業界初※、新内部構造でESR値*1を任意に設計できる
積層コンデンサの開発、量産
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ESR値を安定させ回路設計を容易にし、部品点数の削減に貢献
業界初、新内部構造でESR値を任意に設計できる積層コンデンサの開発、量産
2008年2月20日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、業界で初めて新しい内部構造によって任意にESR値を設計しその値を安定させ、回路のインピーダンス(交流抵抗)を制御することができる積層セラミックチップコンデンサ(1608形状、2012形状)を開発し、2月より量産を開始しました。
PCや携帯情報端末に代表される電子機器の小型化、高機能化に伴い、実装面積の省スペース化や小型化が強く求められています。これに伴い、ますます高密度化するボード上の電源回路は、種類の異なる複数のコンデンサを組み合わせることで、広い周波数帯においてインピーダンスの調整を図っています。しかし、コンデンサ自身がもつ微小な電気抵抗成分の影響で、周波数によっては複数のコンデンサが互いに干渉し合い、ノイズ抑制効果が落ちてしまう可能性があるため、通常はこれを抑制するための部品をさらに使用する必要があります。
TDKでは、これらに対応するため、得意とする素材技術と多層積層技術を活用し、従来品と比べ同じ静電容量でありながら新しい内部構造でESR値を任意に設計できるコンデンサを開発しました。特にCPU周辺に配置されるコンデンサのESR値を設定できることで、電源とCPU間における幅広い周波数領域でインピーダンスの変化幅を小さくすることに成功し、電圧変動を抑制する効果が得られました。電圧変動を抑制することで、電流信号の安定化や他回路への影響も解消します。また、従来必要とされていた部品点数の減少にも貢献できると考えています。
本製品は、今後、高い電源品質が要求される通信の基地局や、ハイエンドのPCなどへの用途が考えられ、部品点数の削減、省スペース化、製品小型化にも寄与します。実装方法も2端子製品と同様であり、既存製品からの置き換えが容易です。
※2008年2月現在、TDK調べ。
用語解説
*1) | ESR(Equivalent Series Resistance) 等価直列抵抗。回路に挿入したときの実質的な抵抗値。 |
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主な特長
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- 既存同タイプの製品と同サイズでありながら、1608形状では1200mOhm、2012形状では500mOhmをそれぞれ上限とし、ESR値の設計が可能。
- 抵抗成分付加により、本製品は従来品よりもインピーダンスの周波数による変化が小さくなり、従来必要とされていた部品点数の削減に貢献できる。
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主な用途
- IC電源のデカップリング*2用、DC/DCコンバータの入出力時の平滑用
*2)デカップリング:別の回路からのノイズの影響を避ける行為 -
主な特性
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形状 1.6 × 0.8 × 0.8 mm 2.0 × 1.25 × 0.85 mm 静電容量 1μF MAX. 10μF MAX. 温度特性 B特性 (X5R) B特製 (X5R) 定格電圧 4 〜 6.3 V 4 〜 6.3 V ESR設計可能範囲 10 〜1200 mOhm 10 〜 500 mOhm -
生産・販売計画
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- サンプル価格 : 1608形状 20円
2012形状 60円 - 生産拠点 : 秋田地区
- 生産能力 : 500万個/月
- 生産開始 : 2008年2月
- サンプル価格 : 1608形状 20円
本件に関するお問い合わせ
広報部 Tel. (03)6778-1055