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積層セラミックコンデンサ:C0G特性樹脂電極品および金属端子付メガキャップの新シリーズの量産

  • 基板のたわみクラック対策
  • 熱衝撃によるはんだクラック対策
  • AEC-Q200準拠
積層セラミックコンデンサ: C0G特性樹脂電極品および金属端子付メガキャップの新シリーズの量産

2016年11月29日

TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、積層セラミックコンデンサC0G特性の樹脂電極品と金属端子付メガキャップの新シリーズを2016年12月より量産、販売することを発表します。基板たわみによるクラック防止、はんだクラック対策の切り札として、樹脂電極品と金属端子付メガキャップは自動車産業や信頼性を重視する用途に広く採用されています。X5R、X7R、X8R特性などの高誘電率系ではすでに量産対応しているのですが、C0G低誘電率では未対応でした。C0G特性も樹脂電極品と金属端子付メガキャップ化することで、さらに幅広い用途でお使いできるようになります。

C0Gは、温度変化による容量変化がほとんどなく、DCバイアス印加による容量低下がない、非常に優れた電気特性を有します。しかしその反面、誘電率の低さから、高い静電容量のコンデンサを製造するのが困難でした。TDKは得意とする誘電体材料の微細化と薄層、多層化技術により、定格電圧と静電容量の拡大を進め、業界トップクラスのラインナップを実現しています。

電気自動車(EV)の普及が徐々にではありますが始まっています。普及に欠かせないのが、充電設備などのインフラ整備と航続距離を伸ばすことです。インフラ整備の代表格の一つが非接触給電と言われています。短時間で大きな電力を効率的に非接触で充電するためには、高い耐電圧で高精度の共振回路が求められます。TDKのC0G特性樹脂電極品または金属端子付メガキャップにより、効率的な電力の伝達とユニットの小型化、さらには車載に求められる高い信頼性を同時に実現することが可能となります。
その他、電気自動車のプラグイン充電ではオンボードチャージャー(OBC)の効率的な充電を行うためにLLC共振回路方式の採用が増えていますが、ここでも高精度な共振が可能なC0G特性が注目されています。車載関連での用途拡大の他、高信頼が要求される各種回路や異種コンデンサからの置き換えにも有効です。


用語集

  • 樹脂電極品:通常品の端子電極層は銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)の3層で構成されている。樹脂電極品は銅とニッケル層の間に樹脂層を設けた4層構造の端子電極。基板のたわみクラック対策
  • 金属端子付メガキャップ:MLCCの端子電極両端に金属端子を付けた構造。1段と2段積タ イプがある。
  • C0G特性: -55~125℃の範囲で,わずかに0.3%以内の容量変化量

主な用途

  • 電気自動車、プラグインハイブリッドの非接触給電ユニット、オンボードチャージャーのLLC共振回路
  • 高信頼が要求される各種回路(時定数回路、フィルタ回路、共振回路、発信回路、スナバ回路)等

主な特長と利点

樹脂電極品は、端子電極層の樹脂の応力吸収効果により、基板たわみによるクラック、熱衝撃によるはんだクラック、振動に極めて高い信頼性を有する。
金属端子付メガキャップは、金属端子の応力吸収効果により、基板たわみによるクラック、熱衝撃によるはんだクラック、振動に樹脂電極品以上の信頼性を有する。また2段積タイプは、2倍の静電容量を得られる。
温度特性はC0G(温度範囲:-55℃~+125℃、温度係数 0±30ppm/℃)

主要データ

樹脂電極品
形状定格電圧静電容量(Max)
1005 (0402) 50V,100V 1nF
1608 (0603) 50V-250V 10nF
2012 (0805) 20V-450V 33nF
3216 (1206) 50V-630V 100nF
3225 (1210) 100V-1000V 68nF
4532 (1812) 630V,3000V 33nF
5750 (2220) 100V-630V 150nF
金属端子付メガキャップ
タイプ形状定格電圧静電容量(Max)
CKG32K 3225 (EIA 1210) 1段積 100V-1000V 68nF
CKG45K 4532 (EIA 1812) 1段積 250V-630V 68nF
CKG57K 5750 (EIA 2220) 1段積 250V-630V 150nF
CKG45N 4532 (EIA 1812) 2段積 250V-630V 140nF
CKG57N 5750 (EIA 2220) 2段積 250V-630V 300nF

生産・販売計画

  • サンプル価格 : 100円(3225 1000V 10nF)、200円(CKG32K 1000V 22nF)
  • 生産拠点 : 秋田地区
  • 生産予定 : 50万個/月(当初)
  • 生産開始 : 2016年12月

TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2016年3月期の売上は約1兆1500億円で、従業員総数は全世界で約92,000人です。

  • ※ 主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。

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丸川 TDK株式会社
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