電源製品: 世界最小のPoint-Of-Load DC-DCコンバータµPOL™を開発
- 業界最小サイズ(*1)、高性能、使い勝手の良さ、簡略設計でパワーマネジメント・ソリューションの新時代の到来を告げる新シリーズ「µPOL™」 を開発
- マルチタイム・プログラマブル・メモリで各種設定を幅広く高度に設定可能
- ビッグデータや機械学習、人工知能、5G端末、IoTデバイス、エンタープライズコンピューティングなどのアプリケーションに最適
- 「APEC2019(*2)」にて初出展
2019年3月18日
TDK 株式会社(社長:石黒 成直)は、DC-DCコンバータの新シリーズ「µPOL™」を発表します。TDKのグループ企業であるFaraday Semi LLC(CEO:Parviz Parto)が開発しました。
このµPOL™は、ビッグデータや機械学習、人工知能、5G端末、IoTデバイス、そしてエンタープライズコンピューティングなどのアプリケーションに適した業界最小クラスで最大電力密度を実現した超小型DC-DCコンバータです。
本製品は、集積回路(IC)とインダクタを個別に並べて使用するのではなく、ICとインダクタをコンパクトな配置でモジュール化させたことにより、低背電源を必要とし、実装スペースに制約のあるようなアプリケーションに対し高密度なソリューションを提供することができます。製品寸法は縦3.3 x幅 3.3 x 高さ1.5 (mm)と業界最小サイズでありながら、外付け部品を最小限にでき、高性能を維持しながら、実装しやすい設計になっています。また、同クラスの他製品よりも実装面積を50%以下に抑えながら、1W/mm3の高電力密度ソリューションを提供できます。結果として、基板サイズを縮小し、また部品およびプリント基板コストだけでなく、組み立てコストも減らすことで、システムコストが最小に抑えられます。本製品の使用温度範囲(ジャンクション温度)は、-40°C~+125°Cとなります。量産開始は2019年の第3四半期(7-9月)の予定です。
これらの新しいソリューションは、高機能な半導体にSESUB(*3)のような先進的なパッケージング技術と最新の電子部品を組み合わせ、3D実装技術により、小型・低背化のユニークなシステム・インテグレーションを実現しています。これらの技術の組み合わせにより、既存製品に比べ低いトータルシステムコストでありながら、より高い効率性と使い勝手の良さをお客様にご提供することが可能です。尚、TDKでは今回のイノベーションに関連した特許(米国特許番号9,729,059および10,193,442)を取得しました。
μPOL™ 技術では、ASICやFPGAなどの複雑なチップセットの近傍にDC-DCコンバータが配置することができます。コンバータとチップセットの間の距離を最短にすることにより、抵抗や配線インダクタンスが最小になるため、ダイナミック負荷電流での変動に対して迅速な応答が可能になります。
また、本製品は鉛フリーで、欧州連合のRoHS指令(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限)に適合しています。
今回TDKでは、µPOL™ 技術を米国カリフォルニア州アナハイムで開催される展示会「APEC 2019」にて、3月18日から20日に初出展します。(TDKブース:No.811)
- (*1) 2019年3月、TDK調べ。
- (*2) 米国カリフォルニア州アナハイムで開催されるパワーエレクトロニクスの展示会。
- (*3) TDKが独自に開発したIC内蔵基板(Semiconductor Embedded in SUBstrate)の名称。薄加工したICを基板内に埋め込み、基板上に様々な電子部品を実装することができます。
用語集
- μPOL™およびnPOL™は、ASIC、FPGAなどのLSIの近傍に配置されるDC-DC コンバータのこと。近傍に配置されることからPoint Of Loadと呼ばれ、その略称をPOLという。
- *μPOL™、nPOL™およびThe Future of Integrated Technology™は、Faraday Semiの登録商標です。
主な用途
- ネットワーク・ストレージ: エンタープライズSSD / ストレージ・エリア・ネットワーク
- サーバー: メイン・ストリーム・サーバー、 ラックマウント型およびブレード型サーバー、マイクロ・サーバー
- ネットコミュニケーションおよびテレコミュニケーション: イーサーネット・スイッチおよびイーサーネット・ルーター、5G端末とその基地局
主な特長と利点
- 実装寸法は、3.3 x 3.3 x 1.5 mm
- 出力は1 W /mm3で、外付け平滑コンデンサは、従来技術と比べて約50%削減可能
- 使用温度範囲(ジャンクション温度)は、-40°C~+125°C
主要データ
製品名 | 外形寸法 [縦×横×高さ(mm)] | 定格電流[A] |
---|---|---|
FS1406 | 3.3 x 3.3 x 1.5 | 6 |
FS1404 | 3.3 x 3.3 x 1.5 | 4 |
FS1403 | 3.3 x 3.3 x 1.5 | 3 |
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。2018年3月期の売上は約1兆2000億円で、従業員総数は全世界で約103,000人です。
Faraday Semi LLCについて
2018年5月にTDKグループに加わった、米国の電源モジュールのベンチャー企業Faraday Semi LLCは、成長する産業機器、データセンター、車載機器市場向け消費電力管理製品の、設計と製造のリーディングカンパニーです。同社の目的は、最高集積度の消費電力管理製品を開発、製造し、最小の総合システムコストのソリューションでお客様に販売することです。同社は、高品質の製品、企業経営の誠実さ、顧客ニーズの理解に全力で取り組んでいます。
パワー管理IC、そのセルライブラリー、独自開発のパッケージング技術、システムに関する広範な技術的専門性で、FSはこの成長する市場で21世紀のパワーソリューションを提供することで、業界のリーダーを目指しています。
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- 製品に関する問い合わせ先 : info@faradaysemi.com
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大須賀 | TDK株式会社 広報グループ |
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