業界初*、大容量積層セラミック3端子貫通コンデンサの量産開始
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部品点数の削減に対応しワンチップ化に成功
業界初*、大容量積層セラミック3端子貫通コンデンサ
2007年8月6日
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、大容量の積層セラミック3端子貫通コンデンサ(CKD310JB0J226M)を開発、7月より生産を開始しました。
PCや携帯情報端末に代表される電子機器の小型化、高機能化に伴い、省スペース化のための部品点数の削減と部品サイズの小型化が強く求められています。これらに対応すべく、TDKでは得意とする材料技術と多層積層技術を活用し、3端子貫通コンデンサの高容量化を図り、ワンチップで広帯域のノイズ除去効果が得られる、大容量の低ESL貫通タイプの積層セラミックコンデンサを開発しました。
3端子貫通コンデンサは2端子コンデンサに比較し、低ESLであり高周波領域での減衰量が大きいことを特長とします。本製品は、シミュレーション技術を採用した設計技術とプロセス技術の改良により、従来製品と同じサイズ(形状3.2×1.6×1.3mm)で22µFの高容量の3端子貫通コンデンサを開発することで共振点を低周波領域にシフトさせ、より広い周波数帯域でノイズ除去効果を得ることに成功しました。この特長により、IC電源のデカップリング用として、あるいはDC/DCコンバータの入出力時の平滑用コンデンサとして有効です。さらに、内部電極がニッケルでかつ多層化設計とすることにより、低R-DC(直流抵抗)を実現し、許容電流4Aを可能にしました。
具体的には、従来の平滑回路で1.6×0.8mmサイズ、静電容量10µFの2端子コンデンサ(2〜3個)と1.0×0.5mmサイズ、静電容量0.1µF(1個)の組み合わせの回路が、本製品1個で同等性能を得ることができます。これにより部品実装面積を大幅に縮小することができ、各種機器の高周波回路部の省スペース化・多機能化に大きく貢献します。
- * 2007年7月15日現在、TDK調べ
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用語解説
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- ESL : 寄生インダクタンス。大きいと高周波領域に使用される場合のノイズ除去効果を低減させる。
- 3端子貫通コンデンサ : 2端子コンデンサでは、接地側端子が一つであるのに対して、二つにしてESLを低減させたコンデンサ。
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主な特長
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- 既存同タイプの製品と同サイズ(形状3.2×1.6×1.3mm)でありながら、当社量産品比10倍の静電容量(22µF)。業界同種製品で最大容量。
- 複数使用のコンデンサ(従来型)を1チップに集約
- 鉛フリー対応、鉛フリーはんだ実装対応、RoHS対応
- 製品仕様 : 静電容量/22µF、定格電圧/6.3V、許容電流/4A
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生産・販売計画
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- サンプル価格 : 30円/個
- 生産拠点 : 秋田地区
- 生産能力 : 300万個/月
- 生産開始 : 2007年7月より
本件に関するお問い合わせ
広報部 Tel. (03) 6778-1055