サステナビリティ | サステナビリティ経営 | TDKグループのマテリアリティEnergy Transformation(EX):電子デバイスでムダ熱とノイズを最小化し、エネルギー・環境問題に貢献
マテリアリティ特定の背景
TDKにとっての意義
TDKが掲げるEXは世界的に喫緊の課題である気候変動問題を見据えており、TDKグループがサステナブルな社会と企業の成長を両立するために、全社一丸となって取り組んでいくべき課題の一つです。気候変動対策は、顧客、投資家など多くのステークホルダーが注視し、取引先や投資先を選定する際の基準の一つとなっているため、TDKグループがEXをマテリアリティに特定し、着実に実行することは、ビジネス面、資金調達面において大きな効果があると考えています。
社会にとっての意義
TDKのEXへの取り組みは、かけがえのない地球環境の再生・保護と、豊かで安心できる暮らしの実現に向けた活動であり、TDK環境ビジョンで掲げている自然の循環を乱さない環境負荷で操業することにつながります。サプライチェーン川中の電子部品メーカーであるTDKがEXを経営の重要課題としてとらえ取り組むことは、社会全体の気候変動対策を加速する上でも重要だと考えています。
また、TDKの製品・ソリューションはクリーンエネルギーの創出や効率的なエネルギー社会を実現することにも貢献できることができると考えており、製品の製造段階だけでなく使用段階においても、社会に対して正の影響を与えることができると考えています。
概要(テーマ、主管部門、目標、KPI、進捗状況)
テーマ | 主管部門 | 3年間で目指す姿 | 主な活動項目 | KPI | 中期目標 (2021~2023年度) |
2021年度実績 | 2022年度実績 |
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2050年CO2ネットゼロ実現に向けたエネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大 | 安全環境グループ | エネルギー起源のCO2排出量を基準年(2014年度)と比較して原単位12%削減(スコープ1、2)している |
以下2点の活動項目により、TDK環境ビジョン2035で掲げたCO2排出原単位の半減を目指す
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エネルギー起源CO2排出量原単位 | 2014年度比12%削減 | 32%削減 | 30.7%削減 |
脱炭素社会を実現するために、クリーンエネルギーを創出する製品・ソリューションの提供 | コーポレートマーケティング&インキュベーション本部 | 事業において、太陽光、風力、水力、地熱など、クリーンエネルギーに貢献するため、関連技術・製品のポートフォリオを定期的に更新している | 再生可能エネルギー、代替エネルギーの市場、技術動向調査、及び新規ビジネス機会の発掘 | 関連市場の調査及び社内向け調査レポートの発行 | 1レポート/年 |
xEVに関する技術動向、市場調査を実施。社内向けレポートを発行し、TDK内部関係者に共有。 さらに再生可能エネルギーに貢献できる可能性のあるTDKの技術を調査。今後も調査を継続し、2022年度に包括的な内部レポートを発行予定。 |
再生可能エネルギー、代替燃料、xEVなどのエナジートランスフォーメーションに関する技術動向と市場動向を調査し内部レポートを発行した。 |
再生可能エネルギー市場での潜在的ビジネス機会の発掘、及び新規ビジネス、製品、ソリューションの創出 | 2023年度までに実施 |
再生可能エネルギー分野での潜在的なビジネス機会を調査。 2022年度に継続実施。 |
再生可能エネルギー分野に寄与するTDKセンサーの潜在的ビジネス機会を発掘した。市場規模を調査した上で、フィージビリティー検証に進む。また、xEVの新技術に寄与するTDK技術を発掘し市場調査を開始した。 | ||||
エネルギーの蓄電、変換、制御によって効率的なエネルギー社会を実現する製品・ソリューションの提供 | コーポレートマーケティング&インキュベーション本部 | TDKのEXが社会に認知されるため、エネルギー効率向上に寄与する関連技術・製品について、ポートフォリオを定期的に更新している | エネルギー変換、蓄積に関する市場、技術動向調査、及び新規ビジネス機会の発掘 | 関連市場の調査及び社内向け調査レポートの発行 | 1レポート/年 |
潜在的市場の技術動向、市場調査を実施。 2022年度もその他アプリケーションの調査を継続。 |
エネルギーの蓄電などのエナジートランスフォーメーションに関する技術動向と市場動向を調査し内部レポートを発行した。 |
再生可能エネルギー市場での潜在的ビジネス機会の発掘、及び新規ビジネス、製品、ソリューションの創出 | 2023年度までに実施 | 2022年度に継続実施 | エネルギー制御に関する市場調査及び、TDK製品のTAM分析を実施し、事業部門の事業判断をサポート。 |
部門長メッセージ
サステナビリティ推進本部 安全環境グループ
Jason Mizell
【主管テーマ】
- 2050年CO2ネットゼロ実現に向けたエネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大
TDKがコーポレートマテリアリティを特定しコミットしたことは、TDKと社会双方にとって、非常に価値のあることだと考えています。これを実態として定着させ、ステークホルダーに成果を示していくためには、サステナブルな社会に向けた課題の発見と社内への展開が必要と考えています。そのためには、TDKのポリシーであるEmpowerment & Transparency(権限委譲と透明性の向上)に沿って適切に方向性を設定し、有用な情報の共有・展開による社内全体への動機付けが重要となります。
再生可能エネルギーの導入を推進する上での課題は、地域によって異なるインフラや法制度などや調達コストだと考えています。課題を克服するために、各国・各エリアの状況に合わせて、全体最適とコストの抑制の両方を念頭に置きながら推進してまいります。
また、2050年CO2排出ネットゼロ達成の中間目標として、2025年度までにグローバルでの再生可能エネルギー導入率を50%(スコープ2)にすることを全社目標とし、具体的な取り組みを推進していきます。
コーポレートマーケティング&インキュベーション本部
Michael Pocsatko
【主管テーマ】
- 脱炭素社会を実現するために、クリーンエネルギーを創出する製品・ソリューションの提供
- エネルギーの蓄電、変換、制御によって効率的なエネルギー社会を実現する製品・ソリューションの提供
コーポレートマーケティング&インキュベーション本部は、お客様のニーズを受信し、TDKの技術を発信する「アンテナ」の役割を担っています。データを情報とインテリジェンスに変換し、そのインテリジェンスをもとにTDKには存在しない新しい製品やソリューションを創造して、インキュベートすることをミッションとしており、社内外のイノベーターとのコミュニケーションやコラボレーションによって「Value Creation」を加速させることを目指しています。これにより、強固なアウトサイド・インの視点、より顧客志向のアプローチ及び言語が生まれます。また、組織を超えて社内外のあらゆる部門とコラボレーションしながら、TDKのテクノロジーを組み合わせ、新たな価値の創造を目指します。
TDKのEX、DXへの取り組みは社会からの要請に応える大切な活動であり、TDKが開発する技術は、本質的に人々の幸福に貢献できる素晴らしいものです。同時にこれらの注力分野はTDKの長期戦略の中核、かつ事業計画Value Creationを推進する重要な要素です。
今後も、より顧客志向でイノベーションを起こし、アウトサイド・インの考え方を組織に根付かせて、お客様の期待を超える体験を提供する2CX(Customer Experience, Consumer Experience)を実現してまいります。