

#20
ほかほか科学実験!
~「反応熱」ってなに?~
だんだん寒くなってきて、おふとんが恋しいこの季節。
こんな時期には、心も体もぽかぽか温まりたいものですね。
そこで、てれみん達は何やら「ぽかぽか」できる新しいものを発明したみたい。
さっそく見てみよう!
登場人物

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てれみんの大発明(?)は残念な結果になってしまったけれど、 確かにカイロは便利でこの季節によく使われるもの。 てれみんとかなみんは、その仕組みに興味津々! そこ2人は困った時に頼りになる あの人たち に相談することにしました。
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こんにちは!てれみんファミリーの友達の「はかせ」です!好きなことは実験です!
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と、その助手です!
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さあて、今日はどんな実験をしようかな…と、あれ?
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あ!てれみんファミリーのてれ公だ!なにやら紙をくわえてますね!
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ふむふむ… 「あったかカイロのひみつを教えて!」だと!?
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あ~私も寒くなると、使い捨てカイロをよく使いますよ。便利ですよね~。
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確かに身近なものだけれど、その仕組みはなかなか知られていない…ということか。 よおし!では実験で「カイロ」の仕組みを解明しようじゃないか!もえるぜ~!ふはは!
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はかせ~、熱すぎます・・・。
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冬の定番!? あったかカイロの謎に迫る
いくつかの物質がくっついたり離れたり(=化学反応)することで出てきたり、 逆に吸い込まれたりする熱のことを「反応熱」 というよ。
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へぇー、カイロのように温かくなるものだけではなくて、 冷たくなるタイプの「反応熱」もあるんですね。!
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では、まずはカイロがなぜ温かくなるのか、なぜ「ほかほか」が続くのか謎に迫ってみよう。
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カイロの中身に注目してみよう!
そこで、カイロを分解してみる。
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【動画①】 使い捨てカイロを分解してみよう
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顕微鏡で見ると、いろんな粒が入ってたねぇ…うっとり。
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黒い粒だけだと思いきや、色々混ざっていたなんて、意外でしたね。
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ここからは、カイロに入っていたものがどのように反応していたのかを見ていこう。
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カイロが温かくなっていた仕組みとは…?
カイロの布の網目から酸素が入り、中の鉄粉と結びつくことで酸化が起こる。酸化するときに発する熱によって、カイロは温められていたんだ。
(♯12「花火もパーマも酸素のおかげ?」に酸化のことについて書かれているよ)このように熱が発生する化学反応のことを 「発熱反応」 というんだよ。
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カイロは作れる?
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ふむふむ。カイロの中身と仕組みが分かってきたということは… やっぱり、カイロを自分でも作ることができるんじゃないですか!
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ふふふ…これはやってみるしかないですよね。 では、早速材料を集めて作ってみよう!
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【動画②】 作れるの!? 使い捨てカイロ
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あったかくなるけど、けど、なんかちょっと違う…。 その違いはどこにあるんだろう?
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よし、引き続きカイロの中身について詳しく見ていこう。
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まず、塩水がどうして必要なんだろう?
塩水は、鉄粉と酸素が反応するのを助けてあげる役割をしているよ。
鉄が塩水で錆びやすくなる…と考えると、イメージしやすいかな。食塩水自体が化学反応するわけではないけれど、
いてくれるとスムーズに事が進む…そんな存在なんだ。
このように、反応を上手にコントロールするもののことを 「触媒(しょくばい)」 というよ。
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へぇ、「なんだかあの人いると、話がスムーズにいくよね」って感じなんでしょうか。
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そうそう、身の回りに一人いてくれるとありがたい存在だな。
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さらには、カイロを入れている袋にも秘密がある。 とても目が細かくて、少しずつしか空気を通さないようになっている。 これで、中に入る酸素の量を調整しているんだよ。
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そうか、じわじわと化学反応が続くようにしているんですね。 だから、カイロはずーっとほかほかが長持ちするわけか…。
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そうそう、実はいろんな工夫があるんだねぇ。
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カイロってホント便利なことはわかったんですけど… 使い捨てじゃないカイロがあると地球にも優しくてエコですよね。
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そうなんだ。 実は日本では約100年も前から有名な「使い捨てじゃな~いカイロ」があるんだよ。
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その名も、 ハクキンカイロ!
「ハクキンカイロ」とは、ベンジン(油)を使うことで、繰り返し使うことのできるカイロ。 口の部分に火を3~5秒近づけると、気化したベンジンと酸素が結びつき、酸化が起きる。 ここで触媒として、酸化を手伝っているのが白金(プラチナ)なんだ。 だから 「白金(ハクキン)」カイロ と呼ばれている。
このハクキンカイロは、100年くらい前に日本で開発された。
なんとマイナス40℃場所でも使えるというから驚き。
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そのスタイリッシュな見た目とエコの観点から、近年再び注目を集めていて、 海外でも大人気になっているみたいなんだ。
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おしゃれ~な感じですね。私も1つ欲しくなっちゃった!
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熱をとる反応にはどんな反応がある?
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さて、 「反応熱」として、「冷える」ほうにも注目してみよう。
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そうですね。発熱反応は分かったとして…冷える反応もあるんですよね?
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化学反応によってものが冷える時にどんなことがおきているのかな?
2つ以上のものが化学反応するときに、周りの熱を奪う。
すると、熱を失った周りは冷たくなってしまう…
こんな反応のことを 「吸熱反応」 というよ。「吸熱反応」にはどんなものがあるかな?
- ・氷に塩をかけて早く溶かす (この仕組みを使ってアイスクリームも作れる!)
- ・ラムネやキシリトール入りガムを食べる (口の中がひんやりするよね)。
- ・クエン酸を溶かす
- ・アイスパックのように薬剤(硝酸アンモニウムと尿素など)を混ぜあわせる
- などなど。。。
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吸熱反応ってあまり考えたことなかったですけど、色々なところで起きていたんですね。
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身近な不思議を見つけてはその謎や理由を調べていく、 それも科学の面白さの1つだね。
考えてみよう
お湯が冷たい? これも反応熱
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この時期お風呂から出たあと、身体が濡れたままだと異様に寒い!
これも実は反応熱の1つ。肌についた水滴(出たばかりはお湯)は、外の乾燥した空気にさらされて蒸発する。
その蒸発するときに、周りの熱を奪うんだ。
実はこれも大きくとらえると反応熱の1つ。ふ~、いいお湯だった。
ほう…今私の体の表面ではどんどん「吸熱反応」が起きているねぇ…ヘックしょい!も~、言わんこっちゃない。