Solid State Drive(SSD):M.2フォームファクター対応 SSD SNG4Aシリーズの商品化
- M.2形状として、業界最高レベルの電源遮断耐性を実現
- Key B, Key Mの両Key IDに対応させた約22mm×42mmと小型なM.2 type SSD
2014年5月8日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、M.2スロットに対応可能で約22mm×42mmと小型なSSDで、SLCタイプのNANDフラッシュメモリで64GByteまでの容量ラインアップが可能なシリアルATAⅡ対応産業用NANDフラッシュモジュールSNG4Aシリーズを、2014年8月より発売を開始いたします。
現在、民生用途ではM.2が今後の主流となるフォームファクターとして注目されておりますが、産業用途でもM.2の採用が促進されると考えられます。産業用マザーボードでは、転送スピードもさることながら、信頼性をより重視する傾向が高く、装置は10年以上の長期間運用される例が多くみられます。
そこで、長期間同一形状を好まれるお客様の利便性を考慮して、SSDコントローラICを自社開発していることを生かし、コマンドとしてSerial ATA Revision 2.6 Specificationまでの対応ながら、Key IDをKey BとKey Mの両方に対応させたM.2形状対応SSDを早期にラインアップ致しました。
SNG4Aシリーズは、自社開発のGBDriver RS4を搭載することで、産業用途のお客様から特にご好評をいただいているGBDriverの電源遮断時のデータ保全アルゴリズムを有した、産業用途で好まれる電源トラブルに強いM.2形状のSATA Flash Drive になっています。
また、TDKが開発したGBDriver RS4を搭載することで、Enhanced ECC機能、リードリトライ機能、オートリカバリ機能、データランダマイズ機能、オートリフレッシュ機能といったデータ信頼性を高めるための機能を持たせていることはもちろんのこと、寿命診断ソフト(TDK SMART)を用いて、定量的な寿命管理が容易です。
データセキュリティ機能も充実しており、ATAのセキュリティ機能、AES*1128bit暗号化機能だけでなく、TDKオリジナルセキュリティ機能も実装。NAND型フラッシュメモリにデータを暗号化して記録することができるため、データ改ざん、漏洩など万が一の場合においても、強固なセキュリティを提供します。
TDKの産業用M.2形状SSD SNG4Aシリーズは、産業機器、組み込み機器で要求されるハードディスクドライブ(HDD)、mSATA type SSDの代替として、高速性能、データ信頼性、ストレージ寿命およびデータセキュリティの全てを高次元で実現したSATAフラッシュドライブです。
なお、本製品は5月14日~16日に開催の組込みシステム開発技術展(ESEC)の弊社ブースにて、ご確認いただけます。
主な用途
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- 半導体製造装置、NC工作機械、シーケンサ、PLC、パネルコンピュータ、組み込みCPUボード等のFA機器全般
- 自動改札機、自動券売機、定期券発売機、列車運行管理システム、自動航空券発券機、自動チェックイン機等の駅務設備全般
- キャッシュレジスタ等のPOS(Point of Sales)機器、コンビニ/キヨスク端末、ATM(現金自動支払機)等の金融決済端末
- 情報端末やシンクライアントPC、SATA RAID SSD等の情報IT機器やクラウドコンピューティングシステム全般
- カーナビゲーションシステム、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダ、後方確認モニタ等の車載機器全般
- 多機能プリンタ(MFP)、業務用プロジェクタ、電話会議システム、電子黒板等のOA機器全般
- 通信カラオケ、アーケードゲーム等のアミューズメント機器、ゲーム機器全般
- デジタルサイネージ、電子看板や電子POP等の広告ディスプレイ装置
- 画像診断装置、血液分析装置、医療PC、電子カルテシステム、DNAマイクロアレイ合成装置、生化学自動分析装置、遠隔医療システムや自動介護システム等の医療機器、データ解析機器全般
- 第四世代携帯電話4Gデータ通信システム(LTE-Advanced/WiMAX2)等、基地局向け、通信放送機器や情報システム機器全般
- スマートメーター、電力網通信インフラ、電力機器自動制御システム、各種エネルギー管理システムやビル空調システム等のスマートグリッド機器全般
- 生体認証システム、入退室管理システム、監視カメラ等のセキュリティ端末、防犯機器全般
- 緊急地震速報システムや住宅用火災報知機等の防災機器
主な特長と利点
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- 自社開発のNAND型フラッシュメモリ制御IC TDK GBDriver RS4搭載
SSDの性能やデータ信頼性を左右するメモリコントローラICに、TDK自社開発のGBDriver RS4シリーズを採用。また、NAND型フラッシュメモリの最新仕様や動向をコントローラ設計に考慮・反映することで、SSDとしての性能向上や、NANDメモリ世代間の互換性確保を図っているため、産業用途・組み込み用途で求められる、同一構成品でのフラッシュストレージ供給や上位互換代替品のご提案を的確に行うことが可能です。 - 高速アクセス
Serial ATA Revision 2.6 Specification準拠。SATA Gen.1 (1.5Gbps)、Gen.2 (3.0Gbps)、NCQコマンド対応。高信頼性を保つために、あえてDRAM等のキャッシュ非搭載にしながら、Read 215MByte/sec、Write 95MByte/sec*2を実現。 - 全領域スタティック・ウェアレベリング機能装備
