TDKについて | 知的財産TDKのグローバル戦略を支える知的財産の役割

John Yang弁護士
米州地域本社の知財機能の立ち上げを担う。ビジネス志向の戦略的視点をもって、米州地域における諸事業の知的財産保護を図っている。

TDKが成長する原動力は、世界各地に広がる多様なグループ会社にあります。それぞれの会社は現地の顧客ニーズを深く理解し、彼らが創り出す様々な知的財産が、TDKの将来の事業を支える重要な役割を果たしています。この記事では米州地域の知財戦略を統括するTDK U.S.A. Corporation(以下TUC)のJohn Yang弁護士に、TUCの役割と知財戦略の展望について話を聞きました。

TDKグループにおけるソフトウェア・システム開発の最前線

TUCは、米国に複数の拠点を構えており、私はカリフォルニア州サンノゼにあるオフィスで勤務しています。サンノゼは、世界最先端のテクノロジー企業が集まる街です。この街で、TDKの顧客である企業の声を聞きながら働くことは、ソフトウェア開発者にとって理想的な環境だと言えます。

TDKは長らくこの地域でパートナーシップの構築やM&Aを進めてきました。2024年春には、ソフトウェアやシステム開発に特化した米州R&Dセンターも新設しました。ここでは顧客の期待する技術や課題をいち早くキャッチして、時代のニーズに対応したソリューションを生み出すことを目指しています。

地域本社がグループ会社連携のハブとなる

TUCは、米州地域本社として、法務・知財をはじめとするガバナンス機能を提供し、グループ会社の連携を支援する役割を担っています。

私たちが提供する機能は多岐にわたります。戦略的視点の提供、業務プロセスの導入、トレーニングなど、それぞれの会社のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。そのため、パッケージ化された一律の支援ではなく、各社とのオープンなコミュニケーションを重視しています。

特に重要なのは、各グループ会社の知的財産に関する機能とTUCの間に効果的なコミュニケーションチャンネルを構築することです。この地道とも言える取り組みを通じて、各社のビジネスを深く理解し、ニーズを把握することが可能になります。TUCはグループ会社のあらゆるリソースを連携させるハブとなって、ビジネス上のニーズに応えています。

ユニークな技術のシナジーが生む新たな挑戦

TDKグループには、それぞれの会社が持つ独自の材料技術やプロセス技術などがあります。それらとソフトウェア技術を組み合わせることで、新たなシナジーが生まれ、これまでのTDKグループになかった新しい事業領域が生まれています。当然ながら、これまで積み上げてきた材料技術やプロセス技術に関する特許だけでは、未来の事業を十分に保護することはできません。そのため、私たちは常に新しい知財戦略を模索しています。

特にシステムおよびソフトウェアの分野では、技術、イノベーション、そしてビジネス諸機能を包括的に捉える視点が不可欠です。知的財産を活用し、競争力のあるビジネス環境を創出するには、ビジネスモデルとビジネス戦略を深く理解し、想像力とクリエイティブな思考が求められます。

幸いにも、TUCにはソフトウェアおよびシステムのビジネスに精通したジム・トラン執行役員が在籍しています。無線通信業界で豊富な経験を持つ彼の専門的な知見により、私たちはビジネスニーズと将来の方向性を正確に特定することができます。私が率いる知的財産チームには、強固な知的財産戦略を生み出すための環境が整っていると言えます。

TDK United - グローバルな連携が未来を作る

国や会社の壁を越えたグローバルなコミュニケーションと相互理解が、TDKの価値を生み、競争力を高めているのは紛れもない事実です。これからも私たちは、グループ会社の連携を強化していく「TDK United」のスローガンのもと、社会に変革をもたらすシステムやソリューションを生み出していきます。