新電波暗室の建設、設置について
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TDKグループの研究開発中核拠点で、世界最高レベルの電磁波測定と対策が可能に
2008年8月27日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、2009年10月をめどに、当社テクニカルセンター(千葉県市川市)敷地内に、新たに世界最高レベルの電磁波測定、評価および解析が可能な大型、超高性能タイプの電波暗室棟を建設することを決定しました。本暗室は、10m暗室、3m暗室、アンテナ用暗室、シールドルーム等から構成され、既設の電波暗室(10m、3m)と併せTDKが扱う全ての製品の電磁波測定はもちろん、お客様の新製品開発にマッチした世界最高レベルの測定が可能となります。
近年、電子機器はエレクトロニクス技術の発展に伴い、より一層の高性能化、多機能化が進んでいます。また、自動車についても各種機能の電子制御化と電装化が進んでいます。このような技術革新により、電子回路の過密化や信号の高周波化、回路全体の低電圧化が進み微弱な電磁波にも影響を受けやすくなっています。電磁波対策は、外部に電磁波の影響を及ぼさない対策(EMI※1対策)と外部から電磁波の影響を受けないようにする対策(EMS※2対策)をあわせた対策(EMC※3対策)が基本であり、製品の設計、開発段階から講じていくことが主流となっています。誤動作を防止する等、安全性の面からも電磁波の許容規制は年々世界レベルで厳しくなっており、EMC対策の重要性が増しています。
TDKでは、このような多くのニーズに応えるため、テクニカルセンターに最新鋭、最先端の電波暗室を建設し、新製品開発における電磁波測定および評価、EMC対策技術やEMC対策部品の提案に加え、お客様製品の解析等「EMCソリューション事業」のより一層の強化を図ります。TDKの電波暗室は、中核のテクニカルセンターの他国内では秋田工場に、海外では、米国(テキサス州オースチン)、韓国(ソウル)、中国(蘇州、華南)、マレーシア(ネグリ・センビラン)にEMCセンターを設け、合計7拠点で世界中のお客様の要求に応える体制を整えています。
また、TDKは電波吸収体であるフェライトを豊富にラインナップしており、この強みを生かし、1969年から電波暗室の建設を手がけ、現在までに世界各国に約1,000基を納入し、No.1の実績を収めています。
用語解説
※1) | EMI:Electro Magnetic Interferenceの略。電磁気妨害のこと。 |
※2) | EMS:Electro Magnetic Susceptibilityの略。電磁気妨害感受のこと。 |
※3) | EMC:Electro Magnetic Compatibilityの略。電磁適合性のこと。 |
設備特長
- EMC電波暗室としての特性(※サイトアッテネーション特性:±1.5dB以内/30MHz〜1GHz)は世界最高レベルであり、高精度な測定、評価が可能
※ サイトアッテネーションとは、測定場において定められた方法で測定した送受信アンテナ間の電波減衰特性のこと。サイトアッテネーション測定値と理想的なサイトアッテネーション(理論値)を比較してその差が小さいほど高性能な電波暗室となる。 - 最先端の電波吸収特性を達成したTDKオリジナルのフェライト電波吸収タイルを使用
- 測定対象の機器配線の床下収納を可能とし、迅速かつ快適な作業環境を実現
- 自動車等の重量測定物用のターンテーブルを配備
設備概要
- 建設地 :TDKテクニカルセンター敷地内(千葉県市川市東大和田2-15-7)
- 建築面積 :1,802m2
- 延べ面積 : 2,736m2
- 工期 : 2008年10月〜2009年10月
- 設備構成 : 下記のとおり
暗室の名称 主な測定対象機器 10m暗室 情報家電、情報機器、自動車 3m暗室 車載用電装機器等 アンテナ測定用暗室 各種アンテナ機器 シールドルーム(計4部屋) 各種電子機器、近傍磁界測定
本件に関するお問い合わせ
広報部 Tel. (03) 6778-1055