サステナビリティ | サステナビリティ経営 | TDKグループのマテリアリティDigital Transformation(DX):マテリアルサイエンスとプロセス技術にソフトウェア技術を加え、社会のデジタル化を促進
マテリアリティ特定の背景
TDKにとっての意義
5G、AR/VR/MR、ウエアラブル、ロボティクス/ドローン、データストレージなど、マテリアルサイエンスとプロセス技術にソフトウェア技術を加え、社会のデジタル化を推進するDXは、TDKが価値を社会で最大限発揮できる分野であると考えています。
また、TDK自身がDXに取り組み、デジタル基盤を最大限に活用することは、最小のインプット(材料、エネルギーをはじめとする経営資源)で最大のアウトプット(お客様が必要とする製品、ボリュームをタイムリーに)を創出し続けることにつながります。
お客様の潜在ニーズをいち早く適格に把握できれば、それにタイムリーに応えるための十分な準備ができます。生産ラインや個々の設備稼働状況をリアルタイムでモニタリングし、いち早く状態の変化を検知できれば、事前に保全策を講じることができ、生産計画通りの生産が担保できます(=予知保全)。あるいは市場やお客様の需要の変化やサプライヤーからの納入に支障が生じた場合も、支障要因の速やかな特定と状況変化の可視化ができれば、迅速かつ最良の意思決定が可能になり、アクションへ素早く移行できます。
このようにデジタルの力を最大限活用した強固な業務基盤を確立することで、「早く・タイムリーに・自律的に」全てのバリューチェーンが連携して機能することが可能となり、TDKの持続的成長と企業価値の拡大につながります。
社会にとっての意義
「テクノロジーですべての人を幸福に」という長期ビジョンを掲げるTDKグループにとって、社会のデジタル化を促進するDXは重要な要素です。TDKは製品やソリューションの開発・製造・提供を通じて、レジリエントな通信ネットワークインフラを構築すること、社会のデジタル化を促進することに貢献できると考えています。社会のデジタル化を進めることは、新しい柔軟な働き方の実現や、労働力不足の解消につながります。
また、TDKグループのデジタル基盤をお客様やサプライヤーとつなぐことで、活動の可視化・最適化を図り、さまざまなロスの極小化や、人権を含む社会課題・地球環境に配慮した事業活動を実現することが可能になります。
概要(テーマ、主管部門、目標、KPI、進捗状況)
テーマ | 主管部門 | 3年間で目指す姿 | 主な活動項目 | KPI | 中期目標 (2021~2023年度) |
2021年度実績 | 2022年度実績 |
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強靭なコミュニケーションネットワークインフラ構築を支える製品・ソリューションの提供 | コーポレートマーケティング&インキュベーション本部 | ユビキタス社会を支えるネットワークインフラの技術ターゲットが明確化し、5G mmW、6G、HAPS、LEO Sat、海底ケーブルなどがTDKの開発ロードマップに位置づけられている | 次世代通信市場(Beyond 5G)やSociety5.0などの潜在的なアプリケーション、それらアプリケーションのUXの調査、及び新規ビジネス機会の発掘 | 関連市場の調査及び社内向け調査レポートの発行 | 1レポート/年 | AR/VRの技術動向、市場調査を実施。社内向けレポートを発行し、TDK内部関係者に共有。 | AR/VR/MRに関する技術動向と市場を調査し内部レポートを発行した。社内向けウェビナーやAR/VR体験会を実施し、TDK内部関係者にメタバースとUXの重要性を共有した。 また、6G通信技術の技術動向を調査し内部レポートを発行した。 |
強靭なコミュニケーションネットワークインフラを支える新規ビジネス、製品、ソリューションの発掘 | 2023年度までに実施 | AR/VR分野の製品開発支援を開始。2022年度も継続し、他の分野にも調査を拡大させる。 | 6G通信にてTDKが寄与できる技術を発掘し、フィージビリティー検証の為の開発を開始した。その他複数の案件が進行している。 | ||||
人の能力増強と補完を促進するための、ロボット化・モビリティ化を支える製品・ソリューションの提供 | コーポレートマーケティング&インキュベーション本部 | ロボット、モビリティ、ヒューマノイドロボットの応用に関連するTDK製品と社会からの要請のギャップが明確化され、ギャップを埋めるロードマップが作成されている | 自動運転を含む次世代ロボットに関する調査、及び新規ビジネス機会の発掘 | 関連市場の調査及び社内向け調査レポートの発行 | 1レポート/年 | HPC、ロボットに関する技術動向、市場調査を実施。社内向けレポートを発行し、TDK内部関係者に共有。 | 自動運転を含む、ロボティクス関連の技術動向と市場を調査し内部レポートを発行した。 |
