サステナビリティ | ガバナンス|サプライチェーンマネジメント製造拠点における社会・環境配慮
基本的な考え方
TDKはサプライヤーとして、自社グループ製造拠点での社会・環境配慮に努め、社会的責任を果たすことが、事業を継続する上でも重要と認識しています。自己評価、監査、トレーニングと対話の3段階のフレームワークで、課題把握と継続的改善に努めています。
ガバナンス
製造拠点における社会・環境配慮に関するリスクおよび機会の管理は安全環境グループが主管し、各地域本社に責任者を設置して推進しています。また取締役会への報告は年2回行っています。
教育と啓発
TDKグループの全チームメンバー(従業員)を対象としたeラーニングを年次で行っています。また製造拠点の担当者を対象とした「CSR内部監査員養成研修」を、日本、中国、ASEANにて実施し、各地区にCSR内部監査を実施できる人員を配置しています。
戦略
長期ビジョン「TDK Transformation」に基づき、CSR活動を推進しています。また、TDKは社会課題の解決に向けた取り組みにおいて、RBA(Responsible Business Alliance)メンバーとしてRBAのグローバル基準を用いた評価を全製造拠点へ展開しています。
活動は以下のフレームワークにてPDCAを回しており、グループ全体のCSRマネジメントの強化を進めています。
①自己評価・リスク評価
リスク評価では、RBA基準に基づく「労働」「企業倫理」に関する評価を年次で実施し、抽出されたすべてのリスクに対して改善活動を実施。人権や倫理におけるリスク軽減を進めています。
安全衛生・環境に関しては別途リスク評価を実施しています。
②監査
監査ではRBA監査を含む第三者による監査を中期3年間にすべての製造拠点で実施することで、一定のCSRマネジメントレベルを保つとともに、社会課題の解決に向けた取り組みを継続的に行っています。
③教育
定期的なサステナビリティ教育およびCSR内部監査員教育を実施し、毎年CSR内部監査員としてのスキルを保持する人員の数を増やしています。
リスク管理
安全環境グループでは「労働」「企業倫理」「安全衛生」「環境」におけるリスクアセスメントを全製造拠点に実施するとともに、主管部門と連携し、サプライヤーに対してもRBA基準に基づいたリスク評価を実施し、課題の把握と改善を促進しています。継続的改善をもってPDCAを回し、抽出されたリスクを最小限に抑えることでサプライチェーンでのCSRマネジメントの強化を推進しています。
指標と目標
2024年度の目標と実績
2024年度目標 | 2024年度実績 |
---|---|
製造拠点におけるCSRセルフチェック100%実施(TDKグループ製造拠点) | 100%実施 |
製造拠点における労働/企業倫理リスクアセスメント100%実施(TDKグループ製造拠点) | 100%実施 |
全製造拠点において2024-2026年の3年間に1回以上、RBA公認監査(VAP、AMA、CMA)、RBA VAP Standardsに基づくCSRアセスメントのいずれかを実施 100% | 2024年度に21%の拠点で実施 |
国内、海外のCSR関係者への教育実施 | グローバルにCSR内部監査員養成研修を実施 |
対象製造拠点における労働/企業倫理の内部監査の実施100% | 対象拠点100%実施 |
評価と今後の取り組み
2024-2026年度の3年間において、すべての製造拠点で RBA公認監査、もしくはRBA監査基準に基づいたCSRアセスメントのいずれかを実施する取り組みを開始し、2024年度は全体の21%の製造拠点で監査が実施され、中期初年度の目標を達成しました。
2025年度目標 |
---|
製造拠点におけるCSRセルフチェック100%実施(TDKグループ製造拠点) |
製造拠点における労働/企業倫理リスクアセスメント100%実施(TDKグループ製造拠点) |
全製造拠点において3年間に1回以上、RBA公認監査(VAP、AMA、CMA)、RBA Standardsに基づくCSRアセスメントのいずれかを実施 100% |
国内、海外のCSR関係者への教育実施 |
対象製造拠点における労働・企業倫理の内部監査の実施100% |
取り組み
自己評価
頻度 | 実施拠点 | 内容 | |
---|---|---|---|
CSRセルフチェック | 毎年 | TDKグループ全製造拠点 | RBAのチェック項目(人権、安全衛生、環境、倫理)に関する質問票に拠点担当者が回答。結果をフィードバックし、改善策を各拠点で実行。 |
労働/企業倫理リスクアセスメント | 毎年 | TDKグループ全製造拠点 | 社会動向等を踏まえチェック項目を毎年更新。拠点担当者が質問票に回答。評価結果をもとに改善計画を立案・実行。 |
CSRセルフチェック
