サステナビリティ | サステナビリティ経営 | TDKグループのマテリアリティサプライチェーンマネジメント

マテリアリティ特定の背景

TDKにとっての意義

 テーマの一つである「グローバルでの調達力と仕組みの強化」は、グループ間での調達状況や問題点の情報共有を進めることで、業務の効率化やコストダウンにつながるテーマです。そのほかのテーマ「責任ある資材調達」「サプライチェーンにおける社会・環境配慮」の推進は、競争力のあるサプライチェーンを構築することを可能にします。具体的には、働きやすい労働環境を整備することは従業員の健康や生産力向上に貢献し、さらには優秀な人材の確保・獲得にもつながります。また、人権などの社会課題や環境への配慮がビジネスの必須条件である現在、これらの取り組みが取引先との関係や、株主・投資家の投資判断にも影響を及ぼすことは明らかです。
 総じてこれらの活動は、プロセスを通じて品質・納期・コストを改善させるほか、環境・人権などに好影響をもたらすため、お客様の満足度向上や従業員、投資家の皆様からの信頼獲得、ひいてはTDKグループの成長につながる活動であると考えています。

社会にとっての意義

 TDKが、世界各地に有する自社製造拠点および約4,500の取引先において、社会・環境に配慮した取り組みを推進することは、自社にとってだけでなく社会にとっても大きな意義のある取り組みであると考えています。
 また、サプライチェーンにかかる法制度や国際的な業界規範への対応・遵守はもとより、サプライヤーに対する支援等の社会的責任の遂行や、紛争鉱物問題など企業(事業)活動による社会的影響の是正がステークホルダーから期待されていると認識しています。

概要(テーマ、主管部門、目標、KPI、進捗状況)

テーマ 主管部門 3年間で目指す姿 主な活動項目 KPI 中期目標
(2021~2023年度)
2021年度
実績
2022年度
実績
グローバルでの調達力と仕組みの強化 調達・ロジスティクスグループ
  • TDKグループの重要共通サプライヤーの最新情報を共有・活用することにより、継続的なコスト低減が図られている。
  • サプライチェーンの最適化により、潜在的リスクも含めた調達リスクが軽減されている。
  • 定期的なモニタリングと子会社への支援によりグローバル共通規定の適合が図られている。
  • ASL(Approved Supplier List)の分析、コスト削減計画の立案、共通サプライヤーとの交渉、情報共有のためのプラットフォームの検討、GPCC(Global Procurement Collaboration Committee)の設置
  • 高リスク部材の分析と対策の検討、サプライヤーとの交渉によるサプライチェーンの再構築・最適化
  • モニタリングの仕組み検討、子会社の状況確認と個別規定制定支援、定期的モニタリング
サプライヤー情報及び購入データの可視化と活用 TDKグループのサプライヤー情報及び購入データを一元的に可視化するためのプラットフォームの構築と調達戦略策定への活用 主要子会社のサプライヤーデータを可視化 グループ内子会社の調達データ連結化実施
高リスク部材の調達リスク低減 サプライチェーン上のリスク分析と対策実施 高リスク部材を抽出 高リスク部材のリスク低減を推進
グローバル共通規定への適合 100% モニタリングの仕組みの構築と個別規定の制定状況の確認開始 子会社の個別規定の確認と是正を実施
責任ある資材調達 調達・ロジスティクスグループ TDKグループ全体で、RMIのフレームワークを利用して、製錬所の情報が定期的にモニタリングされており、適合製錬所から優先的に調達している。
  • 製錬所の定期的なモニタリングと責任ある鉱物調達の推進
3TGに関してRMAP適合製錬所からの調達が確認されたサプライヤー比率 92%以上
サプライヤーへの責任ある鉱物調達の周知と定着
92% 86.5%
サプライチェーンにおける社会・環境配慮 調達・ロジスティクスグループ サプライヤーの労働環境がCSRチェックシートの活用により定期的にモニタリングされ、フィードバックやサプライヤーへのガイダンスによって継続的に改善されている。
  • サプライヤーの労働環境の適切なモニタリングと改善
CSR適合サプライヤー率 100% 99% 100%
CSRグループ
  • 「自己評価」「監査」「トレーニングと対話」のフレームワークを通じた定期的な課題把握と継続的改善により、自社製造拠点の社会・環境・企業倫理などに関するリスクヘッジができている。
  • グローバル本社のCSRグループと各地域本社のCSR担当者間でのコミュニケーションがより強化され、事例共有による改善の加速など、グループとしてのシナジー効果が発揮されている。
  • 自部門の状況把握と課題抽出を目的としたCSRセルフチェックと労働/企業倫理リスクアセスメントの実施
  • 全製造拠点で、3年間の間に、RBA公認監査、お客様によるCSR監査、RBA VAP Operations Manualに基づいたCSRアセスメントのいずれかを1回以上実施
  • 社会・環境リスク低減活動に必要な知識の習得を目的とした、各製造拠点に対するトレーニングの実施
製造拠点におけるCSRセルフチェック実施率 100% 100% 100%
製造拠点における労働/企業倫理リスクアセスメント実施率 100% 100% 100%
製造拠点におけるRBA公認監査の実施率 25% 10% 34%
製造拠点におけるRBA公認監査、お客様によるCSR監査またはRBA VAP Operations Manualに基づいた簡易CSRアセスメントのいずれかを3年間で1回以上実施した製造拠点の割合 100% 24% 65%
E-Learningまたはダイアログを含むオンサイトトレーニングによる研修機会の提供 毎年実施 必要な研修機会の提供をグローバルに実施 必要な研修機会の提供をグローバルに実施

