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小型、大容量の中耐圧用積層セラミックチップコンデンサの開発、量産

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中耐圧領域では業界最高水準の静電容量により従来品比で50%小型化

小型、大容量の中耐圧用積層セラミックチップコンデンサ

小型、大容量の中耐圧用積層セラミックチップコンデンサ

2009年6月17日

TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、定格電圧が100V対応の中耐圧用積層セラミックチップコンデンサを開発し、7月より量産、販売を開始します。本製品は当社が得意とするセラミック誘電体の薄層化技術、多層化技術により、中耐圧領域では業界最高水準の静電容量まで向上させた新製品です。

近年、自動車は基本となる走行性能の向上に加え、快適性および安全性の面でも高機能化、多機能化が図られ、車載機器のエレクトロニクス化が大きく進展しています。また、最近では、燃費向上や二酸化炭素排出量の削減など、環境負荷低減に寄与する次世代のエコカーも世界中で大きな注目を集めています。このような状況の下、限られたスペースに搭載される電装機器は増加傾向にあり、車載用の電子部品に対する市場ニーズも、電装機器の小型化、省スペース化に貢献できる製品が求められています。

TDKでは、このような市場ニーズに対応するため、得意とする材料技術と多層積層技術を活用し、積層部分のセラミック誘電体の層間を従来よりも約40%薄くすることを可能とし、かつ焼成条件等を最適化することで、車載向け積層セラミックチップコンデンサとして必要な信頼性を維持し、小型化・大容量化を可能としました。

これにより、本新製品は、当社従来品比では同等の静電容量ながら50%小型化でき、また、同等サイズながら従来比で約2倍の静電容量を可能としました。温度特性はX7S特性(温度範囲:-55度〜125度、容量変化率:±22%)としており、主に自動車のエンジンルーム内等車載用途のほか、産業機器等で必要とされるスイッチング電源の平滑回路*向けにも使用可能です。

用語解説
*) 平滑回路:電子回路の一つで、整流された電流の中に含まれている脈流を、コンデンサなどを使用し蓄えた電荷を放出して電圧変動を抑え、よりなだらかに(平滑化)する回路。
主な特長
  • セラミック誘電体の層間を従来よりも40%薄くしたことにより、静電容量が増加し、小型化、大容量化を実現
  • 温度特性はX7S(温度特性:-55度〜125度、容量変化率:±22%)
主な用途
  • 自動車のエンジンルーム内(バッテリライン等)の入出力時の平滑用
  • 産業用機器のスイッチング電源の平滑用
主な特性
形状 厚み(mm) 定格電圧(V) 静電容量(μF) 温度特性
C1005(0402) 0.55 max 100 0.01 X7S
C1608(0603) 0.90 max 100 0.1 X7S
C2012(0805) 1.45 max 100 1.0 X7S
C3216(1206) 1.80 max 100 2.2 X7S
C3225(1210) 2.20 max 100 3.3 X7S
C4532(1812) 2.50 max 100 4.7 X7S
C5750(2220) 2.80 max 100 10 X7S
生産・販売計画
  • サンプル価格 : C2012形状(100V 1μF)10円/個
  • 生産拠点   : 秋田地区
  • 生産予定   : 3,000万個/月
  • 生産開始   : 2009年7月より
本件に関するお問い合わせ

広報部  Tel.(03)6778-1055