積層セラミックコンデンサ:たわみクラック対策に特化した新シリーズを追加
- 基板曲げ5mm保証、標準仕様に比べ2.5倍の強度
2014年4月24日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、基板実装後における割板等のストレスにより発生する「たわみクラック」対策に特化した積層セラミックコンデンサの樹脂電極製品シリーズを新たに追加し、2014年7月より量産を開始することを発表します。
当社は、これまで高接合信頼性製品を得意としており、主に車載ユニットのような過酷な環境下において、より安全に積層セラミックコンデンサをお使いいただけるように、金属端子を有しているメガキャップ製品や外部電極に樹脂を内蔵している樹脂電極製品を開発し、量産してきました。
これらの製品は、車載ユニットにおけるヒートサイクルによる「はんだクラック」対策、振動や衝撃による「部品損傷」対策、基板変形による「たわみクラック」対策、という3つの特長を持っており、お客様から高い評価を得ています。
当社では、これらの車載向け製品で培った技術やノウハウをいかし、「たわみクラック」の発生原因である基板からの応力を効率的に緩和する外部電極構造を取り入れ、応力緩和に有効な物性の樹脂電極を選定し、外部電極形成技術を駆使して樹脂電極製品新シリーズの開発に成功しました。
本シリーズは、通常の端子電極構造製品の仕様に比べ2.5倍の基板曲げ保証が可能な製品であり、実質、通常の基板取扱い作業では「たわみクラック」を発生しない製品です。
用語集
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- たわみクラック:積層セラミックコンデンサを基板にはんだ接合した後、割板・ソケットへの差し込み・ねじ止め・挿入部品を差し込む等の作業によって基板が変形し、それに伴い発生する引っ張り応力によって積層セラミックコンデンサの素体にクラックが生じる不具合現象。
主な用途
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- スマートフォン、PC、電源、テレビ、ゲーム、カーマルチメディア、基地局などに使用される積層セラミックコンデンサをハンダ接合した後の基板を取り扱う作業が必要になるユニットの「たわみクラック」対策もしくは予防。
主な特長と利点
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- 既に発生している「たわみクラック」の対策
- 「たわみクラック」の懸念があるときの予防
- 基板曲げ5mm保証 (標準仕様に比べ2.5倍)
主な特性
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形名 外形寸法(L×W) [mm] 定格電圧 [V] 1005(EIA 0402) 1.0x0.5 4~100 1608(EIA 0603) 1.6x0.8 4~100 2012(EIA 0805) 2.0x1.25 6.3~450 3216(EIA 1206) 3.2x1.6 6.3~2,000 3225(EIA 1210) 3.2x2.5 6.3~2,000 4532(EIA 1812) 4.5x3.2 6.3~2,000 5750(EIA 2220) 5.7x5.0 6.3~2,000 7563(EIA 3025) 7.5x6.3 16~50 *静電容量範囲につきましては、一般グレード製品と同等の幅広い範囲に対応いたします。
生産・販売計画
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- サンプル価格 : 品名により異なるので都度お問い合わせください。
- 生産拠点:秋田地区
- 生産予定:3億個/月
- 生産開始予定:2014年7月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品※(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2013年3月期の売上は約8,500億円で、従業員総数は全世界で約80,000人です。
※ 主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。
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