TDKでは、RBAが提供するSAQ(Self-Assessment Questionnaire)を用いて、労働(人権)・安全衛生・環境・倫理・マネジメントシステムに関する自己診断を毎年すべての製造拠点で行っています。これは、製造拠点でのCSR活動の現状把握、潜在課題の抽出とその対応、およびお客様からのCSR調査要請への迅速な対応を目的としています。
拠点担当者が質問票に回答した後は、サステナビリティ推進本部にて回答の分析を行い、必要に応じてフィードバックを実施しています。
2024年度は、CSRチェックを実施した全拠点のうち、評価の結果、課題が発見された2拠点に対して課題改善のためのフィードバックを行いました。
労働/企業倫理リスクアセスメント
毎年すべての製造拠点において、労働/企業倫理に関するリスクの評価、分析を行い、リスク軽減に取り組んでいます(環境・安全衛生は別途実施)。
チェック項目は、毎年、社会動向等を踏まえて更新しており、拠点担当者が質問票に回答した後、サステナビリティ推進本部にてリスク評価を行い、評価結果を拠点にフィードバックします。残存リスクが発見された場合には、各拠点で改善計画を立案し、是正を行い、リスクを最小限にします。各拠点がPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善を目指しています。
2024年度は、RBA基準8.0版に基づいた労働/企業倫理リスクアセスメントを通じて評価を実施しました。評価の結果、19拠点で潜在的なリスクが抽出され、期末までにすべての拠点で是正措置が完了しています。
監査
TDKで推進しているCSR監査については主に、RBA公認監査、およびRBA監査基準に基づくCSRアセスメントがあります。RBA基準に基づいた監査を行うことで、世界標準での労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステムのレベルが保たれるような仕組みを構築しています。
また、2024-2026年度までの3年間にすべての製造拠点において1回以上、RBA公認監査、もしくはRBA監査基準に基づいたCSRアセスメントのいずれかを行うことを目標とし、2024年度では全体の21%の拠点がいずれかを受審しており、目標を達成しました。
監査
頻度 | 対象拠点 | 内容 | |
---|---|---|---|
RBA公認監査 | 2024年度より、3年間に1回以上、すべての製造拠点で、RBA公認監査、RBA監査基準に基づいたCSRアセスメントのいずれかを実施 | 中期計画に基づく重点対象拠点 | RBAによるVAP、AMA、CMAいずれかの公認監査 |
RBA監査基準に基づいたCSRアセスメント | RBA監査が入っていない拠点 |
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RBAお客様によるCSR監査 | 都度 | お客様からの要望があった拠点 | お客様の監査基準に基づいて実施 |
内部監査 | 毎年 | 高いレベルのマネジメントが求められる拠点 |
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トレーニングと対話
CSRに関するRBAおよびお客様の要求事項を体系的に理解し、迅速に対応するためタイムリーなトレーニングを実施しています。
2024年度は、グローバルにRBA公認監査会社による「CSR内部監査員養成研修」を開催しました。またASEAN地区では第三者機関による現地監査を実施し、内部監査員のスキルアップのための研修を行いました。
派遣会社への実地監査
製造拠点で利用しているサプライヤー(人材派遣会社、サービスプロバイダー)などに対してCSR実地監査を行いました。発見された課題については改善計画から是正までの完了までのモニタリングを実施しています。
自社製造拠点における従業員の人権配慮
グループ内のすべての製造拠点を対象に、RBA基準に基づいたCSRセルフチェックおよび労働/企業倫理リスクアセスメントを毎年実施しています。これらは、サステナビリティ推進本部にて主管しています。また、すべての製造拠点において3年に1回以上、RBA認定監査、もしくはRBA監査基準に基づいたCSRアセスメントのいずれかを行うことを目標としています。これらの施策の中で、課題が発見された拠点では、改善計画を策定し、是正措置を実施しています。
2024年度は、75のすべての製造拠点において、RBAのセルフアセスメントを使ったCSRセルフチェックおよび労働/企業倫理リスクアセスメントを実施しました。人権に関するリスクアセスメントには、強制労働やハラスメント、派遣会社および食堂運営会社や警備会社などのサービスプロバイダーの管理が含まれています。労働/企業倫理リスクアセスメントを通じて、19拠点で潜在的なリスクが特定され、期末までにすべての拠点で是正措置が完了しています。今後も、上記施策を通じ、人権侵害のリスク低減のための取り組みを継続していきます。