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大容量1.8" µSATA Solid State Drive HS1シリーズ(16GB/32GB/64GB)を商品化

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バースト読み出し:100MB/s、バースト書き込み:50MB/s

大容量1.8” µSATA Solid State Drive HS1シリーズ(16GB/32GB/64GB)

大容量1.8” µSATA Solid State Drive HS1シリーズ(16GB/32GB/64GB)

2008年5月29日

TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、ノートPCやPCプラットフォームを使用する業務用システム機器向けSSDにターゲットをおいたSSDコントローラ(GBDriver HS1)の開発を完了し、本コントローラを搭載したSolid State Drive(SSD) HS1シリーズの商品化を完了して出荷開始しました。

現在、NAND型フラッシュメモリを応用したSSDは、業務用システム機器やノートPCなどに搭載されつつありますが、一方で、価格以外にもNANDフラッシュメモリの信頼性レベルや技術的限界により、真に信頼性を求められるアプリケーションへの応用にはPCメーカを始め、多くのユーザが躊躇してきたこともまた事実です。この様な背景をもとに、TDKでは、記録システムとして十分な安心と信頼性を提供することを主眼に、独自のNANDフラッシュメモリ制御システムを開発しました。その結果、高速、高信頼性Storage機能を提供できるコントローラの開発を完了し、このたび、同LSIを搭載したSSD HS1シリーズとして商品化し、出荷開始しました。

SSDは、データを記録するフラッシュメモリと、それを制御してPCに対してHDDと等価的なデバイスである様に見せるための制御コントローラ、及び、周辺回路、機構部品から構成されます。今回発表のSSDは、自社開発いたしましたSSDコントローラ(GBDriver HS1)を搭載した最初の製品となります。

以下に、今回商品化したSSDの仕様を説明いたします。

SSD HS1シリーズ 製品仕様

今回商品化したSSDの製品仕様は、以下の通りです。

  • フォームファクタは、SATAインタフェースのSSDとしては最小サイズの1.8" µSATA規格
  • Storage容量は、16GB、32GB、64GBの3種類をラインアップ
  • 新規開発したフラッシュ制御エンジンによる高速データ転送性能
    • Burst Read  max. 100MB/s
    • Burst Write  max. 50MB/s
  • Power Managementを装備し、SATA規格 Slumberモードでの消費電流は、約20mAと業界最小クラス
  • Security Systemを搭載しており、データは、SSDコントローラ内で転送レートを劣化させることなく暗号化され、フラッシュメモリに記録。また、認証システムによるアクセスプロテクト機構をサポート
  • NAND型フラッシュメモリとして、最新のSLC(2値)型NANDフラッシュメモリを採用
技術的特長について
  1. 10年の使用に耐える書き換え回数
    本SSDに搭載されているコントローラは、MLC型NANDフラッシュメモリの書き換え上限回数を想定して設計しております。つまり、LSIに内蔵されるNANDフラッシュメモリの制御システムは、書き換え回数:1万回のNAND型フラッシュメモリを使用しても、十分にPCメーカ様等の寿命要求に応えることが可能なアルゴリズムです。(MLCを使用した場合でも24時間・365日フル動作換算にて10年の書き換え寿命を実現します。)今回商品化されたSSD HS1シリーズは、この様な強固なフラッシュ制御アルゴリズムに加え、フラッシュメモリとしてSLCを採用することで、さらに書き換え要求に対する長寿命化を図っております。
  2. Read 100MB/s、Write 50MB/s のハイパフォーマンス
    本SSDは、ホストインタフェースとして、コントローラ内蔵のSATA Gen1 1.5Gbpsのインタフェースを採用し、さらにECC搭載の4チャネルのフラッシュバスを同時制御することにより、高速なスループットを実現しております。バーストパフォーマンスとして、読み出し:100MB/s、書き込み:50MB/sの能力を持っております。
  3. 128bit AES Security System搭載
    また、本SSDは、Security Systemを搭載し、フラッシュメモリ上に格納されるデータは、すべて暗号化されております。暗号方式として、128ビット AESを採用しております。また、Security Systemとして国際標準ベースの実装がされております。

    昨今、個人情報の流出など、情報漏えい、Securityに関する社会的関心が高まる中、PCのパフォーマンスに影響を与えることなく、高速に暗号化する機能を内蔵することは、以下の点で大きなメリットがあります。

     
    128bit AES Security System搭載
    • NAND型フラッシュメモリは、データ読みとりが容易なデバイスであるため、従来HDDで採用されてきたパスワードロックだけではSecurity機能として不十分な場合があります。
    • 暗号化鍵を変更するだけで、瞬時に内部のデータを読みとり不能にさせることが可能です。
  4. 7bit Error Correction Data Integrity
    本SSD搭載のコントローラには、512バイトに対して、7ビットまでのエラー検出、訂正回路を装備しております。読み出されたデータに対して、最大7ビットまでのランダムエラーを自動的に訂正することによって、信頼性の高いStorageシステムを提供します。さらに、フラッシュメモリからの読み出し時に誤りを検出した場合、自動的にデータを復旧し、他の健全なフラッシュメモリブロックに置き換える動作など、様々なData Integrityを高める機能が実装されております。
  5. 低消費電力 Eco Power Management
    本SSD搭載のコントローラは、多様なパワーマネージメント機能をサポートしております。特に、SATA規格のPHY/LINKレベルのパワーマネージメント機能を使用して、SSDをSlumberモードに移行させると、わずか60µS程度の復帰時オーバーヘッド時間に対して、SSDの消費電流を20mAまでに抑制することができます。また、オートパワーダウンタイマーなどお客様のシステムに最適な設定も可能です。
    HS1シリーズSSDは、1.8"サイズµSATAフォームファクタに準拠するSSDであり、業務用システム分野やノートPC、モバイル機器をはじめとするデジタル情報家電、あるいは、組み込み機器分野などへの拡販を図ってまいります。
製造・販売

SSDコントローラ GBDriver HS1は、TDKによって開発され、また本LSIを組み込んだSSD HS1シリーズは、TDKとPQI社の間で設立されたJoint Venture企業であるCoreSolid Storage社(多利吉科技股份有限公司 台北)によって設計されました。生産は、当面10K台/月程度を想定しております。

なお、サンプル価格は、64GB @20万円、32GB @15万円、16GB @9万円です。

※GBDriverは、TDK株式会社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ

広報部 Tel. (03) 6778-1055