの学びの機会にもなりました。特に、リーダーシップは単なるツールではなく、磨かなければならないスキルであると認識するに至り、自らのスキルアップに向け、モチベーションを高める良い機会になりました。

  • TDK-Micronas GmbHThomas Leneke

    最初は、異なる文化や国、グループ会社の人たちが参加するため、本当に研修がうまく行くか懐疑的でした。しかし、最初の晩からプライベートのことや、仕事関連では専門的なことも含めた共通項を見いだすことができ、積極的に話すことができました。

  • TDK India Private LimitedGayatri Kulkarni

    私自身も含め参加者の誰もが考える“自己探求”や“気づき”、つまり自分が誰であり、どのように成長できるか等、個人の核となるこの問題に対して、TCDPは重要な学びの場となりました。