部門長メッセージ

生産本部 調達・ロジスティクスグループ

有村 健一郎

【主管テーマ】

  • グローバルでの調達力と仕組みの強化
  • 責任ある資材調達
  • サプライチェーンにおける社会・環境配慮

 調達部門の責任を明確にし、専門性のある人材を育成、確保して、本社部門、事業部門、グループ会社が協力することで調達部門としての責任を果たし、会社に、そして社会に貢献してまいります。 
 そのために、サプライチェーンマネジメントに関連する情報やデータの可視化や、情報共有化のためのデジタルツールの活用、グループ全体での活動を推進するための人材確保と組織体勢整備などを課題として取り組んでいきます。また、RMI(Responsible Minerals Initiative)の活動にのっとったサプライチェーン調査と基準に適合した精錬所・加工所からの調達推進、CSRチェックシートによるサプライヤー様のCSR順守度確認と適合サプライヤーからの調達推進に加え、CSR実地監査等を進め、3年後の目指す姿を実現してまいります。

サステナビリティ推進本部 CSRグループ

加藤 祥子

【主管テーマ】

  • サプライチェーンにおける社会・環境配慮

 TDKは世界各地に製造拠点を有し、サプライヤーも同様に世界各地に広がっています。製造現場やサプライヤーにおける社会・環境リスク低減への取り組みはインパクトが大きく大切な活動と認識し、RBA基準を用いた取り組みを行っています。
 これからどのような社会課題が起こるのか、また注目されるのかを特定し、その課題にいち早く対応することを念頭におき、適切な労働環境か、労働者へ敬意を払い処遇しているか、人や環境に危険をもたらす物質を適切に管理・処理しているかなどを定期的に第三者の目も入れた複数の方法で確認しています。特に自社製造拠点における第三者監査やCSRアセスメントで指摘を受けた項目を確実に是正し、その状態を維持していくとともに、同様の原因で起こり得るリスクを予測して、事前に対処するようにしています。
 TDKが目指す持続可能な社会と自社の成長の両立を実現するために、生産本部と連携し、製造拠点、地域本社のCSR・安全環境担当者、事業部や本社機能の皆さんの理解と協力のもと、活動を推進しています。

※RBA(Responsible Business Alliance)電子、小売、自動車、玩具を扱う企業が加盟している世界最大の企業連盟。サプライチェーンにおいて労働安全衛生を改善すること、人権を守ること、環境に配慮すること、倫理的責任を果たすことを行動規範に定め、加盟企業とそのサプライヤーに対して実践を求めている。