

#25シュパッと速さ実験!
~いろんなものの動きのお話~
私たちは、ゆっくり歩くこともあれば、速く走ることもある。
そもそも「速さ」って何だろう?
そこで、てれみんが速さを自由に変えられる道具を発明した…けど、なんだか大変なことになっちゃった!
今回は、そんな「速さ」についての疑問を、毎度おなじみはかせと助手がシュパッと解決!?
登場人物

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ちょっとしたイタズラ心から、大変なことに…
困ってしまったてれみん達。
そこで出張中のパパのかわりに、あの人たちに相談することにしました。
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こんにちは!てれみんファミリーの友達の「はかせ」です!好きなことは実験です!
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と、その助手です!
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さあて、今日はどんな実験をしようかな…と、あれ?
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はかせ!てれ公がめちゃくちゃ速いスピードで、何か届けてくれましたよ。
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なになに? 「速さの単位について教えて!」だって!?
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速さの単位って、時速とか、よく聞くやつですか?
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そうそう、でもその単位はいくつもあってだな。 ふむ、身近なことだからこそ、深めていくのは面白いかもしれない! よ~し! これは早速実験だ~!
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ちょっとはかせ~、 待ってくださいよ~、ゼィゼィ…。
そもそも「速さ」ってナンダ?
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速さは、どれだけの時間で、どれくらい移動したかという量を表している。
動いているものの速さは、【進んだ距離÷かかった時間】で計算することができるね。
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確かに、算数の授業でもやったなぁ~。
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公式を使って求めることが多い「速さ」だけど、 きちんと意味が分かっていれば、イメージもしやすいんだ。
「速さ」には、さまざまな単位があって
時間と距離の単位を使って表すことが多い。
例えば…
時速○km = 1時間あたりに進む距離をKmで表す
分速○m = 1分あたりに進む距離をmで表す
秒速○cm = 1秒あたりに進む距離をcmで表す
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分速ってあまり聞かないけど、エレベーターは分速で表すんですねぇ。
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そうそう、物や場合によってその単位は異なるね。
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でも、それぞれ時間も単位も違うから、 どれがどう速いのか、いまいち分からないですね。
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よし、では次はいろんな速さの単位をそろえてみよう!
世の中の「速さ」をそろえてみると・・・?
世の中で表されているさまざまな速さは、時間や距離の単位がそれぞれバラバラ。 この単位をそろえて比べてみると、比べやすくて面白い。 例えば、すべて「時速」に直して比べてみると…
◆人間の徒歩 → 時速4km(だいたい)
◆原動機付自転車(原付)の法定最高速度 → 時速30km
◆100m世界陸上記録保持者の最高速度 …ウサイン・ボルト2009年樹立(2022年現在)
→ 時速45km
◆オオカンガルーの最高速度 → 時速50km
◆山手線の最高速度(品川~大崎 間) → 時速90km
◆高速道路を走る車の速度 → 時速100km
◆チーターの最高速度 → 時速100km
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こう並べてみると、なんだかおもしろいですね。
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まだまだあるよ~!
◆日本人の野球選手(大谷翔平)の最高球速 → 時速165km
◆台風がもたらす風速(秒速)70mの暴風 → 時速252km
◆ハヤブサ(鳥)の最高速度 → 時速300km
◆東北新幹線の営業最高速度 → 時速320km
◆旅客機の飛行速度 → 時速1000km
◆空気中の音速(秒速340.65m) → 時速1226km
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うわぁ…ウサインボルトさんは、瞬間的な速さであれば 原付バイクよりも速いんですか!?
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チーターに追いかけられたら、自動車で逃げるのは難しいかもしれないぞ!
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台風の風よりも、速く飛ぶ鳥ってすごすぎませんか!?
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さてさて、単位をそろえて速さを比べてみると新たな発見と驚きがあっただろう。
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ホントですね、想像すると…なんだか笑っちゃうものもありましたけど。
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ところで君は、最近運動不足なんだってね。
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ギクーーー! なんで知ってるんですかぁ… そうなんですよ~、最近太っちゃって。
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ちょうど良かった! じゃあ、ちょっと走ってみようか!
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えっ! どういうことですか!?
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【動画①】 助手が走ってみた
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ぜぃぜぃ、久しぶりに走りました。 もう、こんな無茶ぶりはやめてくださいよ~。
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はっはっは。 でもその甲斐あって、面白い実験ができただろう。
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ところで 「速さ」と同じくらい 「速度」って言葉もよく聞きますけど、 あれって同じ意味なんですか?
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確かに似ている言葉だね。 じゃあ次は、その言葉の違いをみてみよう。
「速さ」と「速度」って?
似ているようで、実はちょっと違う2つの言葉。
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「速さ」は移動する方向を考えないけれど、「速度」には移動する方向も含まれる。
なので、速度にはマイナスやプラスの符号がつくことがあるよ。例えば・・・
東に行きたいはかせにとっては
東に時速10kmで移動した時、速さも速度も(+)10㎞/hになるけれど、
今度は西に時速10㎞で帰ってきたときは、速さは変わらず10㎞/hになるのに対して、
速度は -10㎞/h と表すんだ。
東に「向かう」時の速度を + (プラス) とすると、
西に「帰ってくる」時の速度は - (マイナス) となるんだよ。・速さ… 10km/h (あくまでも移動する量だけ)
・速度… -10km/h (移動する量と、方向の意味を持つ) -
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なるほど~。 速度に移動する方向によってプラスとかマイナスがつくんですね。
ジェットコースターが急にとまると・・・?
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速い…といえば、私ジェットコースター大好きなんですよ~。 でも止まった瞬間、キキーって前に体が行っちゃうのは、なかなか慣れませんね。
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ほうほう、では次はその不思議について見ていこう。
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車や電車、ジェットコースターに乗っている時、
同じスピードが続くとそうでもないのに、
急に動いたり止まったりすると体がぐいっと傾く。
それは、なぜだろう?
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これは、てれ公にも協力してもらいながら実験していこう!
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BUI !?!?
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【動画①】 助手が走ってみた
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今度は、てれ公が体を張って頑張ってくれましたね。 (はかせは全然動いてないけど…)
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うむ、あとで何かおやつをあげよう。 ところで、この不思議な現象には名前がついているんだ。
「慣性の法則」
ものは止まっている時はずっと止まっていたいし、
動いていたらずっとそのままで動いていたい。
これを「慣性の法則」という。
また、重いものほど動きにくいし、止まりにくい。
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はかせがいつもぐうたら止まっているのは、 慣性の法則がはたらいていたのですね!
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そ、それは…。
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あっ! 今回の実験で分かったことを、早速てれみん達に伝えてきます!(ピュー!)
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き、君は動きが速いねぇ…。
考えてみよう
変化するときのエネルギー
速さを変えるには、外からのエネルギーが必要。
遅くするにも、速くするにも、
ものの速さを変化させるためにはエネルギーが必要ってことだ。
例えば、止まっている車を動かすには、燃料を燃やしてエンジンを回さないといけない。
この時、ものを燃やすエネルギーをエンジンの回転(運動エネルギー)にして、
車の速さを変えている。
電気自動車の場合は、電気のエネルギーをモーターの回転(運動エネルギー)にしているんだ。