ワイヤレス給電用コイルユニット:極薄型受電用コイルユニットの開発について
- 受電用コイルユニットはTDK独自のフレキシブルな薄型金属磁性シートを使用し、業界最薄クラスの厚さ0.57mmを達成。更に0.50mmの開発も開始
2012年7月9日
TDK株式会社(社長:上釜健宏)は、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器向けのTDKワイヤレス給電用コイルユニットを開発したことを発表します。今回開発した、スマートフォン側に搭載するための受電用コイルユニットは業界最薄クラスの厚さ0.57mmを達成しました。
受電用コイルユニットにはTDKが得意とする磁性材料技術とプロセス技術を生かし、独自のフレキシブルかつ薄型の金属磁性シートを使用しています。これにより、コイルユニットとしての「薄さ」と「軽さ」を実現できることに加え、従来の特長である耐衝撃性も確保し信頼性の面で大きなメリットがあります。また、コイルも薄型ながら抵抗値の上昇を極力抑えて、厚さが0.57mmでありながら送電効率もWPC規格Qi認証に必要な水準を達成でき、スマートフォンへの搭載時に必要となる薄さを特長とした製品となっています。現段階では出力電流は0.5A〜0.6A程度ですが、今後さらに、厚さ0.50mmでかつ出力電流も同等以上の製品についても開発を開始し、2013年からの量産を目指します。
近年、スマートフォンの多機能化に伴い、消費電力が拡大し、バッテリの充電頻度が高まっております。いつでも、どこでも充電できるインフラ環境を整えるため、WPCをはじめとした推進団体がワイヤレス給電の標準化を進めています。TDKでは、今後増加するこれらの需要に対応すべく、得意とする磁性材料技術とプロセス技術、そして各種コイルの製造で培った精密な巻線パターン技術、さらには磁気回路設計技術を駆使した製品を提供します。
また、TDKが得意とするEMC対策の提供や、受信感度への影響を最小限にとどめるなどのソリューション技術も提供も目指しています。
用語集
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- WPC:Wireless Power Consortium(ワイヤレスパワーコンソーシアム)の略
主な用途
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- スマートフォン、デジタルカメラ、Bluetoothヘッドセット等のワイヤレス給電用
主な特長と利点
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- TDK独自のフレキシブルな薄型金属磁性シートと薄くても抵抗値増大を抑えたコイルの採用により、受電用コイルユニットは業界最薄クラスの厚さ0.57mmを達成
生産・販売計画
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- サンプル価格:
受信コイル:500円/ユニット - 生産拠点:台湾TDK
- 生産開始:2012 年後半以降(予定)
- サンプル価格:
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な営業品目としては、各種受動部品をはじめ、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、電源、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス、FA関連機器等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2012年3月期の売上は約8,100億円で、従業員総数は全世界で約79,000人です。
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大須賀 | TDK株式会社 広報部 |
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