MEMSセンサ: 産業用途向けフォールトトレラント・モーションセンシング製品シリーズの販売開始
- 1.9 deg/hrバイアス安定性のジャイロスコープ、マイクロ秒精度のタイムスタンプ出力、フォールトトレラント対応な産業用6軸IMUシリーズ
- 超低ノイズセンサを内蔵したIIM-46234/IIM-46230製品が、過酷な環境下においても正確な測定を実現
- 革新的なハードウェア・ソフトウェア設計により、業界最高レベルの冗長性と早期警告機能を提供し、運用障害を回避
- すべての動作温度範囲にわたる、オフセット、感度(スケールファクタ)、重力感度、交差軸感度の工場出荷時キャリブレーション
2020年1月7日
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、InvenSenseブランドの新しい高性能・フォールトトレラント対応の慣性計測装置(IMU)シリーズを産業用途向けに販売開始しました。新製品IIM-46234/IIM-46230は、複数の6軸センサを内蔵し、それぞれが3次元の直線加速度と3次元の角速度の測定が可能です。
IIM-4623X製品シリーズは、振動や温度変化など過酷な動作環境下でも正確に測定出来る性能により、農業、建設機械、航空機、産業ロボットなど、さまざまなナビゲーションやスタビライザー用途に適用できます。アプリケーションの例として、建設車両向けでIIM-4623Xの測定値とGPSなどのグローバルナビゲーションシステムのデータを組み合わせることで、リアルタイムで正確な位置、姿勢、および動作検出の測定が可能です。このようなリアルタイムの情報は、産業用移動機械の自動化、効率化、安全性の向上に極めて重要です。また、この新しい製品シリーズは、フォールトトレラント性を高めるためにTDK独自のSensorFT™機能を統合しています。
TDKのグループ会社であるInvenSenseの産業市場担当のマーケティングディレクター、Uday Mudoiは、「IIM-46234とIIM-46230に含まれるSensorFT™の機能は、複数のIMUハードウェアと独自の障害検知およびリカバリーソフトウェアを組み合わせることで、冗長性と早期警告機能を提供します。また、IIM-4623Xセンサを組み込んだシステムは、早期警告をお客様に提供し、運用障害を回避する予防保守を可能とします。」と述べています。
IIM-46234/IIM-46230は、下記を実現
- 高精度・超低ノイズセンサによる正確な測定
- 幅広い温度範囲に対して信頼性を保証する工場出荷時のキャリブレーション
- 全てのセンサ測定値を含むマイクロ秒単位の正確なタイムスタンプ出力、他のシステムとの正確な時間同期
産業用の高性能IMUシリーズとInvenSenseのソフトウェアCoursa Driveを組み合わせることで、最少限の開発コストとリソースで、慣性ナビゲーションシステム(INS)を短期間で準備することが出来ます。Coursa Driveはリアルタイムの、位置と方向の差分を100 Hzの高周期で自動運転車システムに提供することで、GNSSおよび位置検知システムからの低頻度のリファレンスポジションを補完します。またシステムのフォールトトレラントを向上させるため、GNSSや位置特定システムが不確な場合または利用できない場合において、Coursa Driveはデシメートル(10cm) 単位の位置精度を短周期で出力することが可能です。
IIM-46234/IIM-46230の両製品は、現在、一部の顧客に販売しています。2020年1月7日から10日まで、ネバダ州ラスベガスのラスベガス・コンベンションセンターで開催されるCESのセントラルホール(LVCC)のブース#11448で、TDKはこの新しい製品シリーズを、受動部品、センサ、電源装置、バッテリーなどTDKグループの幅広い製品とあわせて展示します。詳細については、www.invensense.tdk.com/solutions/industrial/をご覧いただくか、industrial@invensense.comにお問い合わせください。
用語
- AV:自動運転車
- IMU:慣性計測装置
- GPS: Global Positioning System(米国によって運用される全球測位衛星システム)
- GNSS: Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)
主な用途
- 建設機械
- 農業機器
- ナビゲーション
- プラットフォーム・スタビライザー
- ロボティクス
- ジオリファレンス、マッピング、サーベイ
主な特徴と利点
- 低ノイズ、高バイアス安定性、
- 温度に対する低オフセット、低感度変化
- 温度範囲にわたる、バイアス、感度、調整不良、重力感度の工場出荷時のキャリブレーション
- 衝撃と振動に対する堅牢性
- 3軸の角度差分と速度差分の出力
- 個々のセンサ故障に対して内蔵された冗長性とフォールトレラントを提供するTDK独自のSensorFT機能
主な特性
製品 | 軸数 | パッケージ サイズ | ジャイロ バイアス安定性 | インターフェース | 出力 データ レート | 工場出荷時 キャリブレーション | 温度範囲 |
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IIM-46234 IIM-46230 | 6軸IMU (3軸ジャイロスコープ、 3軸加速度計) | 23 mm x 23 mm x 8.5 mm | 1.9 deg/hr (IIM-46234) | SPI, UART | 最大 1kHz | オフセット、 感度 (スケールファクタ)、 重力感度、直交軸感度 | -40 ~ 85℃ |
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、Chirp、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。2019年3月期の売上は約1兆3000億円で、従業員総数は全世界で約105,000人です。
InvenSense Inc. について
InvenSense は、TDKのグループ会社で、慣性センサプラットフォームのプロバイダです。同社InvenSenseの”Sensing Everything”というビジョンのもと、民生機器や産業機器領域をターゲットとし、慣性・音声ソリューション等を提供しています。InvenSenseのソリューションは加速度、角速度、磁気コンパス、マイクロフォン等のMEMSセンサを、センサの出力するアウトプットの合成、調整を行い、その性能や正確性を最大化するファームウェアや、独自のアルゴリズムと組み合わせることができます。今日、InvenSenseのモーショントラッキングや音声・位置プラットフォーム、サービスはモバイル、ウェアラブル、スマートホーム、産業機器、車載、そしてIoTという幅広い製品領域において提供されています。InvenSenseの詳細は、https://www.invensense.com/をご覧ください。
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