ロボット、モビリティ市場での新規ビジネス、製品、ソリューションの発掘 | 2023年度までに実施 | 潜在的な新規ビジネス創出のプロジェクトを開始。2022年度も継続サポート。 | 自動運転や産業用ロボティクスに応用可能なデータ解析アルゴリズムを含めたセンサーソリューションビジネスの検討を開始した。 | ||||
TDKのデジタル化推進 | SCM&経営システム本部 | デジタルの力をフル活用することで、業務のスピードや品質が飛躍的に進歩し、オペレーショナル・エクセレンスが加速し2CXの実現を下支えしている |
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2CXの向上とESG/SDGsの実践加速のために、購買から納入までの一気通貫した事業運営プロセス、及びそれを支えるシームレスなサプライチェーン状況の可視化基盤の強化を図る。 | 2023年度中にパイロット製品事業において実現 | 第一ステップとして、グループ会社間の取引に関する業務改革を実行 | グローバルベースでのバリューチェーン活動の効率化を図るために、材料購買から販売までの状態を一気通貫で可視化実現 |
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グローバル共通のITプラットフォームの導入とそれを利活用する人材育成強化による業務のスピードアップ |
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グローバルコラボレーションプラットフォームおよびデータ分析基盤利用の拡大による事業への貢献を市民開発の推進によって実現 |
部門長メッセージ
コーポレートマーケティング&インキュベーション本部
Michael Pocsatko
【主管テーマ】
- 強靭なコミュニケーションネットワークインフラ構築を支える製品・ソリューションの提供
- 人の能力増強とを補完を促進するための、ロボット化・モビリティ化を支える製品・ソリューションの提供
コーポレートマーケティング&インキュベーション本部は、お客様のニーズを受信し、TDKの技術を発信する「アンテナ」の役割を担っています。データを情報とインテリジェンスに変換し、そのインテリジェンスをもとにTDKには存在しない新しい製品やソリューションを創造して、インキュベートすることをミッションとしており、社内外のイノベーターとのコミュニケーションやコラボレーションによって「Value Creation」を加速させることを目指しています。これにより、強固なアウトサイド・インの視点、より顧客志向のアプローチおよび言語が生まれます。また、組織を超えて社内外のあらゆる部門とコラボレーションしながら、TDKのテクノロジーを組み合わせ、新たな価値の創造を目指します。
TDKのEX、DXへの取り組みは社会からの要請に応える大切な活動であり、TDKが開発する技術は、本質的に人々の幸福に貢献できる素晴らしいものです。同時にこれらの注力分野はTDKの長期戦略の中核、かつ事業計画Value Creationを推進する重要な要素です。
今後も、より顧客志向でイノベーションを起こし、アウトサイド・インの考え方を組織に根付かせて、お客様の期待を超える体験を提供する2CX(Customer Experience, Consumer Experience)を実現してまいります。
Chief Digital Transformation Officer
経営システム本部
Roshan Thapliya
【主管テーマ】
- TDKのデジタル化推進
TDKグループは、デジタル化と情報技術(IT)の活用によりDX活動を推進し、業務効率の向上、情報セキュリティ/プライバシーの保護、データドリブンで導出したインサイト(洞察)による価値創造の充実を目指しています。新たに設置された経営システム本部は、DXとEXを通じて社会へのコミットメントを実現するために、ITとデジタル化における一貫したガバナンスを確保し、TDKグループ全体に対して具体的な支援を行うことを目的としています。
新たなデジタル技術の戦略的導入と既存のIT能力の統合を具体的な施策として、データファブリックとデータ分析に不可欠なサイバーセキュリティとデータプライバシーに重点を置いた、新たな機会の創出と関連リスクへの対応能力をさらに強化するための全社的なDXプロジェクトを開始しています。プロジェクトでは、成長、効率、将来の方向性に重点を置き、まずは「DX for Sales & Marketing」(新たな機会創出)、「DX for Operations」(卓越した製造)、「DX for Sustainability +」(DXを駆使したサステナビリティとエンゲージメント)にそれぞれ取り組んでいます。
各プロジェクトの実行チームは、ビジネスカンパニーと本社部門から構成されています。流動的かつグローバルレベルの参加を通じて組織変革をさらに充実させるとともに、人材の多様性や、販売・技術・製造のコアコンピタンスという当社の独自性を際立たせる魅力的かつ多様なチームワークを確保しています。私たちは、進化する社会的ニーズ、お客様の期待やデジタル技術、そして活発な全社展開に重点を置き、財務および非財務目標の達成に努めてまいります。