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インダクタ:低損失大電流対応積層インダクタの開発と量産化

  • 低損失大電流積層インダクタの開発
インダクタ:低損失大電流対応積層インダクタの開発と量産化

2015年5月19日

TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、NFC用コイルとして最適な低損失大電流対応積層インダクタMLJ1608シリーズを開発し、4月より量産開始しました。

近年、スマートフォンをはじめ、タブレットPCやデジタルカメラの高性能化に伴い、NFC回路を搭載した電子機器が増えてきています。NFC回路には、コントロールICとアンテナとの間にLCフィルタ回路が組まれ、ここに使用されるコイルには、狭公差インダクタンスと通信周波数である13.56MHzでのHigh-Q特性が要求されます。さらに、通信時には100~300mA程度の交流信号が流れるため、電流通電状態でも特性が安定していることも必要条件です。

MLJ1608シリーズは、新開発の低損失フェライト材料を使用しており、交流信号通電時も同形状の巻線コイルを上回る低損失特性を実現しています。また、フェライト材の重畳特性も改善されており、NFC回路に流れる最大300mA程度の電流では、巻線コイルと同等特性を確保できています。もちろんインダクタンスの狭公差、High-Q、磁気シールドという特性も確保しており、NFC用コイルに要求される特性をすべて満たした製品となっています。

インダクタンスは160nH~560nHまでをラインアップしており、低消費電力用のNFC-ICや小型要求に対してはMLJ1005シリーズも開発中です。


用語集
 
  • Near Field Communication:近距離無線通信
 
主な用途
 
  • スマートフォン、タブレットPC、NFCモジュール、その他一般電子機器
 
主な特長と利点
 
  • 新開発のフェライト材により、巻線コイルを上回る低損失特性を実現
  • 重畳特性は従来MLFシリーズの2倍以上で巻線コイルと同等の性能
  • 狭公差対応で、13.56MHzでのQが高くNFC用コイルに最適
 
主な電気特性
 
製品名 インダクタンス[nH]
@25MHz
直流抵抗[Ω] 定格電流1 [mA] 定格電流2 [mA]
MLJ1608 160 ~ 560 0.12 ~ 0.40 550 ~ 750 400 ~ 700

定格電流1: インダクタンス変化率に基づく場合(公称値から10%低下)
定格電流2: 温度上昇に基づく場合(温度上昇25℃)

生産・販売計画
 
  • サンプル価格: 30円/個
  • 生産拠点 : 日本
  • 生産予定 : 1000万個/月(当初)
  • 生産開始 : 2015年4月
TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2015年3月期の売上は約1兆800億円で、従業員総数は全世界で約88,000人です。

  • ※ 主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。

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手島 TDK株式会社
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