サステナビリティ | サステナビリティ経営 | TDKグループのマテリアリティ品質管理
マテリアリティ特定の背景
TDKにとっての意義
製品の品質およびデリバリーパフォーマンスの向上は、2CX(Customer Experience, Consumer Experience)の満足度を向上させ、既存製品や新規開発プロジェクトへTDK製品を採用いただくことにつながります。その結果、お客様先での使用用途やシェアが拡大し、受注・売上・利益の向上に貢献します。
同時に、生産現場では工程内不具合(品質失敗コスト)が減少することで、TDKの中期経営計画Value Creation 2023におけるCommercial ValueおよびAsset Valueの向上に寄与します。
社会にとっての意義
TDK製品は、社是「創造によって文化、産業に貢献する」、サステナビリティビジョン「テクノロジーですべての人を幸福に」の実現を目指して開発・生産され、市場に供給されます。しかしながら、品質不具合の発生は、目的を達成できないだけでなく、お客様の満足度を低下させ、社会に損害を与えてしまう可能性もあります。
品質への取り組みは、社是およびサステナビリティビジョンの実現に向けた重要な要素であり、SDGsで掲げられた課題への解決にもつながるため、TDKが社会に対して果たすべき役割の一翼を担う、重要な意義を持つ取り組みです。
ステークホルダーからも、製品の品質に関するリスクを低減させ、安定して高品質な製品を提供し続けることが期待されていると考えています。
概要(テーマ、主管部門、目標、KPI、進捗状況)
テーマ | 主管部門 | 3年間で目指す姿 | 主な活動項目 | KPI | 中期目標(2021~2023年度) | 2021年度実績 | 2022年度実績 |
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ゼロディフェクトの追求 | 品質保証本部 | 4つの品質欠陥(設計/材料/工程/管理)の撲滅のため、事業部門におけるモノづくりが源流管理型へ近づいている。 |
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全対象部門での品質教育実施 | DXを活用した品質教育のグローバル化推進 | DX化した教育コンテンツの学習開始 | グローバル人事機能および海外拠点と協同で、品質教育のオンラインコンテンツの作成と展開 |
全対象拠点における認証維持管理(ISO9001) | 認証維持率 100% | 100% | 100% | ||||
AI活用によるシステムの開発検討 |
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品質コストの削減 | 品質保証本部 | 設計時のデザインレビューの強化、および製造現場における4M(Man, Machine, Material, Method)改善のための施策が打たれており、事業部門において自律的に改善が進んでいる。 |
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各要因に対する品質改善活動 | 要因ごとに施策を実施 |
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製品とサービスの品質向上による顧客満足度の最大化 | 品質保証本部 | 半導体解析機能の増強・強化などにより品質苦情発生時の対応スピードが向上し、特に重大苦情発生時には全社機能横断で顧客対応を行っている。 |
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満足度「Aランク」率 ※お客様から入手したサプライヤー評価を集計し、そのうち満足度「Aランク」(満足している)と評価いただいたお客様の割合 |
95%以上 | 96.8% | 95.0% |
SCM改革グループ | 業務ルールとデータドリブンによるレジリエンスなサプライチェーンマネジメントの実現に向け、サプライチェーンにおけるモノと情報(顧客需要変化・生産変動等)の可視化・清流化を図り、VUCAに対する迅速な意志決定ができている。 |
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1.連結視点によるSCM(サプライチェーンマネジメント)情報の可視化
2.供給方針に基づく在庫保有基準つくりとその管理機能の強化 |
対象製品群における新たな連結需給管理の業務基盤構築し、モノと情報の流れの可視性を強化していく。 さらに業務ルールを再定義し、迅速な意思決定ができる納期/在庫管理基盤の定着を図っていく |
1.現行インフラにおけるPSI(生産・販売・在庫)情報の精度アップ 2.連結需給管理基盤の構築に向けた構想策定を完了 |
1.現行インフラにおけるPSI(生産・販売・在庫)情報の精度アップを継続 2.連結需給管理基盤の構築に向けた新業務デザインとPoC(Proof of Concept)を完了 |
部門長メッセージ
品質保証本部長
高橋 毅
【主管テーマ】
- ゼロディフェクトの追求
- 品質コストの削減
- 製品とサービスの品質向上による顧客満足度の最大化
製造業であるTDKにとって「ゼロディフェクトの実現」は究極の目標ですが、私たちはまだそこへ到達することはできていません。目標の実現に向けて「原因追及の強化」「流出防止活動」「予防予知活動」「不良を作らない源流管理型モノづくり」の4つのステップで、取り組みを強化しています。それぞれのステップにおいては、従業員の品質意識を向上するための仕掛け・改善手法の向上や、DXとの融合による設計・材料・工程・管理について欠陥の撲滅活動を推進します。また、ディープラーニング※1AOI※2の基礎技術を構築するなど、DX技術によって工程内不具合発生の予知予防に努めます。
製品を設計、製造、提供するTDKにとって、製品の品質は最重要事項の一つであり、企業活動の土台となるものです。「Made by TDK」が高品質であることの証となるように、TDKグループ一丸となって、設計・材料・工程・管理の4つの品質欠陥を撲滅し、源流管理型モノづくりの体制・風土を構築していきます。
- ※1 ディープランニング: 脳の神経回路のしくみをモデルにしたニューラルネットワークを組み合わせることで、さまざまな事柄を学習し、複雑な問題にも対処できるように学習能力を高めた機械学習の手法の一つ。
- ※2 AOI(Automated optical inspection): 自動光学検査。蛍光、紫外線、LED、赤外線などの異なる光源を持つ高解像度カメラシステムを使用して連続画像を撮影して行う製品の品質検査。
SCM改革グループ G.M.
森田 剛
【主管テーマ】
- 製品とサービスの品質向上による顧客満足度の最大化
私たちはサプライヤーとして、お客様のビジネスに穴を開けないような納期(デリバリー)という価値提供、また資産効率向上に取り組んでおります。これにより顧客満足度の最大化・信頼の獲得を実現することができます。
また、TDKがサプライヤーとしてSDGs12番目の課題「つくる責任・つかう責任」に取り組むことで、地政学上のリスク対応および社会や環境への配慮、それらを実行するガバナンスの強化につながると考えています。
3年後の目指す姿を実現するために、現在「計画通りの生産と納期回答遵守という工場基盤づくり」「販社~工場間の業務プロセスの標準化/効率化」を推進しております。
また、従来の個別最適型の需給管理から、連結・全体最適の視点に立ったシームレスサプライチェーンマネジメントへのシフトを強化し、VUCA※の時代における迅速な意志決定を実現していきます。
長年にわたり、納期改善は重要な課題です。TDKグループ一丸となって新たな業務プロセスへの変革を実現し、課題を克服することで、顧客満足度の最大化を目指します。
- ※ VUCA: Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が困難な状況のこと