EMC対策部品:1005サイズで定格電圧25V、ESR1000mΩ、0.1μFの量産化
- 電力効率を落すことなく,スイッチング電源のリンギング対策を実現
2012年12月13日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、スイッチング電源におけるリンギング対策用途向けに、1005サイズで定格電圧25V、ESR1,000mΩ、静電容量0.1uFのノイズアブソーバYNA15の開発を完了し、2012年11月より量産を開始したことを発表します。
近年、スマートフォン等の小型携帯機器は多機能化が進み、電力消費が増大し、バッテリを長持ちさせる対策が必要とされています。その為、スイッチング電源のノイズ対策は、必要最小限の部品点数と高い効率特性が求められています。
TDKでは、スイッチング電源のリンギングノイズに着目し、電源の電力効率を落すことなく、リンギング対策が可能なノイズアブソーバを開発しました。本製品は、TDK独自の内部構造により、ESRを任意の値に設計できる製品です。これにより、リンギング周波数帯域のノイズレベルを抑制することが可能となります。
DC-DCコンバータなどのスイッチング電源におけるリンギング対策は、スイッチング素子であるFET(電界効果型トランジスタ)にスナバ回路を設けるのが一般的に知られていますが、この対策では,リンギングに大きな効果がある反面、電源の電力効率を2~4%低下するケースがあります。今回開発したノイズアブソーバを、スイッチング電源回路の入力側に設けることで、電源の電力効率を落すことなく、当社評価でリンギングによるEMIノイズを3.5dB(約33%)を抑制することが可能になりました。
本製品は、従来、コンデンサと抵抗のスナバ回路、およびデカップリングコンデンサの3素子で構成していた機能を、この新製品1素子で実現でき、かつ電源効率も大幅に改善できる画期的な製品です。
主な用途
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- スイッチング電源のリンギング対策用途など
主な特長と利点
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- 独自の内部構造で、任意のESR値に設計可能(最大1,000mΩ)
- 定格電圧25V保証品
主な特性
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形状 外形寸法
[mm]定格電圧
(V)静電容量
[μF]ESR
[mΩ]YNA15 1.0x0.5x0.3 25 0.1 50~1,000
生産・販売計画
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- サンプル価格 : 5円/個
- 生産拠点:秋田地区
- 生産予定:1000万個/月(当初)
- 生産開始:2012年11月
TDK株式会社について
TDK 株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935 年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2012 年3 月期の売上は約8,100 億円で、従業員総数は全世界で約79,000 人です。
TDK-EPC株式会社について
TDK-EPC 株式会社(本社:東京)はTDK のグループ会社であり、TDK の電子部品部門と、ドイツのEPCOS 社との統合で、2009 年10 月に設立された電子部品の開発・製造を担う製造会社です。主な製品としては、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等があります。
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小西 | TDK株式会社 広報部 |
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