
サステナビリティ | 環境資源の有効利用
目標の背景
循環型社会への転換が求められる中、TDKでは限りある資源の有効利用の観点から、2006年度には独自基準でのゼロエミッション※を達成し、その後もその水準を維持しながら、排出物の発生そのものを抑制する取り組みを推進しています。また、リサイクル業者に定期訪問をして適正にリサイクルされていることを確認しています。
また、TDKでは、サーキュラーエコノミーに関わる最新動向を収集・分析し、活動を推進しています。
- ※TDKでは、事業所から排出される廃棄物について埋め立ておよび単純焼却による処理を一切行わずに、最終的には100%再資源化することをゼロエミッションと定義しています(法の規制により単独では再資源化できない物を除く)。
2021年度目標と実績、評価と今後の取り組み
2021年度目標 | 実績 |
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排出物原単位 前年度比1.5%改善 | 前年度比 14.9%改善 |
評価と今後の取り組み
2021年度の排出物総量は、生産量増加により前年度比9.4%増加の147,615 トンでした。また、原単位では、前年度比14.9%改善となり、目標を達成しました。
今後も引き続き、徹底した工程改善を進め、投入資源効率と歩留り改善率の両面から排出物の発生抑制に努めます。
2021年度の具体的な進捗報告
活動事例紹介
サーキュラーエコノミー活動の推進
PETフィルムの再利用(積層セラミックコンデンサ)
TDKは積層セラミックコンデンサ(以下、MLCC)の製造工程で使用されるPETフィルムを再利用するリサイクルシステムの構築に電子部品業界で初めて※1成功しました。
通常、MLCCの製造工程で誘電体ペーストを塗布する際に使用されるPETフィルムの表面には特殊処理が施されており、製造工程での使用後は主にサーマルリサイクルや焼却処分される事がほとんどです。
本システムでは、廃棄するPETフィルムの表面を洗浄し、その後PET樹脂(ペレット状)に戻し、本件協業先である東レ株式会社(東京都中央区、以下、東レ)にて製膜化を行います。そのフィルムをTDKが調達し特殊処理を施すことによりMLCCの製造工程での再利用が可能となりました。なお、本システムで使用するリサイクルPETフィルムは、従来のPETフィルムに対しCO2が約10%削減※2されています。
- ※1 2021年12月現在、TDK調べ
- ※2 PETフィルムの製造工程で発生するCO2のこと。東レ調べ
製品デザインからの取り組み(リサイクル材を使用したパワーインダクタ)
パワーインダクタCLT32シリーズはリサイクル鉄およびリサイクル銅を使用しており、製品の40%以上がリサイクル材から成っています。また、本シリーズには銀が含まれておらず、ニッケル含有量が少なくなっています。高出力の小型製品であり、消費電力が少なく、長い耐用年数が特徴です。本パワーインダクタは「SUPER ECO LOVE製品」※として認定されています。
※TDKでは、環境配慮型製品の中でも環境負荷低減効果が高く、業界においても他をリードする製品を「ECO LOVE製品」、さらに「ECO LOVE製品」の中でも効果が高く業界トップレベルの製品を「SUPER ECO LOVE製品」と認定しています。
リサイクルを通した廃棄物削減や環境負荷の低減(ドイツ、ベルリン)
廃棄物処理過程でのCO2削減
廃棄物の請負業者から、輸送までを考慮した一連の廃棄物処理に関わるCO2削減や、リサイクルによって節約された資源量を証明するサステナビリティ証書を取得しています。
リサイクルを通した資源節約
トナーカートリッジのリユースとリサイクルによって節約された資源と、削減されたCO2を証明する環境保全証書を取得しています。
生産効率向上による投入資源の削減
TDKでは投入資源削減へ生産性改善の一環としてコスト削減や歩留改善など様々な形で取り組んでおります。特にエネルギーに関しては、生産技術の見地よりエネルギー資源の効率利用を進める「Lower Energy(LE)」として活動中です。
2021年度は日本エリアを中心にLE活動を進めました。本荘工場東サイトでは、排風機のタイムコントロール化、包装マシン圧縮空気吹出の間欠化、慣らし運転の短縮化など工場総エネルギー 5%分の改善に繋がる活動を実施しました。エネルギー削減138件、投入材料削減24件など、活動総数は230件に上りました。
TDKでは、今後もLE活動を積極的に推進し、資源の効率利用を推進の促進に努めます。