予知保全ソリューション: 世界初のエッジAI搭載ワイヤレスメッシュネットワーク対応センサモジュールによる
「i3 CbM Solution」の販売開始
- 予知保全により製造現場における予想外のダウンタイム抑制及び生産性の向上に寄与
- センサモジュールとネットワークコントローラー、ソフトウェアがセットになった、データ収集から状態監視まで一気通貫処理可能なオールインワンパッケージ
- 電池駆動+エッジAI+ワイヤレス対応(センサモジュール100台接続可)で設置の自由度を拡張

2024年4月16日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、世界で初めて*エッジAIを搭載したワイヤレス小型センサモジュールi3 Micro Moduleを開発し、 2024年6月より予知保全を実現するソリューション「i3 CbM Solution」の販売を開始することを発表します。i3 Micro Moduleは、各種センサ(振動、温度)とエッジAI、ワイヤレスメッシュネットワーク機能を一つにしたセンサモジュールです。各モジュールと通信するネットワークコントローラーをパソコンに接続し、専用のソフトウェアを使用することで、データ収集からAI学習、そしてデータ監視までの一連のプロセスを速やかに構築できます。「i3 CbM Solution」は、i3 Micro Module とネットワークコントローラー、ソフトウェアで構成されます。
「i3 CbM Solution」の 構成
工場などの生産現場では、機械・設備を100%稼働させることが求められますが、予想外のダウンタイム発生や現場のエンジニア不足などにより、生産性が低下してしまう場合があります。そのため、機械・設備の状態を人手に頼らずに、センサによりリアルタイムで監視することが求められています。しかし、このリアルタイム監視を実現するためには大きな課題が主に2つあります。1つ目は取得したデータの集約から処理までのプロセスが複雑なため、分析結果の活用が容易ではない点です。2つ目は配線や物理的な制約によりユーザーが望む場所でセンシングできないケースが多いため、最適な状態監視が難しいという点です。
「i3 CbM Solution」は、データ取得から機械・設備の監視までの複雑なプロセスを容易にし、誰でも速やかにデータに基づく予知保全を現場に導入することができます。機械・設備に設置されたモジュールで振動データを取得し、状態変化をモジュール内で動作するエッジAIが判断します。そのため、人手に頼らずに故障の兆候をリアルタイムに検知できます。また、i3 Micro Moduleは小型でワイヤレス通信を備えており、電池駆動が可能なため、配線不要で最適な場所に設置することができます。さらに、ワイヤレスメッシュネットワークを自動で形成し、複数のi3 Micro Moduleを運用することができ、追加を行う場合も自動でネットワークを再形成します。
当社は今後もi3 Micro Moduleの更なる小型化とエッジAIの高度化を図ることによりで、次世代のスマートファクトリー実現に貢献していきます。
* 2024年3月現在、TDK調べ
用語集
- エッジAI:IoT機器やセンサなどの端末に搭載したAIを指し、端末を通して取得したデータを基に、端末内で処理を行う。
- ワイヤレスメッシュネットワーク:複数の中継機器が互いに対等な関係で網の目状の伝送経路を形成し、データをバケツリレー式に転送する通信ネットワーク。
主な用途
- 工場における機械・設備の予知保全
主な特長と利点
- エッジAI:リアルタイムで機械・設備の状態を判断。外部ネットワーク不要で情報漏洩リスクを低減。
- ワイヤレスメッシュネットワーク:設置するだけでi3 Micro Module同士がネットワークを自動形成。
- 小型センサモジュール:サイズが小さく防塵防水のIP54対応。最適な場所でセンシング可能。
- 電池駆動可能:配線の煩わしさがなく設置が容易。
製品名 | i3 Micro Module(MM0110113M) |
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通信方式 | USB / Bluetooth®*1 low energy / ワイヤレスメッシュ |
電源仕様 | USB給電 / コイン形リチウム電池 |
保存・使用温度範囲 | -10 ~ 60°C |
外形 | 55.8 × 40.5 × 20.0 mm |
保護等級 | IP54 |
重量 | 30 g(電池含まず) |
3軸加速度センサ | 検出範囲:±2, 4, 8, 16g データレート:1, 2, 4, 8kHz |
温度センサ | 検出範囲:-10 ~ 60℃ |
製品名 | Network Controller(NC0110013M) |
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通信方式 | USB / Bluetooth®*1 low energy / ワイヤレスメッシュ |
電源仕様 | USB給電 |
保存・使用温度範囲 | -10 ~ 60°C |
外形 | 38.1 × 22.4 × 11.0 mm(コネクタ、アンテナ部を除く) |
- *1. Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標であり、TDK株式会社はこれらのマークをライセンスに基づいて使用しています
生産・販売計画
- 生産拠点 :日本
- 生産開始 : 2024年6月
※当初は日本で生産・販売しますが、米国や欧州などの海外にも順次販売していく予定です。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。
ダウンロード
- 製品の詳細情報は
https://product.tdk.com/ja/products/sensor/i3sensing/cbm/index.htmlで参照できます。
報道関係者の問い合わせ先
担当者 | 所属 | 電話番号 | Email Address |
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伊藤 | TDK株式会社 広報グループ |
+81 3 6778-1055 | TDK.PR@tdk.com |
製品に関する問い合わせ先
担当者 | 所属 | 電話番号 | Email Address |
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笠井、鈴木 | TDK株式会社 次世代製品&ソリューションズグループ |
- | TJP.i3MicroModule@tdk.com |