サステナビリティ | TDKグループのサステナビリティ | CSR重要課題(マテリアリティ)地球環境との共生

地球環境との共生

マテリアリティ特定の背景

自社における重要性

社会の持続可能な発展の実現に向けて、生産活動に伴うCO2排出量削減や排水および廃棄物の削減等、あらゆる事業活動の中で地球環境への負荷を最大限削減するための活動をTDKグループ全体で実行することの重要性を認識しています。

ステークホルダーからの期待

関連する環境法令の遵守はもとより、事業活動における環境負荷の最小化と自然環境の保全・育成などの基本的な活動に加え、製品・サービスを通じたエネルギー消費量の削減への貢献、気候変動への対策の実施が期待されていると認識しています。

基本的な考え方

「地球環境との共生」は、TDK環境憲章でも定めているようにグループ全体における重要な経営課題の一つと認識しています。持続可能な社会の発展に寄与するために、新たに「TDK環境ビジョン2035」を策定し、これに基づいた具体的な活動の基本計画として「TDK環境・安全衛生活動2025」を策定し、実践しています。また、製品貢献量算定の業界基準策定を通じて、自社の環境貢献価値に対する社会の理解を促すことにも取り組んでいきます。

トピックス

気候変動をはじめとする環境課題への取り組みが、グローバルで一層重要性を増している今、企業成長と社会価値創出の両立に向けて、TDK グループに必要なこととは何か。外部の視点を得て、より適切な対応と戦略策定を図るため、2020年7 月8 日、株式会社日本政策投資銀行の竹ケ原 啓介氏および八矢 舞子氏とのダイアログを実施しました。

WEB会議の様子
本ダイアログは2020年7月8日、WEB会議にて実施しました。

気候変動への対応と企業成長の両立に向けて
TDKグループに求められることとは

「TDK 環境ビジョン2035」で目指すサステナビリティと事業の統合

TDK環境ビジョン2035
TDK グループでは、「地球環境との共生」をCSR 重要課題(マテリアリティ)の一つとして考え、2016 年に策定した「TDK 環境ビジョン2035」の実現に向けた取り組みを進めています。

ダイアログでは、まずサステナビリティ推進本部長・永原より、中期経営計画「Value Creation 2020」のもとで「Social Value」の拡大を目指すTDK グループの方針や、エネルギー・環境問題への取り組みについて説明。「環境側面から社会的価値を高め、TDKグループが持続的な成長を果たすためには何が重要か」という大きなテーマを参加者間で確認しました。

次に竹ケ原氏からは、ESG 投資の現状と今後への見方が示されました。「ESG投資家は、企業が将来の不確実性を見越して、持続的に成長していけるかどうかを注視しています。長期的な社会課題を認識し、それを戦略に組み込んだビジネスモデルを提示できているかが問われています」と竹ケ原氏は話します。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く現在の状況に対しても「将来への不確実性は一層高まりましたが、このESG 投資の基本的な考え方は変わるものではありません。特に気候変動は、2050 年などに向けた長期視点からは依然として最大のリスクファクターといえます」とお話しいただきました。

TDKグループの取り組みについては、「TDK 環境ビジョン2035」において、製品のライフサイクル全体における環境負荷をスコープ1(自社の直接排出)、スコープ2(他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出)、スコープ3(スコープ1、2以外の間接排出)それぞれで算定・公表していることに評価をいただきました。「『環境ビジョン2035』ではライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を半減という高い目標を掲げられています。事業活動での環境へのネガティブインパクトの軽減と、製品を通じた環境貢献によるポジティブインパクトの拡大という2 つが組み込まれて、サステナビリティと事業の統合が図られているのは非常に先進的です」と八矢氏。

反面、課題として指摘されたのは、国際的なベンチマークとの整合性が見えづらいこと。「すべてをCO2 排出原単位で表すことで定量的なデータを収集されているものの、世界が目指す気温上昇抑制の目標などと照らし合わせたとき、御社の優位性が伝わりにくいように思います。どのようなフレームワークやKPI を用いるかは今後問われるところでしょう」とご指摘をいただきました。

竹ケ原啓介 氏
竹ケ原啓介 氏

株式会社日本政策投資銀行
執行役員
産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長

1989 年 日本開発銀行(現日本政策投資銀行)へ入行。フランクフルト首席駐在員等を経て現職。「DBJ 環境格付融資」の開発 など日本の環境金融の第一人者。
環境省 中央環境審議会臨時委員、経済産業省 産業構造審議会臨時委員等公職多数。

八矢舞子 氏
八矢舞子 氏

株式会社日本政策投資銀行
サステナビリティ企画部課長

2002 年 日本開発銀行(現日本政策投資銀行)へ入行。北陸支店、審査部等を経て現職。
ESG 金融ハイレベル・パネル・ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース委員。

