

#23へんしん科学実験!
~「状態変化」のお話~
いよいよ夏本番!
あつ~い夏には、冷たい‘アレ’が食べたくなります。
てれみん達も家で作ろうしたのに…
あれ? おかしなことになっちゃってる!
今回は、出張中のパパの代わりに、博士と助手がその謎にせまります。
登場人物

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せっかくかき氷を作ろうと思ったのに…
困ってしまったてれみん達。
そこで出張中のパパのかわりに、あの人たちに相談することにしました。
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こんにちは!てれみんファミリーの友達の「はかせ」です!好きなことは実験です!
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と、その助手です!
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さあて、今日はどんな実験をしようかな…と、あれ?
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あ!てれみんファミリーのてれ公だ!なにやら紙をくわえてますね!
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ふむふむ… 「小さくなった氷の謎を教えて」だと!?
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え~? その氷って、ずっと冷凍庫に入れておいたんですよね。 普通、大きさなんて変わらないんじゃないですか?
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その「普通」を疑ったり明らかにしたりするのが、科学のおもしろさの1つじゃないか。 ふむふむ、去年から凍らせていた氷だと… こお~りゃ~(氷)、科学のにおいがプンプンするぞ!なんてね!
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はかせ~、寒くてこっちが凍りそうです…。
どうして氷は小さくなった?
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冷凍庫に入れていただけなのに、どうして氷はなくなったのか?
まずは、そもそも氷は何からできていたかを考えてみよう。
みんなも知っている通り、氷は水からできている。
そして、水は蒸発(じょうはつ)すると水蒸気(すいじょうき)になる。
このように、温めたり冷やしたり(時には圧力によって)状態が変化することを
状態変化(じょうたいへんか)というよ
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なるほど~。 1つのものが、固体・液体・気体と状態が変わっていくんですね。
氷はずっと冷凍庫にあった。
つまり、とけない温度にあったはずなのに、小さくなってしまった。
氷はどこに行ったんだろう?
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次に、今回の現象をくわしく見てみよう。 氷を長い期間冷凍庫に入れておくと、どんな風に変化していくのかな。
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はい、実験用冷凍庫から氷をもってきますね!
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えー!本当に時間がたつにつれて小さくなってきてる!
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そう、実は状態変化は「固体→液体→気体」の順番ではないときもあるんだ。
氷が小さくなったのは、
固体から気体になる 「昇華(しょうか)」が起こったため。
長い時間をかけて、表面から少しずつ水の分子が逃げていたから小さくなった。
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昇華は、状態変化の際に起こる現象の1つだよ。
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なるほど~。 でも、水以外のものの状態変化はどんな風になっているんですか?
他にもあった! 身近な「昇華」
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個体から気体になる有名なものといえば「ドライアイス」。
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「アイス」というけれど、水を凍らせたわけではないですよね。
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そう、特別な方法を使って、二酸化炭素(炭酸ガス)を凍らせたものだよ。
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ドライアイスも昇華して、気体の二酸化炭素(炭酸ガス)になっていく。
よくドライアイスから白い煙が出ているのを見ることがあるよね。 -
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これは空気中の水蒸気(気体)がドライアイスに冷やされて、 氷や水のつぶになって、空気中をただよっているからなんだ。
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あの白いけむりは、二酸化炭素じゃなかったんですね~!
「状態変化」でマジックショー!?
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「状態変化」を利用すると、ちょっと変わった実験をすることもできる。 例えば、「ろうそく」! これは、実際にやってみよう!
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待ってました~!さっそく準備しますね。
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【動画①】 消えたろうそくの火が移動する!?
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あ~、びっくりした! ろうそくの先端に火をつけていないのに、けむりに火を近づけるだけで 炎がさがってろうそくに再び火がつくことなんてことあるんですね~。
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うむ、ろうそくの芯には溶けたロウがしみ込んでいて、 それが蒸気として立ち上っているんだ。 これは、液体→気体の状態変化だよ。
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まさに、状態変化がなせる科学のマジックですね。
金属の状態も変化する?
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金属だって状態変化をする。 種類によってとける温度が変わり、「鉄」は1,500℃以上ないととけない。
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中華料理屋の火力が1,500~1,800℃と言われているから、かなりの熱さだね。
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やわらかい金属である「スズ」の融点(ゆうてん:とける温度)は230℃。
これは、ライターの炎でもとけてしまうくらい。
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でも実は、もっととけやすい金属があるのは知っているかな?
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スズも十分とけやすいと思いますけどね…他にもあるんですか?
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ふふふ…それでは実験してみよう!
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【動画①】 消えたろうそくの火が移動する!?
この金属の名前は「ガリウム」
なんと30℃でドロドロになってしまうので、 手のひらにのせた時点でとけてしまう。
この夏は、気温だけでとけてしまいそう!
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なんとも不思議な金属でした…。
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そうだね、知らないだけで身近なところにさまざまな状態変化があるかもしれないぞ。
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とけるから形を変えられる
固まるから使える
物質の状態変化を活かして、私たちは身近な生活を豊かにしているんだ
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はかせ、今回の実験結果をてれみん達に伝えたら、 氷やドライアイスの実験が面白くて、かき氷どころではなくなったそうです!
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てれみん達らしいねぇ~。でも、水分補給はしっかりと、だぞ。
考えてみよう
ドライアイスを水に入れ続けると、どうなる?
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ドライアイスを水に入れ続けると、どうなるだろう?
全部溶けて、なくなるのかな?
水の中にドライアイスを入れると泡が出てくるけど、しばらく見ていると・・・ -
ドライアイスは小さくなった後、反応が止まる!
これはどうしてだろう?
実は、ドライアイスは普通の氷よりも温度が極端に低く、
マイナス80℃くらいなんだ。
氷よりも冷たいので、水の中でドライアイスと接していた水が凍ってしまうんだ。
その氷が膜になって、ドライアイス全体をおおうことで
ドライアイスが水に触れなくなるので、昇華をじゃましていた。 -
ドライアイスで実験をするときは、お家の人と一緒にやろう!