TDK初のサステナビリティ・リンク・ボンド発行について
2021年 10月20日
TDK株式会社(社長:石黒 成直、以下「当社」)は、2021年11月以降に発行総額1,000億円を上限とする社債発行を計画しております。そのうちの一部はサステナビリティ・リンク・ボンド(TDK サステナビリティ・リンク・ボンド:発行年限7年、発行額未定)の発行(以下、本発行)とする予定であり、本日、本発行に向けた社債の訂正発行登録書を関東財務局長に提出致しましたのでお知らせします。
1. 本発行の目的および背景
当社グループは、「地球環境との共生」を社会の持続可能な発展のために重要な経営課題の一つとして位置づけてその対応に取り組み、「TDK環境活動2020」で掲げた目標を2014年に前倒しで達成しました。次なる環境ビジョンとして「TDK環境ビジョン2035」を策定し、その中で「ライフサイクル的視点での環境負荷の削減をテーマに、2014年度を基準として2035年度までにCO2排出量原単位を半減」という新たな目標を掲げています。事業活動における環境負荷の最小化と自然環境の育成、お客様と社会に貢献する製品の提供が企業の責務であるとの認識を持って、この目標の達成に向けて一層貢献していきます。
このような目的意識から今般、「TDK環境ビジョン2035」の実現に向けての取り組みが反映されるSustainability Performance Targets(以下、SPTs)を設定した「TDKサステナビリティ・リンク・ボンド」を発行することと致しました。
2020年度は新中期経営計画作成のタイミングにあわせて、「中期経営計画の達成」と「社会のサステナビリティと企業の持続的な成長の両立」のために組織の経営資源を最優先で投資し対処するべき重要課題と定義づけてマテリアリティを特定しました。新中期経営計画(Value Creation 2023)ではこれまでの考え方を引き継ぎ、企業価値を作り上げる「Commercial Value(成長戦略の実現)」、「Asset Value(資産効率の向上)」、そして「Social Value(企業の社会的価値の向上)」の3つの「Value」を創造しながら社会に貢献し、その結果として事業を成長させることを目指しています。中でも「Social Value」、つまりサステナブルな社会と企業を目指していくことが、その他のValue創造に向けたサイクルの起点となると考えています。
2. SPTsの選定について
当社グループは「TDK環境ビジョン2035」の中で「ライフサイクル的視点での環境負荷の削減をテーマに、2014年度を基準として2035年度までにCO2排出量原単位を半減」という目標を掲げており、その目標の達成手段となる3つの指標をKey Performance Indicators(以下、KPIs)として選定しました。相互に関連する複数の尺度を取り入れることで、当社グループの取り組みをより多角的な視点から測定することができると考えています。
<SPTs>
① 2025年度におけるCO2排出量の売上高原単位(単位:t-CO2/億円)を2014年度対比で30%改善。CO2排出量の売上高原単位は、スコープ1(直接排出量)とスコープ2(エネルギー起源間接排出量)の合計値を連結損益計算書上の売上高で除した値です。
KPI-1 | 2014年度 | 2018年度 | 2019年度* | 2020年度* | SPT-1 2025年度 |
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CO2排出量原単位 2014年度を 基準に指数化 |
100 | 91.9 | 86.9 | 90.9 | 70.0 |
*2019年度以降は第三者検証を受けた数値
② 2025年におけるCDP気候変動の最終スコアにてA/A-を維持。CDP気候変動は企業や都市による気候変動対応の取り組みレベルを評価するものです。CDPが質問書の回答内容に対して定量・定性的な基準 をもとにスコアリングを行い9段階(A/A-/B/B-/C/C-/D/D-/F)の最終スコアで評価を提供しています。
KPI-2 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | SPT-2 2025年 |
---|---|---|---|---|
CDP気候変動の 最終スコア |
D | A- | A- | AまたはA- |
③ 2025年度における再生可能エネルギー電力導入率50%を達成。属性証明のある再生可能エネルギーの購入電力と自家生成電力の合計を総電力使用量で除して百分率に換算した値です。
KPI-3 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | SPT-3 2025年度 |
---|---|---|---|---|
再生可能エネルギー 電力導入率(%) |
20.3 | 18.2 | 23.9 | 50.0 |
①と③については2025年度、②については2025年のパフォーマンスをもって各達成状況を判定します。当社が3つのSPTsのうちいずれか2つ以上を達成できなかった場合、環境保全活動を目的とする公益社団法人・公益財団法人・国際機関・自治体認定NPO法人・地方自治体やそれに準じた組織に対して、本社債の償還までに累計で社債発行額の0.3%相当額の寄付を行い、当社自らのESGへの取り組みに加えて、寄付による活動支援を通じて追加的にポジティブなインパクトを創出します。
本発行の概要
発行年限 | 7年(予定) |
発行額 | 未定 |
発行時期 | 最速2021年11月(予定) |
主幹事 | SMBC日興証券株式会社、野村證券株式会社、大和証券株式会社、みずほ証券株式会社 |
サステナビリティ・リンク・ボンド ストラクチャリング・エージェント |
SMBC日興証券株式会社 |
本発行のため策定したサステナビリティ・リンク・ボンドフレームワークについては、株式会社格付投資情報センター(以下、R&I)より、第三者評価として国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリティ・リンク・ボンド原則(Sustainability-Linked Bond Principles)2020」に適合している旨のセカンドオピニオンを取得しています。また、当社が公表する本社債のSPTsの進捗状況と達成状況について、R&Iが当社の開示内容を検証し、検証レポートを公表予定です。
サステナビリティ・リンク・ボンド ストラクチャリング・エージェントは、サステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークの策定およびセカンドパーティオピニオンの取得に関する助言などを通じて、サステナビリティ・リンク・ボンドの発行支援を行う者です。
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2021年3月期の売上は約1兆4790億円で、従業員総数は全世界で約129,000人です。
報道関係者の問い合わせ先
担当者 | 所属 | 電話番号 | Email Address |
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大須賀 | TDK株式会社 広報グループ |
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