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TDKは、「創造によって文化、産業に貢献する」という社是のもと、「TDKオーケストラコンサート」と称して、2001年より世界の著名オーケストラの日本公演に協賛しています。本年は、首席指揮者・芸術監督キリル・ペトレンコの就任後初、4年ぶりの来日を果たした「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」の公演に協賛しました。
また、協賛に際し、オーケストラの協力の下、音楽に取り組む次世代の学生を対象とした社会貢献プログラムを開催しました。なお、プログラムは当初、ベルリン・フィルの公演前に行われる「公開リハーサル」を予定していましたが、オーケストラの都合により、ベルリン・フィルメンバーによる特別演奏会の開催となりました。
このプログラムはTDKのコミュニケーションメッセージである「Attracting Tomorrow」と重ね合わせ、新しい未来を切り開こうとする若い方々に一流の音楽や演奏家に触れていただく機会を提供するTDK独自の社会貢献活動です。
ベルリン・フィル スペシャルセッションの開催
11月23日(木・祝)、サントリーホール ブルーローズにて開催された本イベントへ抽選で230名の中学生以上で音楽を学んでいる学生の皆さんを、さらにその中から30名を同日行われたベルリン・フィルの本公演へ招待しました。
スペシャルセッションの前には、作曲家として第一線で活躍を続ける千住 明さんによるプレレクチャーが行われました。クラシック音楽ファシリテーターとして活動する飯田 有抄さんがナビゲーターをつとめ、「ここがスゴイ!ベルリン・フィル大解剖!」と題し、世界最高峰のオーケストラの輝きをひもときました。レクチャーの中では、参加した学生たちがスマートフォンをコミュニケーションのデバイスとして使用。複数のブルックナー 交響曲 第7番のフレーズを試聴しベルリン・フィルの演奏をあてるなどのクイズへの挑戦や、デバイスを使ったQ&Aの実施など、受講者も積極的に参加できるインタラクティブな展開となり、盛り上がりました。
レクチャーの後半では千住さんが、今回のベルリン・フィルの来日公演プログラムを解説。マエストロ・ペトレンコの並々ならぬ意欲が感じられる演奏曲目とプログラム構成について、千住さん独自の視点で解説しました。今回の参加者には特別にベルリン・フィルの映像配信「デジタルコンサートホール」の限定アクセス権がベルリン・フィルよりプレゼントされています。本公演を鑑賞することができない学生も、来日公演と同じプログラムをインターネットを通じて試聴することでき、好評でした。
プレレクチャーの後は、ベルリン・フィルを代表する5名の演奏家、ヴェンツェル・フックス(Cl)、樫本大進(Vn)、町田琴和(Vn)、パク・キョンミン(Va)、ルートヴィヒ・クヴァント(Vc)がステージに登場。モーツァルト室内楽の名曲中の名曲「クラリネット 五重奏曲 イ長調 K.581」を披露しました。
演奏のあとは、「音楽と夢」をテーマとしたトークセッションが行われ、5人それぞれの演奏家が、音楽をはじめたきっかけや、若い頃に大切にしていたことなどを語りました。樫本 大進さんは、「楽器を練習することだけではなく、たくさんの友達と出会う、食べ物や景色や、様々な文化に触れるという人生経験がとても大事」というメッセージを学生たちへおくりました。セッションの最後には学生からの質問も受け付け、感激した面持ちでたくさんの手があがりました。
トータルで2時間の盛り沢山のプログラムは、あっという間に過ぎ、学生たちにとって、ベルリン・フィルの真髄に触れ、憧れのアーティストたちとの直接の対話が叶った貴重なひとときとなりました。
来場者アンケートより
・本当に素晴らしい演奏、そして「夢」をいただけるようなトークを聴くことができて幸せだった。本物の芸術を見る目を養うことが大切と学んだ。
・音楽をする上で大事なことをいろいろ学べた。今日演奏していたベルリン・フィルの方はずっと音楽をやっていたわけではなく、他にも色々な経験をしていたという事に驚いた。
・今後の自分の演奏への向き合い方に役立った。
・今後のモチベーションにつながった。
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本公演の概要
「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」来日公演 指揮:キリル・ぺトレンコ
世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、4年ぶりの来日公演となった今回は、11月14日(火)から同月26日(日)まで全国6都市(高松、名古屋、姫路、大阪、東京、川崎)で全10公演を開催。
ベルリン・フィルは1957年の初来日公演以来、これまでに23回の日本公演を実施し、ヘルベルト・フォン・カラヤンをはじめ、小澤征爾、クラウディオ・アバド、マリス・ヤンソンス、サイモン・ラトル、そして前回来日時のズービン・メータ指揮により、その時代の最高峰の響きを日本で奏でてきました。
今回は、2019年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者・芸術監督に就任し、既に揺るぎない信頼関係を築くキリル・ペトレンコとの待望の初来日公演となり、日本での外来オーケストラ公演史に刻まれる今年度最注目の公演となりました。
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アーティストの紹介
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ベルリン・フィルハーモニー
管弦楽団BERLINER PHILHARMONIKER1882年に自主運営楽団として創立。ハンス・フォン・ビューロー、アルトゥール・ニキシュ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤン、クラウディオ・アバド、サイモン・ラトルらが首席指揮者を歴任し、2019年キリル・ペトレンコが同職に就任。2009年に開始した「デジタル・コンサート・ホール」ではライブや収録演奏を世界中に配信しているほか、2014年には自主レーベル「ベルリン・フィル・レコーディングス」も創設。 1967年にカラヤンが創設したイースター音楽祭は2013年にバーデン=バーデンに居を移し、 オペラ公演を行っている。 また、UNHCRをサポートし、音楽大使として難民支援にも取り組んでいる。
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キリル・ペトレンコ(指揮)KIRILL PETRENKO. CONDUCTOR
2019年シーズンよりベルリン・フィル首席指揮者・芸術監督を務める。シベリアのオムスク出身。 地元で音楽を学び始め、のちにウィーンで研鑽を積む。オペラ指揮者としてのキャリアはマイニンゲン歌劇場とベルリン・コーミッシェ・オーパーの時代に始まり、 2013-20年 バイエルン州立歌劇場音楽総監督を務めた。 ウィーン、ロイヤル・オペラ、パリ、メトロポリタン、 バイロイトなどの名歌劇場や、ウィーン・フィル、コンセルトヘボウ管、 シカゴ響、 イスラエル・フィルなど世界を率いるオー ケストラに度々客演。 ベルリン・フィルとは2006年のデビュー以来、同フィルの中核をなす古典派やロマン派、スーク、コルンゴルドなどの知られざる作品、 ロシア音楽など様々なプログラムに力を入れている。
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