TDK独自のグローバル・スタティック・ウェアレベリング・アルゴリズムにより、全メモリ領域(全ブロック)について書き換え(消去)回数をカウントし、均等にブロックの置き換えを行います。OS等の固定領域も定期的に均等化するため、メモリ寿命を飛躍的に向上しています。また、スタティック・ウェアレベリングの範囲も自由に設定可能です(その場合、スタティック・ウェアレベリングの設定エリア以外は、ダイナミック・ウェアレベリング制御が実施されます)。 - 電源遮断耐性を強化
搭載SSDコントローラの対電源遮断の独自アルゴリズムにより、書き込み中の電源遮断時に書き込み対象データ以外のデータが破壊される巻き添えエラー発生リスクを低減しております。 - Enhanced ECC機能
標準で71bit/1KByte の強力なECCを搭載。さらなる信頼性を求めるアプリケーションのために、搭載SSDコントローラGBDriver RS4にあるEnhanced ECC機能を使うことで、71bit/512ByteまでECC能力を高めることも可能です。(オプション) - リードリトライ機能
NANDフラッシュメモリの微細化に伴い、特にMLCフラッシュメモリはフローティングゲートの電位変動が起きやすくなっております。GBDriver RS4では、フラッシュメモリからデータを読み出し、ECCエラーが発生した場合には、読み出し電位を変更して再読み出しする動作を繰り返し行い、正常なデータが読み取れるようにトライします。 - データランダマイザ機能
データ書き込み時に、同一データが連続しないよう、フラッシュメモリに自動でデータパターンをランダムに配置し書き込むことで、ビットエラーが発生しにくい書き込みを実現しています。 - エラー修復機能
オートリカバリ機能搭載により、読み出しを繰り返すことにより発生するビットエラー(リードディスターブエラー)を自動修復します。また、オートリフレッシュ機能により、あまり読み出しを行わないエリアを含むフラッシュメモリ上の全データを読み出して、必要に応じて自動で、エラー訂正を行うので、リードディスターブエラー、データ保持エラー等によるデータ消失を防ぎます。オートリフレッシュ機能はバックグラウンドで処理を行っており、訂正処理中でもコマンドに対する応答遅延はほとんどありません。 - セキュリティ機能
- (ア)AES128bit暗号化機能
AES128bit暗号化機能を使うことにより、自動的にデータを暗号化して、NAND型フラッシュメモリに書き込むため、個人情報や秘密情報の漏洩、改ざんを防ぐことが可能です。(オプション) - (イ)プロテクト機能
ATA標準のプロテクト機能を搭載しており、お客様でパスワードの設定・解除が可能ですので、大切なデータを保全できます。 - (ウ)TDKオリジナルセキュリティ機能
ホストとSSDが相互認証を行いますので、なりすまし等の第三者によるアクセス・応答を制限することが可能です。(別途秘密保持契約が必要)
- (ア)AES128bit暗号化機能
- ATA Trimコマンド対応
ATA Trimコマンドにより、データ完全消去が可能ですので、交換、廃棄時に安心です。また本コマンドにより、不要データを削除するため書き込みパフォーマンスの向上が可能です。 - SMARTコマンド対応
SMARTコマンドを使用して、全メモリブロックの書き換え(消去)回数が取得可能であるため、フラッシュメモリの状態が容易に把握でき、的確な寿命管理が可能です。また、弊社オリジナルソフトウェアを無償で使用可能です。 - ソリューションサポート
TDKでは、2000年よりNAND型フラッシュメモリコントローラGBDriver シリーズを自社開発、販売しており、特に組み込み市場で強く求められるFAE(Field Application Engineer)体制や信頼性モニタ機能の実装サポートなど、国内、国外のカスタマーに対して、自社技術に基づく技術サポートを行っています。
- 自社開発のNAND型フラッシュメモリ制御IC TDK GBDriver RS4搭載
用語集
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- *1:米国商務省連邦情報処理規格FIPS PUB197準拠
- *2:SLCフラッシュメモリ搭載。4チャンネル接続時。システム環境に依存します。
生産・販売計画
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- 生産拠点 : 台湾
- 生産予定 : 1万個/月
- 生産開始 : 2014年8月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品※(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2014年3月期の売上は約9,800億円で、従業員総数は全世界で約83,000人です。
- ※ 主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。
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報道関係者の問い合わせ先
担当者 | 所属 | 電話番号 | Email Address |
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中西 | TDK株式会社 広報グループ |
+81 3 6778-1055 | TDK.PR@tdk.com |
製品・サポートに関する問い合わせ先
担当者 | 所属 | 電話番号 | Email Address |
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花房 (ハナフサ) |
TDK株式会社 フラッシュメモリ応用デバイス部 ESS* ビジネスユニット *Embedded Storage Solution |
+81 47 378-9130 | shanafus@jp.tdk.com |