TDKについて | 知的財産TDKと知財

TDKの知財の原点

TDKの誕生には特許が深く関わっています。TDKの創業者である齋藤憲三は、「世の中にまだ存在しない価値を素材のレベルから創り上げる」という独創の精神のもと、東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士による、世界初の磁性材料「フェライト」の発明に着目しました。当時はフェライトの用途も工業化の可能性も全くの未知数でしたが、フェライトの可能性に賭けて事業化したいという齋藤の熱意に対し、両博士は保有していたフェライト特許を譲渡することを決意しました。そうして、最初のフェライトコア製品「オキサイドコア」を発売することに成功したのです。独創の精神は現在に至るまで脈々と受け継がれ、知財はそれを支え続けています。

TDK Unitedにおける知財活動

事業の新陳代謝を進める中で、クロスボーダーなM&Aを通じ、さまざまな海外企業を仲間に迎えてきました。TDKグループは多種多様な歴史、文化、習慣を持ったチームメンバーと企業の集まりなのです。このようにして形成されたTDKグループ独自の融合体をTDK Unitedと呼んでいます。会社ごとに独自の仕組みと風土があることに加えて、知的財産制度の仕組みは各国で異なっており、国内のマネジメントをそのまま海外のグループ会社に持ち込むだけではグローバルな最適化は実現しません。そのため、発明の源泉である事業部門や開発部門だけなく、様々な部門との連携をグローバルに強化し、更なるTDKグループの発展に貢献していきます。

5つのコアテクノロジーと知財

TDKグループには創業以来、その独創的なモノづくりを支える技術があり、私たちはこれを5つのコアテクノロジーと呼んでいます。5つのコアテクノロジーとは、フェライトの事業化で培った技術を応用した「材料技術」、材料の特性を最大限に引き出す「プロセス技術」、開発プロセスを発展させる「評価・シミュレーション技術」、複数の電子部品を統合して高性能化を図る「製品設計技術」、そして、独自工法と設備の開発によって安定した量産を支える「生産技術」です。これら5つのコアテクノロジーを絶え間なく向上させることで、フェライトコア、磁気テープ、積層チップインダクター、磁気ヘッドという社会にインパクトを与えるイノベーションを生み出してきました。今までも、そしてこれからも、知的財産権による適切な保護と活用によって、時代に合わせた新製品、ソリューションを世に送り出していきます。

知財インテリジェンスを推進

TDKグループは、オーディオ、ビデオ、パソコン、スマートフォンなど、各時代の産業をけん引するアプリケーションに欠かせない製品を提供してきました。現在も、当社は世界的に進行する2つの大きな変革―グリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)―に不可欠な技術である、二次電池とセンサに関する知的財産を多数保有しています。TDKグループは、これらの技術を通じて社会の Transformation に貢献しています。

これからも、この変革のサイクルを推し進めるのだという決意をもって、2024年には長期ビジョン「TDK Transformation」を策定いたしました。

TDK Transformationというビジョンのもと、TDKグループは知財活動においても積極的な変革を進めています。現在、顧客価値を生み出す源泉となっている技術を知的財産として保護するだけでなく、IPランドスケープを活用して、社会の大きな変革によって現れる将来の市場を見極め、将来の顧客価値創出の源泉となる知的財産を生み出しています。このような知財インテリジェンスの推進を通じて、TDKグループの知財戦略と事業戦略を一致させ、未来にわたる事業成長を実現していきます。