TDKがスマートエッジプラットフォームの実現のためQeexoを買収
- 自動機械学習(以下、ML)プラットフォーム開発を手掛けるQeexo, Coを買収。低消費電力で常時接続するインテリジェントプラットフォーム向けtinyMLモデルの開発を加速
- MLにおける専門性をさらに強化し、MLアプリケーション開発を簡素化して、スマートエッジソリューションを提供するリーダー企業を目指す
- 今回の買収により、スマートエッジソリューションを用いたインダストリー4.0への移行を加速化
2023年1月4日
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、米国を拠点とするベンチャー企業であるQeexo, Co(CEO:Sang Won Lee, 以下 “Qeexo”)の買収に合意したことを本日発表します。Qeexoはカーネギーメロン大学からスピンアウトした企業であり、エッジデバイス向けエンドツーエンド機械学習の自動化を手掛けています。Qeexoは本買収により、対米外国投資委員会(CFIUS)の承認など、通常のクロージング条件に従って、TDKの完全子会社となる予定です。
Qeexoは、米国カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とし、エッジデバイス向けエンドツーエンド機械学習を初めて自動化した企業です。Qeexo のAutoMLは、ノーコード(ノンプログラミング)環境を可能とし、データの収集と、ニューラルネットワークと非ニューラルネットワークの両方を含む異なる18種類(拡張中)の機械学習アルゴリズムの同一データセットに対する学習を可能にし、それぞれのメトリクス(精度、メモリサイズ、レイテンシ)を生成することで、ユーザーが独自の要件に最適なモデルを選択できます。クラウドベースの使いやすいソリューションであり、ユーザーがセンサデータを収集、注釈付け、クレンジング、視覚化し、複数の異なるアルゴリズムを用いて『tinyML』モデルを自動的に構築できるようにする直感的UIプラットフォームシステムを提供します。 QeexoのAutoMLプラットフォームにより、お客様はセンサデータを活用して、産業機器、IoT、ウェアラブル、自動車、モバイルなどのアプリケーションで、制約の多い環境下でも非常に小さなメモリフットプリントで、超低レイテンシーかつ低消費電力に最適化した機械学習ソリューションを迅速に構築することが可能になります。QeexoのAutoMLは、直感的で合理化されたプロセスオートメーションにより、MLに関する専門の知識がないお客様であっても独自のアプリケーションのためのエッジAI機能の設計を大幅に加速させることを可能にします。
TDK米国本社のCEOであるジム・トランは次のように述べています、「Qeexoは、MLに関する専門知識を持たない人でもMLアプリケーションの開発と展開を自動化できる専門知識、MLアプリケーションの大量出荷、スマートエッジソリューションの展開を加速するためのセンサの理解など、ユニークな組み合わせをもたらします。」「Qeexoが有する専門性と、TDKのセンサ、二次電池、その他の製品に関する専門知識と組み合わせることで、幅広い用途や産業に対応するシステムレベルのソリューション構築が可能となります」
QeexoのCEO、Sang Won Leeは続けて次のように述べています。「当社のプラットフォームは数多くのMLアプリケーションの開発および展開を可能としてきた当社の歴史から生まれたものであり、MLの専門知識がなくても現実の世界の問題を迅速かつ効率的に解決できます。当社のAutoMLツールは、TDKが構築する優れたセンサシステムにぴったりのパートナーになると考えています」
- Qeexoのプロフィール
1. | 会社名:Qeexo, Co. |
2. | 場所:本社(カリフォルニア州マウンテンビュー)、オフィス(ペンシルバニア州ピッツバーグ) |
3. | 設立:2012年9月 |
4. | 役員:CEO– Sang Won Lee、CTO– Chris Harrison |
5. | 主な事業内容:エッジのtinyMLモデル開発を加速化する自動機械学習(ML)プラットフォームの開発 |
6. | 基本的な機械学習の概念について:Qeexo AutoML Best Practice Guide – Qeexo, Co. |
2023年1月5日から8日までラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)におけるCES 2023にて、TDKは30を超える数のテクノロジー、ソリューション、プラットフォームを紹介する予定です。場所はセントラルホールNo.16181です。Qeexoは、機械学習プラットフォームをTDKのブースで披露し、また、ノースホールのQeexoブース(No. 11222)においてもテクノロジーソリューション一式を紹介します。
用語集
- AutoML: 機械学習の自動化とは、実世界の問題に機械学習を適用するタスクを自動化すること。
- tinyML: 小型デバイスに適用される機械学習はtinyMLと呼ばれ、広義には、極めて低い消費電力でオンデバイスのセンサデータ解析を行うことができる機械学習技術として急成長している分野である。
- ML: 機械学習とはデータを活用してタスクのパフォーマンスを向上させる手法の理解と構築を行う研究分野。
- スマートエッジソリューション:スマートエッジソリューションは、データ生成場所で行うデータ解析とソリューション開発のこと。
- スマートエッジデバイス:インテリジェントエッジデバイスは、デバイス内部である程度のデータ処理を行う高性能IoTデバイスのこと。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2022年3月期の売上は約1兆9,000億円で、従業員総数は全世界で約117,000人です。
Qeexoについて
Qeexoは、内蔵エッジデバイス向けにエンドツーエンド機械学習を初めて自動化した企業です(Cortex M0-M4 クラス)。ワンクリック全自動Qeexo AutoMLプラットフォームにより、顧客企業は産業、IoT、ウェアラブル、自動車、モバイルなどでの用途で、非常に制約がある環境向けの機械学習ソリューションを素早く構築することができます。 世界中の3億を超えるデバイスは、Qeexo AutoML上に構築したAIを搭載しています。Qeexo AutoMLで構築したソリューションは、高性能を約束し、超低レイテンシ、超低電力消費、そして信じられないほど小さなメモリフットプリントを実現するよう最適化されています。 https://qeexo.com
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大須賀 | TDK株式会社 広報グループ |
+81 3 6778-1055 | TDK.PR@tdk.com |