サプライチェーンでの排出削減に川中企業としていかに取り組むか

2019年12月に開催されたCOP25では、パリ協定の長期目標である2℃目標(産業革命後の気温上昇を2℃以内に抑える)を超えた1.5℃以内という目標値が提示され、世界のデファクトスタンダードとなりつつあります。サステナビリティ推進本部安全環境グループの桑島は、「気候変動への関心が世界的に高まる中、1.5℃目標は的を射たものであり、環境課題に取り組む以上は積極的にそこを目指していくべきと考えます。まずは自社の排出削減を率先して追求していくことが欠かせません」と方針を示します。
TDK グループでは、「環境ビジョン2035」に先駆け、「TDK 環境活動2020」でカーボンニュートラルの目標を設定していましたが、2014 年度に前倒しでこれを達成。こうした経緯も、より高い目標を目指し続ける今日の土台となっています。現在は、EX(Energy Transformation) への貢献を掲げ、社内では「Eco-TDK」をスローガンに、生産性の改善や徹底した省エネルギー推進、再生可能エネルギーへの転換を推進しています。

「今、当社で課題となっているのが日本拠点での再生可能エネルギーの推進です。国際水準と比べると日本の再生可能エネルギーの発電コストは依然として高く、海外拠点では再生可能エネルギー転換が比較的進めやすいのに対し、どうしても日本が遅れをとってしまいます」と話すのは常務執行役員の小林です。近年では、国際イニシアティブRE100に加盟するグローバル企業も増えており、そうした中でTDK もまた対応を問われています。
これに対し、竹ケ原氏、八矢氏の両氏からは、「RE100 は気候変動リスクに対処する戦略の一つではありますが、加盟が不可欠かどうかはその企業の立ち位置によっても異なります。バリューチェンの中間にある川中企業のTDK にとって自社の再生可能エネルギー100%を進めることの優先度がどうなのか、製品による環境貢献などほかの取り組みと比較し、慎重に検討してよいと思います」との意見をいただきました。
TDK グループにおける製品のライフサイクル全体における環境負荷を見れば、「販売した製品の使用」段階における環境負荷が圧倒的に多いことも注視すべき点です。「BtoB の川中企業として、お客様の最終製品を通じて当社の製品が消費者に使用されるときの環境負荷をどうとらえ、削減していくか。やはりそこが社会の低炭素化への貢献の要になると感じています」と桑島は話します。

※RE100:事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを目標に掲げる企業が加盟するイニシアティブ。2014 年に発足。

小林敦夫
小林敦夫

常務執行役員 品質、安全環境担当

永原佐知子
永原佐知子

サステナビリティ推進本部 本部長

桑島哲哉
桑島哲哉

サステナビリティ推進本部 安全環境グループ G.M.

山口智彦 氏
山口智彦 氏(ファシリテーター)

株式会社クレアン コンサルタント

気候変動をめぐるリスクと機会を事業とのつながりの中でとらえ直す

ダイアログでは、2019年度にTDK が賛同を表明したTCFDについても意見交換がなされました。気候変動が企業の財務に与える影響の分析・情報開示を求めるTCFD は、「先行き不透明な将来に向けて、企業と投資家が対話するために生まれたツール」であると竹ケ原氏はいいます。「TCFD のシナリオ分析で重視されるのは精度ではなく、幅の広さです。企業があらゆる可能性を視野に入れて自社のリスクと機会を検討し、どのような状況になっても生き抜ける戦略を持つかどうかに投資家は注目しています」。
桑島もその考え方に共感を示し、「全事業を横断的に見て、リスクと機会を事業戦略そのものの中でとらえていかなければならないのだと思います。TDK でも、SDGs で掲げられた社会課題を起点にアウトサイドインの視点で技術やソリューション、製品を考え、議論を深めているところです」と話します。竹ケ原氏は、TDK グループがこれまでにも事業を通した価値創出に取り組んできたことに触れ、「最近では、新型コロナウイルスの影響で社会のデジタル化が加速しています。それを支える多様な製品を送り出すことで、エネルギーの効率化に貢献していくという未来図は、TDK には描きやすいのではないでしょうか」。
小林は、「気候変動に対して、当社が製品・技術を活かして貢献できることは多くあります。5G に代表されるようなDX (DigitalTransformation) はEX と共に当社の柱といえ、それを通じて環境貢献を進めていくことは非常に重要です」と姿勢を示します。
また、「私たちが目指すそうした方向性や、TDK が提供する価値について、社外だけでなく社内に理解を促していくことも欠かません。工場などの現場も含め、あらゆる立場の従業員を巻き込み、自分事にしていかなければならないのだと考えています」という小林の言葉には参加者からの同意が示されました。

一方、現在TDK グループが「コトづくり」発想でビジネスを進めることで直面する新たな課題もあります。「モノづくりでは製品の省エネ性などスペックが明らかなため、環境への影響は測りやすいのに対し、コトづくりでは私たちのビジネスがどれだけ社会の環境負荷の低減に役立っているのか定量化しづらいのが実際です。インパクトの見える化には課題を感じています」と桑島。
竹ケ原氏、八矢氏ともに、その難しさには同意しながらも、「品質の高い優れた製品があってこそ、よいサービス、ソリューションが成り立つというのが大前提だと思います。社会の変化に合わせ、ビジネスモデルをモノづくりからコトづくりへと転換する中で、環境負荷低減に挑戦し続けるのは御社ならでは。ソーシャルインパクトの表現はまだまだ世界が模索するところであり、明確な指標もありません。TDK にこそ新たな基準づくりに挑戦し、世界をリードしてほしいと思います」と期待が示されました。

※TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):2015 年に金融システムの安定化を図る国際的組織である金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動関連財務情報開示タスクフォース。

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